あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

フジファブリックは正しくロックバンドである!<br>1/23渋谷AX公演⑤

2006年02月07日 | 生活
ピーター・ハミルは、ヴァンダーグラーフ・ジェネレイター4枚目の傑作「ポウン・ハーツ」にて「音楽に生涯を捧げる決意を固めた」と言われるが。

「遅!じゃあ、決意の固まらない時期に『リフュジーズ』みたいな凄い曲を書いちゃったのかよ!」とも突っ込みたくなるのだが。

フジファブリックは、2ndレコ発コンサートの最終日一曲目で、プログレ曲「地平線を越えて」を演奏する事により、ロックに血と汗を捧げる決意を固めた・・・・そう思わされる演奏だった。

イントロ始まった時点で「ウオ―――!」と吠えたのは、私を含む2~3人。いずれも野太い声であったが(笑)。

そりゃ、シングルになった「モノノケハカランダ」の方がアップテンポで最初から飛ばせるが。若い女性は喜ぶだろうが。

「一触即発」みたいな曲調を、最初に持ってくるのは。
決して客の為だけでは無い、自分達の決意表明とも受け取れた。

そして曲は、「モノノケハカランダ」「TAIFU」「Sunny Morning」とアップテンポの連続で盛り上がる。

私は、この辺で昇天状態。「TAIFU」ではサビを歌うが、周囲で歌う奴なし。フジファブリックのファンは合唱しないらしい。

そのあとは、グッとテンポを落として「打上げ花火」「追ってけ追ってけ」へと続く。

「唇のソレ」ではカントリー色が強調され。
「Birthday」でもアコースティック風味が光り(ここでも民生ちゃんテイスト溢れる志村節がグー)。
「ベースボールは終わらない」は、ミディアムテンポも心地よく。
「水飴と綿飴」では、サウンドホースを客席に投げ込み(それを奪い合う客に「あ、危ないですから」と志村クン。人気あるけどピンと来てない風なのが良い)。

「サボテンレコード」の童謡っぽい前奏に和まされ。
1stの一曲目だった「桜の季節」で、また盛り上がり。
「茜色の夕日」でシンミリとさせられ(多分、志村クンが売れない時期に彼女に振られて作った曲だろうし。こっちにも思い当たる歌詞あるし)・・・。

曲間にMCは殆んど無し。
最初の方に「どうも、フジファブリックです」と志村クンが言った後で無言の間が続き。

「そ、それだけかい!?」と心で突っ込んだファン多し(声に出してた奴も居たが)。

それでもベースの加藤クンが、一度なぞ掛けやったりして「ああ、役割分担があるのね」と教わった気分。

「茜色・・・」の後で、「彼のコーナー」と志村クンに投げられたメガネの金沢クンが健闘。

まぁ、スペースシャワーTVの番組にレギュラー出演してるから喋りにも慣れたか、「XジャパンのMC真似をします!」と言って客席を煽って盛り上げてくれました。私ゃ、デーモン小暮としか思えなかったが(笑)。

――で、続く曲がシングルにもなった「銀河」で
「タッタッタッタ、ラッタラッタッタ♪」と盛り上がり。
「マリアとアマゾネス」で繋ぎ、「陽炎」で最初のエンディング。

アンコールは古くからのファンが喜んだ
「線香花火」
数少ない前向きソング「虹」(これが一番盛り上がったかなぁ)
などなど・・・。

メジャーデビュー前の曲は殆んど知らないから、2~3曲は聴きなれない曲がありましたが。

まぁ、昔は「いかにも」なダンスチューンも演ってたのね・・・ってな印象。
ワタシャ、ダラっとしてる曲が大半で、時々張り切った曲もあり・・・・ってのがフジファブリックなイメージなんですが。

インディーズ時代から好きな人は違うんでしょうなぁ。

私にとってフジファブリックは「ロックの良質なテイストを吸収した、正しいバンド」って印象で。

それがライヴで明確になったワケでしたが。
好きな音楽の影響を丸出しにするのも素敵だし、それを自分等で料理し切っているのも地力の証明だし。

いいバンドですよ、彼らは。もっと野郎に聴いて欲しい。

頑張れ、フジファブリック!
ブレイク寸前からブレイクへ、大きくスルーせよ!!

