モンティエルに2-1で敗れたサントスに採点上は危なげなく3-0で勝利。
顔も無傷。「打たせず打つ」課題クリア…とまではいかなかったと思うが、ここ数戦では最も出来が良かったと思う。
「Sバンタム級世界前哨戦」としては、まずまず及第点・・・か。
「WBF王者のサントスが、Sバンタムのリミット内で負けたら王座剥奪と聞いて体重契約の変更を申し出てきた」結果、100%スーパーバンタムのテストマッチとは言えなくなったが、それでもフェザーより下の体重でのパフォーマンスは悪くはなかった。
プロボクシング「リアルスピリッツ」12/22 神戸市立中央体育館
【55・8キロ契約10回戦】
長谷川穂積(判定3―0)アルツロ・サントス
元WBC世界バンタム、フェザー2階級王者で同フェザー級6位の長谷川穂積(32才/真正ジム)と、元北京五輪メキシコ代表アルツロ・サントス(26才)の対戦。
試合を終えた長谷川は「まず勝ったことが一番。無傷で終われてよかった」とコメント。
ディフェンスを再重要視し、無理にKOを狙わないと決めた一戦で、五輪8強のサントスのパンチを躱し、何度も左ストレートを打ち込んだ。
ノーガードで相手のパンチを外したり、ロープを背にした打撃戦でも地元神戸の会場を沸かせたが「お客さんを意識し、ムキになる場面もありました」と反省。
確かに相手は長谷川を研究しており、「サイドに回る長谷川はそこから攻撃してこない」とばかりに追撃を続け、元王者の「気が休める時間帯」を削った。
いきなり大きな右を振るって「J・ゴンサレスKO長谷川」の再現を狙ったり、打ち合いの中でも左フックを怖いタイミングで打ってきて日本のファンをヒヤリとさせた。
サントスは、長谷川がバンタム時代に戦った挑戦者達に比較しても手ごわい好選手だったと思う。
サントスからして「予想外」だったのは、意外と長谷川がボディを狙ってきた事だろう。
左のボディストレートは想定内だったろうが「顔面パンチへの布石」くらいにしか考えてなかったら、第3Rにはレバーに飛んできた左のアッパーで動きを止められていた。
(実は、かなり効いていたのでは?)
右フックで相手わき腹を叩く長谷川も珍しく思ったし、意外と長谷川にはボディ・パンチャーとして成長の余地があるかも知れない。
(3R以降も左アッパーでレバーを狙って欲しかったなぁ・・・)
第9Rには長谷川の連打から左で、サントスの顔が紅潮。
ダメージありありだったが、ここは相手も粘った。
終盤はクリンチも有効に使い、「あわやの一発さえ食わなければ長谷川は負けないだろう」というムード。
実際、公式採点も危なげなく長谷川3-0だった。
(2点差のジャッジもあったが、そこはサントスの前進と手数を採ったのだろう)
さてさて勝者・長谷川だが
世界2階級制覇後の昨年4月にWBC世界フェザー級王座初防衛戦でジョニー・ゴンサレス(メキシコ)に4回TKO負けで陥落し、今年4月の1年ぶりの復帰戦で同級スペイン語圏王者のフェリックス(メキシコ)に7回TKO勝ちを果たすも「動きが硬く、内容に納得できない」と会心の笑顔なし。
今回、「やっぱりボクシングが好きだ」との原点回帰で山下正人会長(50歳)とのコンビを復活。
まぁ、フランク・ライルズ氏の教えも「基本的な長谷川の欠点指摘・矯正」だったから、それを課題とすれば良いとも思えた。
試合中、アナの説明で「練習中に左足肉離れがあった」とも伝えられたが、最終回も足が動き「契約ウエート55・8kg」で、Fe級時代より良いパフォーマンスを演じたワケだから、個人的には「3冠狙い」で行って欲しいと思う。
課題も「モチベーション」だけでは無いだろう。
・ムキになって打ち気にはやると、相手を見ようとして自分の動きは止まる。
・その時、上体は立ち、顔面は同じ位置に留まる。(コワイ!)
