『初めて』と【不器用】より・乙女の祈り

　高校時代。初恋の相手がサッカー部の先輩で、告白する勇気は無いまま諦め切れずに幾多のライバル達と共にグラウンドの隅っこで練習を見学しながら黄色い声援を送ってマネージャーに怒られたり、サイズも判らないのにカーディガンなどを編み始めて挫折したり、バレンタインの手作りチョコレートを直火に掛けて焦がしたりしたことがあると同僚に話したら、何だか訳知り顔で大きく頷いてから肩を叩かれた。