やがて天空の星に無邪気な想いを寄せる事が罪悪とされる時代が必ず来ると、青い本の表紙絵を撫でながら母は寂しげに言う。空を見上げ星を愛でる者にとって皆で同じ歌を歌い同じ方向に進まなければ許されない世界で生きるのは殺される程に辛いことだが、それでも生きていかなければならないのだと、母の言葉は続いた。
やがて天空の星に無邪気な想いを寄せる事が罪悪とされる時代が必ず来ると、青い本の表紙絵を撫でながら母は寂しげに言う。空を見上げ星を愛でる者にとって皆で同じ歌を歌い同じ方向に進まなければ許されない世界で生きるのは殺される程に辛いことだが、それでも生きていかなければならないのだと、母の言葉は続いた。
情熱の赤と冷静の青を掛け合わせた紫は双方の特徴を備えた賢者の色で、その知性を磨くのが本に記された知識であると印章を示しながら彼は言った。だとしたら幾人もの子供をその手で殺め、自らも命を絶った彼の持つ紫色と知性は一体何によって其処まで歪められてしまったのだろうか。
俺はそれ程の金持ちではないが、と前置きして従兄が話してくれた。本当の金持ちが気軽に人生を楽しむのは庶民より難しいらしい。例えば高級ホテルに宿泊しても設備や料理は自宅と殆ど変わらないし、何より大多数の人間はそんな虚無感を伴った不満を理解出来ないまま贅沢と断言するのだ。