何度も記事にしようとして挫折しているカースト制度の記事を書いてみることに。なぜ難航しているか?と言えば普通の日本人な私には理解出来ない事が多くてですね。
例えば、学校でインドの歴史を習う時に必ず出て来るカースト制度です。
例えば、テストの問題としてカースト制度とはどんなものですか?知ってる事を書きなさい。というような設問があったとして、日本の学生が書く答えは…。
「カーストとは、ヒンドゥー教における身分制度。ヴァラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラの4つの身分に別れる。カースト外に5つめのハリジャンがいる。」とまあこれだげ書ければ二重丸になるでしょうか。
だがしかしですね。実際にインドを旅してカーストについて疑問が出来て質問すると、まあガイドさんが答えをくれます。でもガイドさんの答えを聞くと更に次の疑問が生まれ、また聞くと更に疑問が…。となってしまい終わらないのですよ。今メモを見ながら、ガイドさんへのQ&Aの紙を見ながら書いてるのですが、理解が全く足りてないので、メモを元に聞いたことだけ書くことにしました。これさ~、ヒンドゥー教徒のインド人にでも聞かないと理解出来ないよ。
一部既出のなぜ病院でレイプ事件が起こるのか?(2016.2.23)の記事他で書いた事と重なりますがご容赦を。
● カーストの歴史
ヒンドゥー教社会を4層の種姓(ヴァルナ)に分割する宗教的身分制度である。
もともとは紀元前1500年頃アーリア人がインドに進攻した時に、先住民のドラヴィダ人を支配するために自分達を頂点とした制度をつくったのが起源。
どれだけカースト制度の歴史が古いか?まずそこに日本人は驚きますよね。
例えばです。仏教を興したゴータマ・シッダールダことお釈迦様。シッダールタはカースト第2位のクシャトリアでした。シッダールタは釈迦族の王子様でした。だから所属カーストはクシャトリアなのです。シッダールタはバラモンを頂点とする当時の枠組みに疑問を感じて出家します。出家のきっかけは長男が産まれたから。裏を考えると、クシャトリアの身分を継ぐ人材を確保した後に自分の思想の命ずるまま行動に写したのです。この時にシッダールタがクシャトリアの身分を捨てたのか?クシャトリアは王族。出家したらバラモン(僧侶)になれるのか?と疑問を抱いて聞いたらば、カーストの移動は不可能なんだってさ。そこから先は仏教の開祖たる方の生き方になるので、今さら私がどうこう語るのはおこまがしいのでざっくり省略します。
さて問題です、ブッダが生きていたのは今から何年くらい前でしょうか?
WIKIによりますと、ブッダの生没年は紀元前624年ー紀元前544年(諸説あり)とあります。答えはざっくり今から2500年前ですね。
さて、シッダールタが疑問を感じたバラモンを頂点とする枠組みはどうなったのか?という謎がどうなったのか?
この時肝心なのは、シッダールタが生きていた当時にインドで信仰されていたのはヒンドゥー教ではなくバラモン教だったということです。
WIKIによりますと、「バラモン教とは古代のヒンドゥー教のこと」。とあります。
バラモン今日の階級制度が最上位が司祭階級のバラモン。以下クシャトリア(戦士・王族階級)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(奴隷階級)でした。
インドの歴史ではやがて仏教とジャイナ教(厳しい教義を守る宗教)が起り信者が仏教へ流れ、バラモン教は衰退する。これが大体紀元1世紀頃。
紀元4世紀になりバラモン教はインド土着の宗教と交わりヒンドゥー教に変化(ヒンドゥー教徒には昇華)して、信者がヒンドゥー教徒に戻ってくる。
インドの宗教の栄枯盛衰ってか宗教の信者のパイ取り合戦ですね。で、現在は圧倒的ヒンドゥー教の勝利ですね。だって現在はインドの人口の82%がヒンドゥー教徒なのですから。この辺りは既出のインドの宗教(2016年3月2日)の記事に詳しく書いたので、よかったら参照して下さい。ちなみに、現在のインドにおける仏教徒はインドの人口の1%で第5位。ジャイナ教徒はその下の第6位の信者がいます。
さて、バラモン教の中心の神様はインドラ・ヴァルナ・アグニなどでした。これに今ヒンドゥー教徒が大好きなヴィシュヌ・シヴァなどが加わります。バラモン教はマイナーチェンジに成功し、インドで勝ち組の宗教、ヒンドゥー教に姿を変えました。庶民が受け入れ易い形にしたのが良かったのですかね?
