アーク・フィールドブック

四万十フィールドガイド・ARK(アーク)のブログ

南の川から(気まぐれダイアリー)6月13日

2024-06-13 | 南の川から(気まぐれダイアリー)2024

 おはようございます。四万十は、晴れ。梅雨晴れ4日目。

まだ薄暗いうちに目がさめてしまった朝は、寝ぼけあたまで、川へGO!

幻想的な表情をみせる早朝の川は、蒼い夜明けの風が心地よい。

川原に腰をおろした僕は、あついコーヒーを飲みながら太陽をまちました。

 

目の前の川は、いつもより(平水時より)少し足早にながれています。

聞こえてくるのは、風と瀬音、鳥と河鹿蛙の鳴き声。

瑠璃色もうつくしい小鳥が、水面をすべるように飛んでいきました。カワセミです。

今日の最低気温は、17、5度。

 

 最高気温33、1度(今年最高)。

サンサンと降りそそぐ陽ざしに、青葉かがやき、

ザワザワと吹きわたる南風に、水面みだれる午後です。

それにつけても、陽ざしの強さよ。ひと晴れごとに、太陽がキョ―ボーになってゆく6月です。

「夏は、太陽が見えたらもう暑い。

陽の下にいたら、焼けるくらいや思うくらいのときもある。

けど、風があったら、水のニキ(すぐそば)がいちばん涼しいけん。

やっぱり川で遊ぶんがいちばんええじゃろ」野村春松 

 

太陽が見えたらもう暑い、南国の真夏。

真夏の四万十川でキャンプをするときは、(夜明けまえに)早起きするコトをオススメします。

日の出まえは、(めちゃ暑い日中にくらべて)風がすずしくすごしやすいし、

夜明けの川は、一日のなかでもっとも幻想的な川景色をみせてくれるから、です。

 

いつかの夏の「四万十川カヌー旅日記」より。

8月〇日。口屋内沈下橋の川原。

まだあたりが薄暗いうちに起き、テントからでて、ストーブに着火しコーヒーをつくる。

沈下橋にこしかけ、夜明けの川風に吹かれながらコーヒーを飲んでいると、

蒼暗く沈んでた川が、景色が、カヌー(カナディアン)が、薄明に少しづつ浮かびあがってきた。

寝ぼけオトコの耳に聞こえてくるのは、鳥や蛙の歌、瀬音。

 

テントにもどり、朝メシの支度をしていたら(といっても、朝メシは、菓子パンに魚肉ソ、バナナだ)、

沈下橋のわきに自転車をとめたおばちゃんが、川原の僕に声をかけた。

「にいちゃん、これ食わんかね?」と。それは、パックに入った田舎寿司だ。

「ありがとうございます」とお礼をいった僕は、明けゆく川をながめながら寿司を食べた。

幻想的な景色、涼やかな風、差し入れの朝メシ。

「早起きは三文の徳」。そんなことわざを思い出した、真夏のキャンプの朝。

 

朝の川原は、朝陽がつくる日なたが、ジワジワと大きくなってきた。

陽ざしのなかは、もう暑い。その前に、テントや荷物を撤収しカヌーに積みこんだ。

 

ザブン!出発前に川に飛びこんだ。

水面からみあげる夏空は、すみずみまで晴れわたり、一欠けらの雲もみえず。

「空がからっぽになってしまって、 空気さえないみたいに、太陽ばかりが光り輝いています」

*壇一雄(作家)が、滞在先のスペインから娘に送った手紙のなかの一節。

さて、今日は、太陽ばかりが光り輝く夏の川を、どこまでくだろうか?