・相手のサイドに擦り抜けた後、そこからの攻撃が無い。
・ロープを背に打ち合おうとすると上体が反る。
・相手の懐が深いと踏み込みではなく大降りで距離を稼ごうとする。
・その結果、キレが鈍り軸が乱れる。
・自分自身が効いてしまった後の対応は上手くない。
意地になってガードを下げて打ち合おうとする姿勢は、だいぶ直ってたけどね。相手のフックはブロッキング、ストレートはダックなどで躱してたし。
ただ、今回のサントスはFeの選手に比べ明らかに小さかったし、懐深い相手ではなかったから、長谷川のアラが出なかったって要素もある。
要するに、まだまだ長谷川穂積には「技術的な課題」だって残っていると思いますぞ・・・って事で。
逆に考えればベテラン長谷川にも、まだまだ「伸びしろ」が残っているという事だ。
次は世界再挑戦になりそうだが
山下会長は「打たせずに打つボクシングが戻ってきた。来年春ごろに挑戦できれば」と語り
スーパーバンタム級とフェザー級の両にらみで今後、交渉にあたる模様。
長谷川も「世界のベルトを巻くのが僕の仕事。早く取り戻し“再就職”したい」。日本ボクシング界の顔が再び「エース復帰」に乗り出たワケだ。
ただし、長谷川をプロモートする帝拳ジムの本田会長は「Sバンタムは難しい。WBC王者マレス(メキシコ)側と1度話し合ったが、絶対日本に来ない」「呼べるとしたら、WBCフェザー級のダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)」と話しており、国内での世界戦ならフェザー級になる模様。
もっとも、これには帝拳ジム山中の試合を日テレでゴールデンタイム放送に載せたいと云う思惑もあるだろうし。
それには「知名度ある長谷川とのダブル世界戦」じゃなきゃ無理・・・という事だろう。
レオンはフェザー級でも強打者だし、「長谷川が一発食ってしまったら」の心配が残るカードだ。
※「一発食った後はがガタガタになってしまう」イメージが、大きく
刷り込まれちゃったよね・・・
ここは「海外でもイイからSバンタムで」挑戦して欲しいよねぇ。
顔も無傷。「打たせず打つ」課題クリア…とまではいかなかったと思うが、ここ数戦では最も出来が良かったと思う。
「Sバンタム級世界前哨戦」としては、まずまず及第点・・・か。
「WBF王者のサントスが、Sバンタムのリミット内で負けたら王座剥奪と聞いて体重契約の変更を申し出てきた」結果、100%スーパーバンタムのテストマッチとは言えなくなったが、それでもフェザーより下の体重でのパフォーマンスは悪くはなかった。
プロボクシング「リアルスピリッツ」12/22 神戸市立中央体育館
【55・8キロ契約10回戦】
長谷川穂積(判定3―0)アルツロ・サントス
元WBC世界バンタム、フェザー2階級王者で同フェザー級6位の長谷川穂積(32才/真正ジム)と、元北京五輪メキシコ代表アルツロ・サントス(26才)の対戦。
試合を終えた長谷川は「まず勝ったことが一番。無傷で終われてよかった」とコメント。
ディフェンスを再重要視し、無理にKOを狙わないと決めた一戦で、五輪8強のサントスのパンチを躱し、何度も左ストレートを打ち込んだ。
ノーガードで相手のパンチを外したり、ロープを背にした打撃戦でも地元神戸の会場を沸かせたが「お客さんを意識し、ムキになる場面もありました」と反省。
確かに相手は長谷川を研究しており、「サイドに回る長谷川はそこから攻撃してこない」とばかりに追撃を続け、元王者の「気が休める時間帯」を削った。
いきなり大きな右を振るって「J・ゴンサレスKO長谷川」の再現を狙ったり、打ち合いの中でも左フックを怖いタイミングで打ってきて日本のファンをヒヤリとさせた。
サントスは、長谷川がバンタム時代に戦った挑戦者達に比較しても手ごわい好選手だったと思う。
サントスからして「予想外」だったのは、意外と長谷川がボディを狙ってきた事だろう。
左のボディストレートは想定内だったろうが「顔面パンチへの布石」くらいにしか考えてなかったら、第3Rにはレバーに飛んできた左のアッパーで動きを止められていた。
(実は、かなり効いていたのでは?)