ですが、元々はバラモン教に祖がある訳で、バラモン教の宗教的制度だったヴァルナ(種姓)もヒンドゥー教に受け継がれました。これが現在英語名のカースト制度と呼ばれているものです。日本もこちらの呼び方を採用していますので、カースト制度とニュースでは流れてますが、ヒンドゥー教徒的にはカーストとは呼ばすにヴァルナとジャーティーと呼びます。現地の人に尋ねるならもちろん「ヴァルナについて~」と聞かなければ通じません。なんつーの?ジャパンでなくて日本や!と主張するようなものですかね?あ。それました。つーか、ようやく歴史が終わったわ~。
あ!最後補足しますと、ヒンドゥー教におけるジャーティとは、出自のことで、カーストを同じくする集団のこと。同じカースト内でしか食事をとらないし、同じカースト内でしか結婚出来ない。同じカースト内でする職業などのしばりがあります。
そもそも私がひっかかったのは、職業がカーストに縛られるなら、ヒンドゥー教徒の就職事情ってどうなってるの?
具体的な職業を例に上げて説明して欲しい。と思ったからです。
子供がよく「これは何で~?」だの「どういう意味?」と尋ねる時期がありますよね。大人は出来るだけ正確に答えたい所です。この時期のなんで?どうして?をうやむやにすると、子供の性格形成などに影響すると思うので、オバさんは甥や姪のなんで?どうして?には頑張って答えますともさ。あ。それた。
さて、旅人は旅をする人で、帰国してしまえば、インドで産まれた疑問の答えを知らないまま一生過ぎてしまうかもしれない!そんなん許されると??と。変なこだわりを発揮して、カースト制度の疑問が出来る度にヒンドゥー教徒でカースト2位のクシャトリア所属のガイドさんを直撃しました。
まず大前提。カースト制度=(イコール)身分制度=(イコール)身分差別と考えがちの日本人はそこが間違っている。
同じカースト内でしか婚姻を結ばない(ジャーティを同じくするもの)事をバラモン教時代から連綿と続けて来たとすると、(例え途中で改宗していたとしても長い歴史があるのです)となると、ヒンドゥー教徒は相手の顔を見ただけで相手の所属するカーストが分かるとガイドさんは断言しました。
あの~?それって優性遺伝的な奴?人間の世代交替はハエとかブドウと違って長い時間がかかる訳ですが、ヒンドゥー教徒はそれを実現したってこと?
驚愕の事実は発覚しましたっ!
そこまで世代を重ねてカーストが引き継がれているとなると、他国がいくらカースト制度を廃止しろ!と言っても無理ですわ。そもそもヒンドゥー教徒達は身分差別だと思ってないから尚更です。
ガイドさんいわく「私達は自分のヴァルナに誇りを持っている」と言います。
ああっ!ここらで混乱しないように確認させて下さい。そもそもカースト制度があるのはインドの人口の82%を占めるヒンドゥー教徒のみ。です。他の宗教に属してるインド人には関係ない事ですからね。
例えば、マハトマ・ガンジーさんやインドラ・ガンジーさんがカースト制度の改革をしようとした。といった事を聞いた事がある人もいるかと思いますが、よく聞いたらば、ガンジーさん達がやろうとしたのはカースト制度の改革というよりも、カースト下位であるシュードラやカースト外のハリジャンの人々の地位向上とか職業解放とかを目指したらしい。何しろ4番目のシュードラに属するのはヒンドゥー教徒全体の40%を占めるので。しかし、結果はどちらも改革には失敗しています。でもインドラ・ガンジーさんは今もシュードラの人には人気なんだって。
あ~、ボチボチ私も書きながら混乱して来た。こっからはガイドさんの説明してくれた内容を更に要約して書こうと思う。
まず興味のありそうな事から。
それは恋。
恋愛結婚ってあるの?と尋ねたれば、「そんなものはナイ!」との答えが。
この辺りは既出の不思議なインドの結婚(2016年3月2日)の記事に詳しく書いてますので参照して下さい。
基本押えておいていただきたいのは、ヒンドゥー教徒は同じヴァルナ(カースト)内で結婚する。という事と、遥か昔から積み重ねて来た占いを元に相手を決める。という事です。こんなやり方ですが、結婚率はほぼ100%ですよ、更に女性の場合30才までに結婚しちゃうのですよ。
もうね。もうね。目からウロコでしょ?
