あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連アルバム・レビュー!(19)

2005年12月06日 | CD・書籍紹介(FREE)
最後に、フリーの5枚組CDボックス(1枚はボーナス扱いだが)などを・・・。

フリーの歴史を、未発表トラックや各メンバーのソロ活動、名曲のヴァージョン違いを網羅しながら辿る編集盤の決定打、登場!
・・・とファンを感涙させたブツで。

特に未発表ライヴ満載のCD-4は、感涙の内容。
「Live!」同じ音源もあるが、それはアンソロジーBOXだから仕方ないとして。これまで、ライヴ・ヴァージョンを聴いた事ある曲でも「フリーは同じ演奏を2度としない」ので、感激する事に変わりは無いのだ。



――以下、収録曲。
【Songs Of Yesterday】

CD 1

1:Over The Green Hills (new mix)
2:Walk In My Shadow (alternate 'old' mix)
3:Wild Indian Woman (new mix)
4:Guy Stevens' Blues (unreleased)
5:Visions Of Hell (unreleased)
6:I'm A Mover (alternate mix)
7:Moonshine (alternate mix)
8:Woman By The Sea (unreleasedl)
9:Free Me (alternate version)
10:Long Tall Sally (unreleased)
11:Broad Daylight (alternate mix)
12:The Worm (B-side)
13:Trouble On Double Time (alternate version)
14:Spring Dawn (unreleased)
15:I'll Be Creepin' (alternate version)
16:Sugar For Mr. Morrison (B-side)
17:Songs Of Yesterday (new mix)
18:Woman (alternate version)
19:Mourning Sad Morning (new mix)
20:Fire And Water (alternate mix).

CD 2

1:All Right Now (alternate version)
2:Oh I Wept (alternate mix)
3:Remember (new mix)
4:Don't Say You Love Me (new mix)
5:The Stealer (full version)
6:The Highway Song (alternate mix)
7:On My Way (alternate mix)
8:Sunny Day (new mix)
9:Ride On Pony (alternate mix)
10:Love You So (alternate mix)
11:Soon I Will Be Gone (alternate version)
12:My Brother Jake (new mix)
13:Makin' Love- Only My Soul (unreleased)
14:Rain (unreleased)
15:Get Where I Belong (alternate version)
16:Only My Soul (B-side)
17:Travelling Man (alternate mix)
18:Molten Gold (alternate mix).

CD 3

1:Little Bit Of Love (alternate mix)
2:Soldier Boy (alternate mix)
3:Sail On (alternate version)
4:Guardian Of The Universe (demo)
5:Child (alternate mix)
6:Honky Tonk Women (rehearsal)
7:Lady (rehearsal)
8:Muddy Water (demo)
9:Heartbreaker (live)
10:Wishing Well (alternate mix)
11:Let Me Show You (full version)
12:Let Me Show You (B-side)
13:Muddy Water (alternate mix)
14:Common Mortal Man (alternate mix)
15:Heartbreaker (alternate mix)
16:Seven Angels (alternate mix).

CD 4
Live(from the 1970
Croydon and Sunderland concerts from which Free Live wastaken)

1:Ride On Pony (Croydon 2nd show)
2:The Stealer (Croydon 1st show)
3:Be My Friend
4:Fire And Water
5:Don't Say You Love Me
6:Mr. Big (Croydon 2nd)
7:I'll Be Creepin
8:Free Me
9:Woman
10:I'm A Mover
11:Walk In My Shadow
12:Songs Of Yesterday
13:All Right Now
14:Crossroads (Sunderland).