右フックで相手わき腹を叩く長谷川も珍しく思ったし、意外と長谷川にはボディ・パンチャーとして成長の余地があるかも知れない。
(3R以降も左アッパーでレバーを狙って欲しかったなぁ・・・)
第9Rには長谷川の連打から左で、サントスの顔が紅潮。
ダメージありありだったが、ここは相手も粘った。
終盤はクリンチも有効に使い、「あわやの一発さえ食わなければ長谷川は負けないだろう」というムード。
実際、公式採点も危なげなく長谷川3-0だった。
(2点差のジャッジもあったが、そこはサントスの前進と手数を採ったのだろう)
さてさて勝者・長谷川だが
世界2階級制覇後の昨年4月にWBC世界フェザー級王座初防衛戦でジョニー・ゴンサレス(メキシコ)に4回TKO負けで陥落し、今年4月の1年ぶりの復帰戦で同級スペイン語圏王者のフェリックス(メキシコ)に7回TKO勝ちを果たすも「動きが硬く、内容に納得できない」と会心の笑顔なし。
今回、「やっぱりボクシングが好きだ」との原点回帰で山下正人会長(50歳)とのコンビを復活。
まぁ、フランク・ライルズ氏の教えも「基本的な長谷川の欠点指摘・矯正」だったから、それを課題とすれば良いとも思えた。
試合中、アナの説明で「練習中に左足肉離れがあった」とも伝えられたが、最終回も足が動き「契約ウエート55・8kg」で、Fe級時代より良いパフォーマンスを演じたワケだから、個人的には「3冠狙い」で行って欲しいと思う。
課題も「モチベーション」だけでは無いだろう。
・ムキになって打ち気にはやると、相手を見ようとして自分の動きは止まる。
・その時、上体は立ち、顔面は同じ位置に留まる。(コワイ!)
・相手のサイドに擦り抜けた後、そこからの攻撃が無い。
・ロープを背に打ち合おうとすると上体が反る。
・相手の懐が深いと踏み込みではなく大降りで距離を稼ごうとする。
・その結果、キレが鈍り軸が乱れる。
・自分自身が効いてしまった後の対応は上手くない。
意地になってガードを下げて打ち合おうとする姿勢は、だいぶ直ってたけどね。相手のフックはブロッキング、ストレートはダックなどで躱してたし。
ただ、今回のサントスはFeの選手に比べ明らかに小さかったし、懐深い相手ではなかったから、長谷川のアラが出なかったって要素もある。
要するに、まだまだ長谷川穂積には「技術的な課題」だって残っていると思いますぞ・・・って事で。
逆に考えればベテラン長谷川にも、まだまだ「伸びしろ」が残っているという事だ。
次は世界再挑戦になりそうだが
山下会長は「打たせずに打つボクシングが戻ってきた。来年春ごろに挑戦できれば」と語り
スーパーバンタム級とフェザー級の両にらみで今後、交渉にあたる模様。
長谷川も「世界のベルトを巻くのが僕の仕事。早く取り戻し“再就職”したい」。日本ボクシング界の顔が再び「エース復帰」に乗り出たワケだ。
ただし、長谷川をプロモートする帝拳ジムの本田会長は「Sバンタムは難しい。WBC王者マレス(メキシコ)側と1度話し合ったが、絶対日本に来ない」「呼べるとしたら、WBCフェザー級のダニエル・ポンセ・デ・レオン(メキシコ)」と話しており、国内での世界戦ならフェザー級になる模様。
もっとも、これには帝拳ジム山中の試合を日テレでゴールデンタイム放送に載せたいと云う思惑もあるだろうし。
それには「知名度ある長谷川とのダブル世界戦」じゃなきゃ無理・・・という事だろう。
レオンはフェザー級でも強打者だし、「長谷川が一発食ってしまったら」の心配が残るカードだ。
※「一発食った後はがガタガタになってしまう」イメージが、大きく
刷り込まれちゃったよね・・・
ここは「海外でもイイからSバンタムで」挑戦して欲しいよねぇ。