でもさ~、若い男と女の恋ならば「一目惚れとかあるんじゃないの~?」と聞いたれば、田舎に行くと村は同じカースト(ヴァルナ)の人が固まって暮らしています。ときたもんだ。裏を返せば。同じ村の人ならば、みんな同じカーストに所属する集団。つまりジャーティな訳だ。なので、田舎に行けば行く程カーストが残ってるって事ですね。人が交わらないのですよ。
インドの全土のみならず世界中から人が集まる都会ではカースト制度にこだわらない人もいないわけではないけれど。何が言いたいか?といえば、ぶっちゃけカーストはなくならないって事ですね。廃止は無理です。
「ならば、学校はどうなの?生徒達はカーストの違う人が同じ学校で学んでるの?」という質問には、「学校はカーストに関係なく生徒が勉強しています。」と答えが。でもそこはインドなのですよ。例えば学校のお昼時は、同じカーストの人が集まって食事するんだとか。た・大変ね~。
インドの学校制度(2016年2月29日)の記事に詳しく書いてあるので参照して下さい。
ここまでは実は前フリです。次に具体的なヴァルナについて紹介しますね。
● カースト1位ブラフマー
青色に塗られた家は、ブラフマーの印です。
ヒンドゥー教の僧侶になれるのはブラフマーのヴァルナ(カースト)に生まれた人だけ。
4つのカーストの中で一番数が少ない。
人々の尊敬を集める。占いで結婚相手を決めるのもブラフマー。
結婚式を執り行うのもブラフマー。
お酒は飲まない。
名前に『シャルマ』がつく人はこのカースト。
ブラフマーから他のカーストが生まれたとされる。
ちなみに、政治家を職業にする人も多い。総理大臣もここ。
● カースト2位クシャトリア
王様(マハラジャ)や戦士のカースト。
畑を持っている人・土地を持っている人もこのカースト。
ブッダやマハトマ・ガンジーもこのカースト。
軍隊・警察官・IT企業の人もこのカーストが多い。
名前に『シング』がつく人はこのカースト。シングはライオンという意味。
私達のツアーガイドさんのランジットさんもここ。彼の名前をフルネームで書くと、ランジット・シングになる。
ちなみに、ジャイプールのマハラジャもジャヤ・シング言います。ガイドさんが「王様と私は同じ名前~」と言っていたのを覚えています。
● ヴァイシャ
ビジネスマンのカースト。
代々商人の人もこのカースト。
ガイドさんいわく「このカーストの人はケチなイメージがある」とか。
● シュードラ
全体の40%はいる一番多いカースト。一般市民のカースト。
土地持ちではない。貧乏人が多い。機織り・クリーニング屋。掃除人。トイレを掃除する人もここ。
カースト=ヴァルナ(種姓)に入るのはここまで。
カースト外として● ハリジャンがいる。
人口は一番少ない。
田舎に住む。
神様の牛が死ぬと牛を運んで片付けるのはハリジャンの仕事。
靴を磨いたりつくる人もここ。
他宗教からヒンドゥー教に改宗してきた人もここ。
マハトマ・ガンジーさんはハリジャンの改善しようとしたが失敗した。
カーストの中に1600種類くらいの仕事がある。
自分のカーストにプライドを持っている。
自分のカーストを守る。
例えば自分より下のカーストの人が触ったものはダメ。だから料理人やホテルに勤める人は上のカーストの人。
以上がカーストの話としてガイドさんがバスの中で披露したお話で、その時に必死で取ったメモを見ながら書きました。
でも更に聞きたい事が出来た私は、翌朝Q&Aを作りガイドさんに突撃しました。
問)オス牛を飼い、フンの燃料を作ってるのはハリジャンか?
答)シュードラが多い。
問)メス牛を飼って牛乳を搾っているのはクシャトリアか?
答)ブラフマーの僧侶が多い。
問)畑で作物を収穫するのはクシャトリアか?
答)カーストに関係ない。
問)羊飼いはハリジャンか?
