カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・判じ物の印章ペンダント

2020-05-08 22:40:11 | 突発お題

 彼は過去を語らず己を誇らず、ただ神の忠実な僕として生きた。
 清貧を旨として貧者に分け与え弱者を守り、僅かな贅沢として銀の食器を使い、時には毒の無い辛辣な言葉を述べ、晩年にはその眼が光を失っても愛するものの慈愛に包まれながら慎ましく暮らし、やがて己が信じる神の元に召された。
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竜飼いその14・奴と青竜の日々

2020-05-08 13:52:28 | 幻想世界の竜飼い
たかあきの竜は紺青の鉱石竜という品種名です。気性は乱暴もので、用途は家事手伝いです。

 資産持ちだが天涯孤独な友人は周囲がどんなに勧めても家族を作ろうとしなかった。他人と暮らすのが面倒臭いと言うのが理由だが、幼い頃から口は悪いが面倒見のいい青竜に育てられたので不自由はなかったのと、恐らくは全くの他人が家で暮らすことによって神経質な青竜が感じるであろうストレスを考慮したという事情もあるのだろう。そんな友人は数年前に急な事故でで亡くなったが、葬儀を終えた青竜は奴の墓から離れようとしなくなり、やがて朽ち果てた。
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