CD 5

1:I Just Want To See You Smile Paul Rodgers and the Maytals
2:Zero BC (Peace)
3:Like Water (Peace)
4:' Jelly Roll (Sharks)
5:Follow Me (Sharks)
6:Fool's Life (Kossoff Kirke Tetsu Rabbit)Alternate mix.
7:I'm On The Run (Kossoff Kirke Tetsu Rabbit)Alternate mix.
8:Sammy's Alright (Kossoff Kirke Tetsu Rabbit)Alternate mix.
9:Hold On (Kossoff Kirke Tetsu Rabbit)New mix.
10:Tuesday Williamsburg (Rabbit)
11:Unseen Love (Rabbit)
12:Time Spent (Time Away) Paul Kossoff/ John Martyn (Kossoff/ Martyn)
13:Complete version of 1971 jam

――まぁ、微妙なヴァージョン違いや、未発表曲、ライヴ演奏(昔は「実況録音」と言いましたなぁ・・・)を聴きたいファンが買うものではありますが。



ロジャース先生が「アット・ラスト」前に組んでた「ピース」の演奏も中々興味深いし。
後にバドカン名義で発表した「ライク・ア・ウォーター」でのミック・アンダーウッドのキッチリしたドラムも個性的だし、ロジャース先生の声も若いし、本当に興味深いヴァージョンであります。

しかし、キーボード・プログレ・バンド「クオーターマス」解散後、評価バカ高のロジャースとバンド結成なんて「こりゃ、儲けもの!」って感じだったろうが、アンダーウッドさん残念だったねぇ・・・・(涙)。

そして、ハートブレイカー・ツアーでは、ラビットが歌って彼のコーナーになってた「I'm On The Run」(Kossoff Kirke Tetsu Rabbitより。このアルバムもCD化されましたな)。

「Kossoff Kirke Tetsu Rabbit」からは「ホールド・オン」も収録されているが、ツアーでポール・ロジャースが歌ったヴァージョンを聴いた事あり、その差に愕然としたのでした。

コゾフもフレイザーも、ロジャースを越えるヴォーカリストと出遭えなかったのが不幸だったというか・・・(そんなヤツぁ滅多に居るワケねぇんだが)。

まぁ、最大の聴きものは、CD-5の1曲目「I Just Want To See You Smile」(Paul Rodgers and the Maytals)か?

神様ボブ・マーリィーを擁し、世界にレゲェを紹介した「天下のアイランド・レーベル」。
ヒョットして「ロジャース先生が歌うレゲェなんてのもあるかも知れない!」なんて思い続けたのですが。
あったんですよ、ディスク5の一曲目に。

まぁ、リズムがレゲェで歌はロジャース節のまんまだったんですが(笑)。



――このボックス・セット「Songs Of Yesterday」。
まぁ、ライヴも他とのダブリ少ないし(「Live!」のボートラとKossoffの「ブルーソウル」のライヴは、かなり被るので注意)。
充分満足なBOXセットですよ。ワタシャ部屋に飾ってますよ。

無念なのが、国内未発売な事ですな。
輸入盤で購入しても、色々なグループフォト載ってて楽しいけれど。
日本でも人気あった「忘れじのバンド」ですよ!今でも根強いファンが居るんですよ。
今回を期に、是非このBOXセットを国内解説付きで発売して欲しいですなぁ・・・。

ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バドカン関連のアルバム・レビュー(18)

2005年12月06日 | CD紹介(FREEメンバー)
そして、これまたギタリストとして圧倒的な存在感を見せていたポール・コゾフ。

髭面のふてぶてしい風貌とは裏腹に、ストーンズのブライアン・ジョーンズとも被る繊細さを持っていたという“Koss”(しかし「同じバンドに二人のポールが居るから、こちらは下の名前から“コスと呼ばれた」・・・なんてのが色々と暗示してるよなぁ)。

フリー解散後、クスリしたら足を洗えないながらも、ソロや新バンド=バックストリート・クロウラーで印象的なギターを披露していたのでした。

【Paul Kossof/BACK STREET CRAWLER】(1973)
1:TUESDAY MORNING
2:I'M READY
3:TIME AWAY
4:MOLTON GOLD
5:BACK STREET CRAWLER



――音の透明度が高いソロ・アルバム。

参加は、TETSU YAMAUTI、ANDY FRASER、CLIVE CHAMAN、TREVOR BURTON(以上ベース)、
ALAN WHITE、SIMON KIRKE(以上ドラムス)、PAUL RODGERS、JESS RODEN(以上ヴォーカル)、
RABBIT(キーボード)などなど、かなり豪華なメンバーで。