答)シュードラもいる。盗まれないように犬もいる。
設問が不思議な聞き方をしているのは、バスの車窓から目撃するアレコレやガイドさんの話がきっかけです。今回の旅はデリーージャイプール間。ジャイプールーアグラの間で長時間の移動があり、車窓を興味深く観察する時間がたっぷりありました。わき上がる疑問も多くてね。「何で?」「どうして?」と聞きまくってた私です。
カーストに関しては以上です。まだまだ疑問は尽きない所ですが、疑問が解決する前に帰国となってしまいました。だからカースト制度については記事はここまでしか書けません。
例えば、学校でインドの歴史を習う時に必ず出て来るカースト制度です。
例えば、テストの問題としてカースト制度とはどんなものですか?知ってる事を書きなさい。というような設問があったとして、日本の学生が書く答えは…。
「カーストとは、ヒンドゥー教における身分制度。ヴァラモン・クシャトリア・ヴァイシャ・シュードラの4つの身分に別れる。カースト外に5つめのハリジャンがいる。」とまあこれだげ書ければ二重丸になるでしょうか。
だがしかしですね。実際にインドを旅してカーストについて疑問が出来て質問すると、まあガイドさんが答えをくれます。でもガイドさんの答えを聞くと更に次の疑問が生まれ、また聞くと更に疑問が…。となってしまい終わらないのですよ。今メモを見ながら、ガイドさんへのQ&Aの紙を見ながら書いてるのですが、理解が全く足りてないので、メモを元に聞いたことだけ書くことにしました。これさ~、ヒンドゥー教徒のインド人にでも聞かないと理解出来ないよ。
一部既出のなぜ病院でレイプ事件が起こるのか?(2016.2.23)の記事他で書いた事と重なりますがご容赦を。
● カーストの歴史
ヒンドゥー教社会を4層の種姓(ヴァルナ)に分割する宗教的身分制度である。
もともとは紀元前1500年頃アーリア人がインドに進攻した時に、先住民のドラヴィダ人を支配するために自分達を頂点とした制度をつくったのが起源。
どれだけカースト制度の歴史が古いか?まずそこに日本人は驚きますよね。
例えばです。仏教を興したゴータマ・シッダールダことお釈迦様。シッダールタはカースト第2位のクシャトリアでした。シッダールタは釈迦族の王子様でした。だから所属カーストはクシャトリアなのです。シッダールタはバラモンを頂点とする当時の枠組みに疑問を感じて出家します。出家のきっかけは長男が産まれたから。裏を考えると、クシャトリアの身分を継ぐ人材を確保した後に自分の思想の命ずるまま行動に写したのです。この時にシッダールタがクシャトリアの身分を捨てたのか?クシャトリアは王族。出家したらバラモン(僧侶)になれるのか?と疑問を抱いて聞いたらば、カーストの移動は不可能なんだってさ。そこから先は仏教の開祖たる方の生き方になるので、今さら私がどうこう語るのはおこまがしいのでざっくり省略します。
さて問題です、ブッダが生きていたのは今から何年くらい前でしょうか?
WIKIによりますと、ブッダの生没年は紀元前624年ー紀元前544年(諸説あり)とあります。答えはざっくり今から2500年前ですね。
さて、シッダールタが疑問を感じたバラモンを頂点とする枠組みはどうなったのか?という謎がどうなったのか?
この時肝心なのは、シッダールタが生きていた当時にインドで信仰されていたのはヒンドゥー教ではなくバラモン教だったということです。
WIKIによりますと、「バラモン教とは古代のヒンドゥー教のこと」。とあります。
バラモン今日の階級制度が最上位が司祭階級のバラモン。以下クシャトリア(戦士・王族階級)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(奴隷階級)でした。
インドの歴史ではやがて仏教とジャイナ教(厳しい教義を守る宗教)が起り信者が仏教へ流れ、バラモン教は衰退する。これが大体紀元1世紀頃。
紀元4世紀になりバラモン教はインド土着の宗教と交わりヒンドゥー教に変化(ヒンドゥー教徒には昇華)して、信者がヒンドゥー教徒に戻ってくる。
インドの宗教の栄枯盛衰ってか宗教の信者のパイ取り合戦ですね。で、現在は圧倒的ヒンドゥー教の勝利ですね。だって現在はインドの人口の82%がヒンドゥー教徒なのですから。この辺りは既出のインドの宗教(2016年3月2日)の記事に詳しく書いたので、よかったら参照して下さい。ちなみに、現在のインドにおける仏教徒はインドの人口の1%で第5位。ジャイナ教徒はその下の第6位の信者がいます。
さて、バラモン教の中心の神様はインドラ・ヴァルナ・アグニなどでした。これに今ヒンドゥー教徒が大好きなヴィシュヌ・シヴァなどが加わります。バラモン教はマイナーチェンジに成功し、インドで勝ち組の宗教、ヒンドゥー教に姿を変えました。庶民が受け入れ易い形にしたのが良かったのですかね?
