新型コロナの感染対策として、ワクチン・マスク・消毒・コイントレー(?)・アクリル板・換気・ソーシャルディスタンスなど、いろいろなことが行われましたが…
←日本もようやくコロナ終了の春にしたい
接触感染ほぼしないので、消毒やコイントレー(で釣り銭やレシートを受け渡すという)は意味がない、
大飛沫で感染するわけでもないので、アクリル板やソーシャルディスタンスもほとんど無効。部屋にウイルスを含むエアロゾルが充満していればうつるでしょう。
はっきり効くのは「換気」です。エアロゾルを含む空気を外に出しちゃって、新しい空気を取り込む。それはもちろん効くのですが、なにしろ寒いと風邪をひきますのでこの季節は窓開けも難しいですね。厚労省のガイドによれば、湿度40度、温度は18度を下回らない範囲にしましょう、とのことです(これを割り込んで換気してる学校とかありませんか? 文句いっていいと思います)。
上の列挙には含まれていませんが、新型コロナの予防に非常に効くのは、新型コロナの「既感染」です。既にかかっていればかかりにくい。かかりにくいといっても、麻疹みたいな終生免疫のものではありませんけど、ワクチンよりは強く効き、長く効きます(*)。たまにまたかかる人もいますが、まぁまぁかかりにくい人が多数いる中では、爆発的には広がりません。今のアメリカのような感じです。
今まで日本が繰り返してきた波は、新しい免疫逃避の性質を持った変異株が来ると、感受性(ウイルスに接すればかかる)ある人がめっちゃ増えた勘定になるのでどっと感染者数が増え、感受性ある人があらかたかかり終わると波が下がる。というものでした。
第4波: アルファ
第5波: デルタ
第6波: オミクロンBA.1
(6と7の間は、BA.2があってあまりくっきりした谷にならずだらだらと続いている)
第7波: オミクロンBA.5
それで、第8波は…まだオミクロンBA.5でした。
【令和4年度】東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議・分析資料 > モニタリング項目の分析(令和5年1月19日公表)
第7波は2022年7月~9月くらいでほぼ丸ごとBA.5でした。10月はかなり新規感染者数が少なくなっていて、普通であればこのまま収束して、別の波が来るとすれば勢いのある変異株が新しくきたときなのですが、第8波が始まった11月からピークの12月を迎えてまだ6割がBA.5です。現在に至るまで、ほかの株も入っているけれど支配的になっていく勢いのものはなく、ぼちぼちBA.5の残りを分け合っています。
ではなぜBA.5のままで再燃、という今までにないことが起きたのか??
このグラフは、三回目+四回目+五回目のワクチン接種数(赤)と、新規感染者数(青)の推移を重ねたものです。
(以下は私の想像というか推測が入ってくるので別に今ここで読者を「説得」しようとは思いません。そのうち答え合わせもできるでしょうから数年経ったら振り返ります。)
これまでも、接種数の波と新規感染者数の波のタイミングはものすごく一致していたので、昨年秋にみんながオミクロン対応ワクチンを打とうとしていたときは、
「たくさん打つとまた波が来そうで嫌だな」と思ったのです。でも特に広がりそうな株もみえていないし大丈夫だろうか?
