あるBOX(改)

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おすすめ本:アイリッシュ・ソウルを求めて

2007年04月10日 | 洋楽
アイリッシュ・ソウルを求めて

著者:ヌーラ・オコーナー/訳:茂木健、大島豊  
1993発行 大栄出版  価格:\2,548(税込)

ボクシング・ファンならビリー・コンやバリー・マクギガン、
スティーブ・コリンズを・・・
音楽ファンならU2やチーフテンズ、エンヤ、ヴァン・モリソンを・・・

アイリッシュと言われて思い起こす筈。

第1章  黎明を迎えて
第2章  かの気高き孤独の響き
第3章  異邦の客
第4章  荒野をさすらう人びと
第5章  アイリッシュ・ステップ
第6章  ダンスの血を継承した人びと
第7章  革命家の肖像
第8章  帰ろう、故郷へ帰ろう
第9章  アイリッシュ・ロックの胎動
第10章 どこまでも果てしなく
第11章 深い河を越えて
第12章 去りにし日々の光
第13章 ロックの中のアイリッシュネス
第14章 インタビューズ  



「bringing it all back home」の原題通り。
1840年代の飢饉に発する、大移民時代を経て、世界中に飛散し
やがて各地で大輪の花を咲かせたアイリッシュ音楽。
その歴史、新世界へ持ち込まれたアイリッシュ・ミュージックが、
どのような変遷を遂げて20世紀アメリカの(引いては世界の)
ポピュラー・ミュージックの形成に影響を与えたか。
そして、それが母国へ戻りアメリカの現代音楽とアイルランドの
伝統音楽が巨大な円環を形成していく過程が解き明かされていく・・・。

第13章では数々の「アイリッシュソウルを秘めた」ロックバンドも
紹介されている。

その中にポーグスの名前もある。
もともとポーグスってバンドはパンキッシュで好きではなかったが。
「ニューヨークの夢」という曲の歌詞には泣けた。

アイリッシュではないと書けない曲・・・そんなニュアンスでか、
同書籍に全歌詞が掲載されている。

2007年の英国音楽ニュースで、クリスマス・ソングのベストに
選ばれた同曲。
やっぱ「歌詞」の良さだろうねぇ・・・。

【ニューヨークの夢(fairytale of new york)】                         
words & music by shane macgowan

クリスマス・イヴだった トラ箱の中で一人のじいさんが俺に言った
もういっちょいかねえか それからじいさんは一曲歌った
<世にも稀なるウイスキー>を 俺は顔を背け、お前の事をぼんやり考えた

大穴を取ったよ 18倍もついたんだぜ 今年は俺と君の年さ 
そんな気がするんだ だからクリスマスおめでとう 
愛してるよ、君の事 ふたりの夢がかなう時が 俺には見えるんだ

酒場みたいな大きな車をみんなが持っているのね 河には黄金が流れてるのね 
でも身を切るような風が吹くのね 年取った人のいる場所じゃないわね

あなたが初めて私の手を握った時 とある寒いクリスマス・イヴに
あなたは私に約束してくれた ブロードウェイが私を待っているんだと

あなたハンサムよ 君はすてきだよ ニューヨーク・シティの女王様だ
バンドが演奏を終わると みんなはもっとやれと怒鳴っていた

シナトラがスウィングしてた 酔っ払いがみんな歌っていた
ふたりは街角でキスを交わし その晩を踊り明かした

ニューヨーク市警の合唱団が <ゴールウェイ・ベイ>を歌っていた
教会の鐘が鳴りわたっていた クリスマスを祝って

あんたは飲んだくれよ あんたなんてクズよ
お前はクスリ漬けの淫売じゃないか あのベッドの中で
注射でほとんど死んだようになってるじゃないか

あんたって最低ね あんたなんてウジムシよ 貧乏ったらしいオカマ野郎よ
クリスマスおめでとう、ケツの穴さん 私たち もうお終いね

ニューヨーク市警の合唱団が <ゴールウェイ・ベイ>を歌っていた
教会の鐘が鳴りわたっていた クリスマスを祝って

俺だって、ひとかどの人物になれたかも知れないんだ 
誰だって、そうなれたかも知れないわよ
初めてあんたに会った時に、あんたはあたしから あたしの夢をみんな
奪っていったのよ

俺はおまえの夢を取っておいたのさ 俺の夢と一緒にしてね
ひとりだけの夢になんてしておけない
俺はおまえのまわりに 俺の夢を積み上げたんだよ

ニューヨーク市警の合唱団が <ゴールウェイ・ベイ>を歌っていた
教会の鐘が鳴りわたっていた クリスマスを祝って