ですが、元々はバラモン教に祖がある訳で、バラモン教の宗教的制度だったヴァルナ(種姓)もヒンドゥー教に受け継がれました。これが現在英語名のカースト制度と呼ばれているものです。日本もこちらの呼び方を採用していますので、カースト制度とニュースでは流れてますが、ヒンドゥー教徒的にはカーストとは呼ばすにヴァルナとジャーティーと呼びます。現地の人に尋ねるならもちろん「ヴァルナについて~」と聞かなければ通じません。なんつーの?ジャパンでなくて日本や!と主張するようなものですかね?あ。それました。つーか、ようやく歴史が終わったわ~。
あ!最後補足しますと、ヒンドゥー教におけるジャーティとは、出自のことで、カーストを同じくする集団のこと。同じカースト内でしか食事をとらないし、同じカースト内でしか結婚出来ない。同じカースト内でする職業などのしばりがあります。
そもそも私がひっかかったのは、職業がカーストに縛られるなら、ヒンドゥー教徒の就職事情ってどうなってるの?
具体的な職業を例に上げて説明して欲しい。と思ったからです。
子供がよく「これは何で~?」だの「どういう意味?」と尋ねる時期がありますよね。大人は出来るだけ正確に答えたい所です。この時期のなんで?どうして?をうやむやにすると、子供の性格形成などに影響すると思うので、オバさんは甥や姪のなんで?どうして?には頑張って答えますともさ。あ。それた。
さて、旅人は旅をする人で、帰国してしまえば、インドで産まれた疑問の答えを知らないまま一生過ぎてしまうかもしれない!そんなん許されると??と。変なこだわりを発揮して、カースト制度の疑問が出来る度にヒンドゥー教徒でカースト2位のクシャトリア所属のガイドさんを直撃しました。
まず大前提。カースト制度=(イコール)身分制度=(イコール)身分差別と考えがちの日本人はそこが間違っている。
同じカースト内でしか婚姻を結ばない(ジャーティを同じくするもの)事をバラモン教時代から連綿と続けて来たとすると、(例え途中で改宗していたとしても長い歴史があるのです)となると、ヒンドゥー教徒は相手の顔を見ただけで相手の所属するカーストが分かるとガイドさんは断言しました。
あの~?それって優性遺伝的な奴?人間の世代交替はハエとかブドウと違って長い時間がかかる訳ですが、ヒンドゥー教徒はそれを実現したってこと?
驚愕の事実は発覚しましたっ!
そこまで世代を重ねてカーストが引き継がれているとなると、他国がいくらカースト制度を廃止しろ!と言っても無理ですわ。そもそもヒンドゥー教徒達は身分差別だと思ってないから尚更です。
ガイドさんいわく「私達は自分のヴァルナに誇りを持っている」と言います。
ああっ!ここらで混乱しないように確認させて下さい。そもそもカースト制度があるのはインドの人口の82%を占めるヒンドゥー教徒のみ。です。他の宗教に属してるインド人には関係ない事ですからね。
例えば、マハトマ・ガンジーさんやインドラ・ガンジーさんがカースト制度の改革をしようとした。といった事を聞いた事がある人もいるかと思いますが、よく聞いたらば、ガンジーさん達がやろうとしたのはカースト制度の改革というよりも、カースト下位であるシュードラやカースト外のハリジャンの人々の地位向上とか職業解放とかを目指したらしい。何しろ4番目のシュードラに属するのはヒンドゥー教徒全体の40%を占めるので。しかし、結果はどちらも改革には失敗しています。でもインドラ・ガンジーさんは今もシュードラの人には人気なんだって。
あ~、ボチボチ私も書きながら混乱して来た。こっからはガイドさんの説明してくれた内容を更に要約して書こうと思う。
まず興味のありそうな事から。
それは恋。
恋愛結婚ってあるの?と尋ねたれば、「そんなものはナイ!」との答えが。
この辺りは既出の不思議なインドの結婚(2016年3月2日)の記事に詳しく書いてますので参照して下さい。
基本押えておいていただきたいのは、ヒンドゥー教徒は同じヴァルナ(カースト)内で結婚する。という事と、遥か昔から積み重ねて来た占いを元に相手を決める。という事です。こんなやり方ですが、結婚率はほぼ100%ですよ、更に女性の場合30才までに結婚しちゃうのですよ。
もうね。もうね。目からウロコでしょ?