ところが見事にBA.5のまま感染拡大したのでほんとうに効くんだなと。いやこんなに効く? とむしろびっくりしました。もちろん重症化予防で打ちたいということであればそれは理にかなっているのでしょうが、しかしこんなに感染拡大してしまうのでは逆効果かもしれないわけです。
そんなこれまでにないタイプの第八波ですが、第七波と第八波を比べていえることは、第七波でたくさんかかった都道府県は、第八波が低いということです。
沖縄、大阪、東京など累積感染者率が高いところは第八波のほうがだいぶ低い。(3 : 1 くらい)
秋田、新潟など、これまで比較的感染が少なかったところは第七波と第八波の高さが同じくらい。
「たくさん打つと感染拡大」について、メカニズムはよくわかりませんが(打って二週間以内はかかりやすいというのは確実。そのほか、発症しなくても感染するからとか、いくつか考えられるけれど何がどれくらい効いてるかはわからない)、ブースターショットをやめたか、実際既にあまり打たれていない国では日本の第八波に相当する(BA.5で二つ目の)波は起きていないようです。
打ち続けている日本(人口100万人あたりブースター累積接種数)
アメリカでXBB.1.5が急増といっても今はこれくらい(人口100万人あたり新規感染者数)
(グラフはいずれもOur world in Dataより。国を入れ替えて比較できます)
検査してないだけでは? と思う人もいるでしょうがアメリカのほうが検査多い
中国はいつまでゼロコロナやるかなと思ったのですがやめるのは突然、極端、でしたね。もうほとんどの人がかかったようなので終了です。あそこまでやっておいて結局最後はインド式の収束ってほんと、何を考えているのかわかりませんが。
韓国は日本より少し先に接種をやめ、マスクも今月末に解除するそうでそろそろ終了です。
日本もようやく五類にする話をしていますが、大きなお金の話もからむのでしばらくかかるようです。しかし今後大量接種がないのであれば、現在の欧米などのように、かかる人もいるけど騒ぐほどではない、という状況に落ち着くでしょう。
もっと早く、オミクロンになったあたりで、低リスクの人(基礎疾患のない若者)にどんどんわちゃわちゃ密に交わってもらって、かかったらすかさず家で寝て治す(通常の風邪の経過を辿っている限りは)。ということをしていたら、そしてワクチンは打ちすぎなければ(たとえば、ブースターについては高齢者中心にリスクのある人に留める)、もっと早く日本でもコロナ終了になっていて、高齢者の死亡も少なかったと思います。強力な免疫を持った若者が社会全体の(つまり脆弱な高齢者などの)盾になるのです(思いやり既感染)。しかも盾といっても若者が犠牲になるわけではなく、一生閉じこもって暮らすのでなければ「慎重に」感染対策/自粛したとしても、今かかるかあとでかかるかの違いでしかありません。感染で鍛えられた免疫は自分の将来のための財産でもあるわけです。
参考: 「免疫は祭りで作られる」(高橋淳)
(*) 既感染が強いというのはいろいろな論文で出ています。たとえば
Protective effectiveness of previous SARS-CoV-2 infection and hybrid immunity against the omicron variant and severe disease: a systematic review and meta-regression(Lancet)
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接触感染ほぼしないので、消毒やコイントレー(で釣り銭やレシートを受け渡すという)は意味がない、
大飛沫で感染するわけでもないので、アクリル板やソーシャルディスタンスもほとんど無効。部屋にウイルスを含むエアロゾルが充満していればうつるでしょう。
はっきり効くのは「換気」です。エアロゾルを含む空気を外に出しちゃって、新しい空気を取り込む。それはもちろん効くのですが、なにしろ寒いと風邪をひきますのでこの季節は窓開けも難しいですね。厚労省のガイドによれば、湿度40度、温度は18度を下回らない範囲にしましょう、とのことです(これを割り込んで換気してる学校とかありませんか? 文句いっていいと思います)。
上の列挙には含まれていませんが、新型コロナの予防に非常に効くのは、新型コロナの「既感染」です。既にかかっていればかかりにくい。かかりにくいといっても、麻疹みたいな終生免疫のものではありませんけど、ワクチンよりは強く効き、長く効きます(*)。たまにまたかかる人もいますが、まぁまぁかかりにくい人が多数いる中では、爆発的には広がりません。今のアメリカのような感じです。
今まで日本が繰り返してきた波は、新しい免疫逃避の性質を持った変異株が来ると、感受性(ウイルスに接すればかかる)ある人がめっちゃ増えた勘定になるのでどっと感染者数が増え、感受性ある人があらかたかかり終わると波が下がる。というものでした。
第4波: アルファ
第5波: デルタ
第6波: オミクロンBA.1
(6と7の間は、BA.2があってあまりくっきりした谷にならずだらだらと続いている)
第7波: オミクロンBA.5
それで、第8波は…まだオミクロンBA.5でした。
【令和4年度】東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議・分析資料 > モニタリング項目の分析(令和5年1月19日公表)
第7波は2022年7月~9月くらいでほぼ丸ごとBA.5でした。10月はかなり新規感染者数が少なくなっていて、普通であればこのまま収束して、別の波が来るとすれば勢いのある変異株が新しくきたときなのですが、第8波が始まった11月からピークの12月を迎えてまだ6割がBA.5です。現在に至るまで、ほかの株も入っているけれど支配的になっていく勢いのものはなく、ぼちぼちBA.5の残りを分け合っています。
ではなぜBA.5のままで再燃、という今までにないことが起きたのか??