アラン・ホワイトなんてYESじゃなく、こっちで叩いてた方が全然OKなんじゃないか?・・・なんて思わせる重いスネアを聴かせてくれます。

そしてコゾフのギター。その個性と言える、独特のトーンとヴィブラート奏法の両方がタップリと堪能できるのですよ。

フリー時代はレスポールを使っていたコゾフ、このアルバムではジャケットでストラトキャスターを抱いていて、よりロングトーンの音色が研ぎ澄まされた印象。

最大の聴き物は、レコード時代はA面すべてを占領していた「TUESDAY MORNING」。

もうね、フリー時代に押えられていたギタリストとしてのエゴが炸裂しています!
自由に弾けて嬉しそうです。

前半、ノリの良いリフを中心としたヘヴィなギターロック、後半はソロ弾きまくり。
これが、「カム・トギャザー・イン・ザ・モーニング」に匹敵する泣きまくりギターで。

コゾフ・ファンには感涙の音色が聴けます。
この音色聴くだけで、このアルバム買う価値あるでしょうな。

2曲目は、これまた英国産の名ヴォーカリストと言われるジェス・ローデン(まぁ、私はイマイチ好きでは無いが)をヴォーカルに迎えてのファンキー・ロック。

4曲目は、フリーの同窓会的な曲(ラビットも参加)。
あらゆる声域で魅せるポール・ロジャースの歌唱も圧倒的ながら(ホント、このヒト凄すぎるわ!)、曲の良さも感動的で。
スローテンポながら、後半の盛り上がりが、フリーと言う「失われた財産」の尊さを感じせられる。
盟友コゾフへの最後のプレゼントとなった、これぞ名曲。

――以降、このアルバム・タイトル名を冠したバンドを結成するが、他のメンバーの知名度不足や、コゾフのドラッグ癖の悪化などあり、活動は地味なものとなり。

度重なる体調不良の末、コゾフの弱った心臓は、ツアーに向かう飛行機上で鼓動を刻む事を止めたのでした・・・。

90年代になって発表されたコゾフの音楽活動をなぞったアンソロジー「Blue Soul」では、セッション参加も含めて彼のギターのハイライトとも言える演奏が聴けたが、
未聴だったフリー曲のライヴ・ヴァージョンに、激しく感動したものだよなぁ・・・。



【Blue Soul】
1. Over The Green Hills Part One - Free
2. Worry - Free3. Moonshine (Live) - Free
4. Trouble On Double Time (Live) - Free
5. Crossroads (Live) - Free
6. Oh I Wept - Free
7. We Got Time - Uncle Dog
8. Oh How We Danced - Jim Capaldi
9. The Stealer (Single Version) - Free
10. Hold On - Kossoff Kirke Tetsu Rabbit
11. Catch A Train - Free
12. Come Together In The Morning - Free
13. Molten Gold - Paul Kossoff
14. I Don't Know Why The Sun Don't Shine - The Rumbledown Band
15. Tricky Dicky Rides Again - Jim Capaldi
16. I'm Ready - Paul Kossoff
17. Blue Soul - Backsteet Crawler

――「クロスロード」が聴きモノかなぁ。
ジム・キャパルディの「オウ・ハウ・ウィ・ダンスド」のキャッチーなサウンドの中でもシッカリと「コゾフのギター」を弾いてるのが偉い・・・。

最後は自己コントロールの出来ないラリパッパ・ギタリストと成り果てたが、やはり英国産の名ギタリストと言ってよろしいでしょう。

この人なしではフリーは成り立たなかったし、ロジャース先生が「コゾフの居ないフリ-は考えられない」と言うのも納得のギタープレイでした(「ハートブレイカー」でも、メンバーは正式にコゾフを迎えたつもりが、レコード会社は「ゲスト扱い」としていて、皆でショック受けた・・・なんて話もありましたなぁ)。