でもさ~、若い男と女の恋ならば「一目惚れとかあるんじゃないの~?」と聞いたれば、田舎に行くと村は同じカースト(ヴァルナ)の人が固まって暮らしています。ときたもんだ。裏を返せば。同じ村の人ならば、みんな同じカーストに所属する集団。つまりジャーティな訳だ。なので、田舎に行けば行く程カーストが残ってるって事ですね。人が交わらないのですよ。
インドの全土のみならず世界中から人が集まる都会ではカースト制度にこだわらない人もいないわけではないけれど。何が言いたいか?といえば、ぶっちゃけカーストはなくならないって事ですね。廃止は無理です。
「ならば、学校はどうなの?生徒達はカーストの違う人が同じ学校で学んでるの?」という質問には、「学校はカーストに関係なく生徒が勉強しています。」と答えが。でもそこはインドなのですよ。例えば学校のお昼時は、同じカーストの人が集まって食事するんだとか。た・大変ね~。
インドの学校制度(2016年2月29日)の記事に詳しく書いてあるので参照して下さい。
ここまでは実は前フリです。次に具体的なヴァルナについて紹介しますね。
● カースト1位ブラフマー
青色に塗られた家は、ブラフマーの印です。
ヒンドゥー教の僧侶になれるのはブラフマーのヴァルナ(カースト)に生まれた人だけ。
4つのカーストの中で一番数が少ない。
人々の尊敬を集める。占いで結婚相手を決めるのもブラフマー。
結婚式を執り行うのもブラフマー。
お酒は飲まない。
名前に『シャルマ』がつく人はこのカースト。
ブラフマーから他のカーストが生まれたとされる。
ちなみに、政治家を職業にする人も多い。総理大臣もここ。
● カースト2位クシャトリア
王様(マハラジャ)や戦士のカースト。
畑を持っている人・土地を持っている人もこのカースト。
ブッダやマハトマ・ガンジーもこのカースト。
軍隊・警察官・IT企業の人もこのカーストが多い。
名前に『シング』がつく人はこのカースト。シングはライオンという意味。
私達のツアーガイドさんのランジットさんもここ。彼の名前をフルネームで書くと、ランジット・シングになる。
ちなみに、ジャイプールのマハラジャもジャヤ・シング言います。ガイドさんが「王様と私は同じ名前~」と言っていたのを覚えています。
● ヴァイシャ
ビジネスマンのカースト。
代々商人の人もこのカースト。
ガイドさんいわく「このカーストの人はケチなイメージがある」とか。
● シュードラ
全体の40%はいる一番多いカースト。一般市民のカースト。
土地持ちではない。貧乏人が多い。機織り・クリーニング屋。掃除人。トイレを掃除する人もここ。
カースト=ヴァルナ(種姓)に入るのはここまで。
カースト外として● ハリジャンがいる。
人口は一番少ない。
田舎に住む。
神様の牛が死ぬと牛を運んで片付けるのはハリジャンの仕事。
靴を磨いたりつくる人もここ。
他宗教からヒンドゥー教に改宗してきた人もここ。
マハトマ・ガンジーさんはハリジャンの改善しようとしたが失敗した。
カーストの中に1600種類くらいの仕事がある。
自分のカーストにプライドを持っている。
自分のカーストを守る。
例えば自分より下のカーストの人が触ったものはダメ。だから料理人やホテルに勤める人は上のカーストの人。
以上がカーストの話としてガイドさんがバスの中で披露したお話で、その時に必死で取ったメモを見ながら書きました。
でも更に聞きたい事が出来た私は、翌朝Q&Aを作りガイドさんに突撃しました。
問)オス牛を飼い、フンの燃料を作ってるのはハリジャンか?
答)シュードラが多い。
問)メス牛を飼って牛乳を搾っているのはクシャトリアか?
答)ブラフマーの僧侶が多い。
問)畑で作物を収穫するのはクシャトリアか?
答)カーストに関係ない。
問)羊飼いはハリジャンか?
答)シュードラもいる。盗まれないように犬もいる。
設問が不思議な聞き方をしているのは、バスの車窓から目撃するアレコレやガイドさんの話がきっかけです。今回の旅はデリーージャイプール間。ジャイプールーアグラの間で長時間の移動があり、車窓を興味深く観察する時間がたっぷりありました。わき上がる疑問も多くてね。「何で?」「どうして?」と聞きまくってた私です。
カーストに関しては以上です。まだまだ疑問は尽きない所ですが、疑問が解決する前に帰国となってしまいました。だからカースト制度については記事はここまでしか書けません。
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