そんな感慨を覚えた1/23の渋谷AXなのでありました。

――完

フジファブリックは正しくロックバンドである!<br>1/23渋谷AX公演④

2006年02月07日 | 生活
一人参戦の有利さよ。隙間を探し、会場半ばへスルスルと侵入。

若いおネエちゃんの中にチャッカリ入り込む。
しかし、本当に女性が多いな。オレ、頭一つ出てますよ。

後方の客に悪いから、他の野郎・及び背の高い女性の後ろに回る。
不思議なもんで、身長170以上は固まっている感じ(笑)。

あきらかに平均年齢より上過ぎるワタクシだが。少し引け目を感じるが。
まぁ、けっこう聴き込んでいるんだし、彼らの音楽が好きなんだから文句は言わせません。

加齢臭だって、酒もタバコもやらないんだから少ない筈だし(笑)。
体力だってスイミングで維持してるし、サンボの壮絶ギグに耐えたのだから大丈夫だ。
今日は、ダイヴするヤツも居なそうだし、そんな雰囲気じゃないし。

2階席に有名人がいるのか、前列の女の子が盛んに覗き上げてる。私もつられて見上げるがサッパリ分からず。

BGMは、ファンキーなソウル。
カヴァーとか演るのかな?やるならW・ピケットかな?

・・・などと色々考えている内に客電が消え。メンバーが登場。

おもむろにキーボードの金沢クンが、一聴してシーケンサーみたいで無機質なリフレインを奏で始める。

うおおおおおおおお、「地平線を越えて」じゃねぇか―――――――!!!!!!!

奴ら、本気だ――――――――――――!!!!

――つづく

フジファブリックは正しくロックバンドである!<br>1/23渋谷AX公演③

2006年02月07日 | 生活
連れは事情あって行けず。私だけの参戦となったフジファブリック「モノノケハカランダ・ツアー」。

AX前は予想通り、女性客の行列であった。みな若い。会場外のコインロッカーで、すでにTシャツ一枚の姿も見える。
ワタシャ、コートを脱いで(下にタンクトップ着込んだ)ロンT状態に脱皮、臨戦体勢に入る。

開演時間30分前、会場内は既に8割の入り。
中々の熱気で、早々に前売りがソールドアウトになったのも肯ける。

まさに「ブレイク寸前」のバンドなのだ、フジファブリックは。

「永遠のブレイク寸前」になりそうな予感もあるが(笑)。←それじゃ、コレクターズだって!

まぁ、どこの世界でもそうだが。「ブレイク寸前」が一番美味しいのよ。

「名盤」より、「万人が名盤という一枚前」の方が面白かったりするのよ。

そういう意味では、フジファブリックは今が一番の旬なのよ。「FAB FOX」は充分名盤だと思うけど。

「唇のソレ」なんて、ユニコーンや有頂天みたいなコミカル曲もイケてるしね。
「マリアとアマゾネス」じゃ、シンプルを極めようとしてるし(で、その中にヒネリもあるし、「これ、ナックじゃん」みたいな隠し味も効いてるし)。

「地平線を越えて」みたいな、もろにプログレな曲もある(これにはホント参った)。

「四人囃子風」なんて簡単に言えるけど、中々そんな曲は書けないし、演奏も出来ません。しかも、しっかりフジファブリックの曲になってるだし。歌は志村節だし。

よくぞ、ここまでやるのを許したって気もするし。レコ会社や事務所も偉いと言っておこう。
シングル「虹」じゃ、前向きにマトモな曲を書くようになったか・・・とも思ったが(それでも志村節だが。キーボードは味出しまくってるが)、アルバム全体じゃモノノケ風味が出まくっておるのよ。

そのモノノケ風味が、どれくらい理解されるか微妙なのだが。
まぁ、大槻ケンヂに中規模のハコで「オーケンさん、俺こんなに大勢の人の前で歌う事があるなんて夢にも思ってなかったっす」とか言って感激しまくっていた桜井クンが、ミスチルで万人にウケ尽くしたって事実もあるのだから、何があるのか分からない世の中なのだ。

しかし。
1stのセルフタイトル・アルバムの「TAIFU」で、70’Sロック風味は感じていたが。
2ndを聴いて「フジファブリックは正しくロックバンドである!」と確信はしているのだが。

やはりロックはライヴである。雷が舞うと書いて「LIVE!」なのである。

私は、それを見届けに来たのである。

――続く