カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

作品その42・第五元素

2018-09-25 20:02:05 | 見習い錬金術師の作品
たかあきは『陶器の破片』と『三十年物の光鼈甲』を材料に『大地の幽霊の素』を錬成しました。用途は不明です。

 かつての師匠はしょっちゅう粉薬や水薬のようなものを錬成していて僕には絶対に触るなと厳命していたが、それら単体の薬を一定法則で組み合わせ、更なる複雑な高次錬成を行うと極めて純度の高いエーテルとなる。作るのも使うのも保存するのも大変な気体を作る理由を僕が一度尋ねたところ、会いたい人がいるんだと答えが返ってきた。

 師匠が一体そこまでして誰の姿を見たがっていたのか、当然ながらその頃の僕は全く分からなかった。
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