このグラフは、三回目+四回目+五回目のワクチン接種数(赤)と、新規感染者数(青)の推移を重ねたものです。
(以下は私の想像というか推測が入ってくるので別に今ここで読者を「説得」しようとは思いません。そのうち答え合わせもできるでしょうから数年経ったら振り返ります。)
これまでも、接種数の波と新規感染者数の波のタイミングはものすごく一致していたので、昨年秋にみんながオミクロン対応ワクチンを打とうとしていたときは、
「たくさん打つとまた波が来そうで嫌だな」と思ったのです。でも特に広がりそうな株もみえていないし大丈夫だろうか?
ところが見事にBA.5のまま感染拡大したのでほんとうに効くんだなと。いやこんなに効く? とむしろびっくりしました。もちろん重症化予防で打ちたいということであればそれは理にかなっているのでしょうが、しかしこんなに感染拡大してしまうのでは逆効果かもしれないわけです。
そんなこれまでにないタイプの第八波ですが、第七波と第八波を比べていえることは、第七波でたくさんかかった都道府県は、第八波が低いということです。
沖縄、大阪、東京など累積感染者率が高いところは第八波のほうがだいぶ低い。(3 : 1 くらい)
秋田、新潟など、これまで比較的感染が少なかったところは第七波と第八波の高さが同じくらい。
「たくさん打つと感染拡大」について、メカニズムはよくわかりませんが(打って二週間以内はかかりやすいというのは確実。そのほか、発症しなくても感染するからとか、いくつか考えられるけれど何がどれくらい効いてるかはわからない)、ブースターショットをやめたか、実際既にあまり打たれていない国では日本の第八波に相当する(BA.5で二つ目の)波は起きていないようです。
打ち続けている日本(人口100万人あたりブースター累積接種数)
アメリカでXBB.1.5が急増といっても今はこれくらい(人口100万人あたり新規感染者数)
(グラフはいずれもOur world in Dataより。国を入れ替えて比較できます)
検査してないだけでは? と思う人もいるでしょうがアメリカのほうが検査多い
中国はいつまでゼロコロナやるかなと思ったのですがやめるのは突然、極端、でしたね。もうほとんどの人がかかったようなので終了です。あそこまでやっておいて結局最後はインド式の収束ってほんと、何を考えているのかわかりませんが。
韓国は日本より少し先に接種をやめ、マスクも今月末に解除するそうでそろそろ終了です。
日本もようやく五類にする話をしていますが、大きなお金の話もからむのでしばらくかかるようです。しかし今後大量接種がないのであれば、現在の欧米などのように、かかる人もいるけど騒ぐほどではない、という状況に落ち着くでしょう。
もっと早く、オミクロンになったあたりで、低リスクの人(基礎疾患のない若者)にどんどんわちゃわちゃ密に交わってもらって、かかったらすかさず家で寝て治す(通常の風邪の経過を辿っている限りは)。ということをしていたら、そしてワクチンは打ちすぎなければ(たとえば、ブースターについては高齢者中心にリスクのある人に留める)、もっと早く日本でもコロナ終了になっていて、高齢者の死亡も少なかったと思います。強力な免疫を持った若者が社会全体の(つまり脆弱な高齢者などの)盾になるのです(思いやり既感染)。しかも盾といっても若者が犠牲になるわけではなく、一生閉じこもって暮らすのでなければ「慎重に」感染対策/自粛したとしても、今かかるかあとでかかるかの違いでしかありません。感染で鍛えられた免疫は自分の将来のための財産でもあるわけです。
参考: 「免疫は祭りで作られる」(高橋淳)
(*) 既感染が強いというのはいろいろな論文で出ています。たとえば
Protective effectiveness of previous SARS-CoV-2 infection and hybrid immunity against the omicron variant and severe disease: a systematic review and meta-regression(Lancet)
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