「背伸び」「爪先」「刺」がテーマ
普段は爪先で探るように用心深く進むダンジョンも、見付けたお宝を手に凱旋気分で進んでいると油断が発生するものだ。と言う訳で、まるで背伸びをしたような姿勢のまま右手の指だけで穴の縁にぶら下がった俺は足下のトゲとそれに貫かれた先客の姿を確認しながら、お宝と命のどちらを放棄するかを一瞬だけ悩んだ。
普段は爪先で探るように用心深く進むダンジョンも、見付けたお宝を手に凱旋気分で進んでいると油断が発生するものだ。と言う訳で、まるで背伸びをしたような姿勢のまま右手の指だけで穴の縁にぶら下がった俺は足下のトゲとそれに貫かれた先客の姿を確認しながら、お宝と命のどちらを放棄するかを一瞬だけ悩んだ。