あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

八重樫、ソーサに見事な判定勝ち!

2013年12月10日 | ボクシング
プロボクシング
【WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦】
12月6日 東京・両国国技館

八重樫東 判定12R エドガル・ソーサ(メキシコ)

打ち合いになったら危ないと言われた試合、八重樫は見事にスピードで元ライトフライ級王者を制した。

前に出るメキシカンを、イキの良い日本選手がスピードで封じる試合展開に
オールドファンは「柴田国明vsビセンテ・サルディバル戦」を思い起こしたかも知れない。

ソーサの間合いを避け、相手パンチの打ち終わりにスピーディーで回転の速い連打を決める。
相手の打ち気をそらす左右の動き、ジャブ、クリンチ。

打たれたソーサが再度踏み込んでも、もうそこにはいない。
本来、技術がある八重樫。
ミニマム奪取試合や井岡との一歩も引かぬ試合ぶり激闘王と呼ばれたが、強敵を迎えて資質が再度開花した印象だ。

それでも相手はライトフライ級時代に日本人ボクサーを5人も屠っている最強の挑戦者エドガル・ソーサだ。
踏み込んで左フック伸ばしたり、八重樫の左に右を被せたりと色々やってきたが、八重樫は続けての被弾を拒否。
動きが止まろうものなら一気に連打に捕まりかねない展開、王者は慎重かつ大胆に作戦を進めた。

WBC名物「4ラウンドごとの採点公開」、4ラウンド終了時2人がフルマークで八重樫、8回終了時も優位は動かない。

もちろん要所で自分から前に出て連打するシーンもあり。
しかし長い時間の打ち合いは避けている。冷静だ。

ただ、終盤は手数も減って「ただ下がるだけ」になった印象あり。
ラストラウンドは自分から仕掛けて、この試合ベストショットとも
いえる素晴らしい右ストレートを決めたが
※最終回で、あんな切れて速いストレート決まったんだから、
 もっと騒げよ放送席・・・

終盤はポイントを失っており、その辺は今後の課題でしょうか。
全般的に出鼻への左フック・カウンターの精度も足りなかったし、「当てる正確さ」の向上を期待したいものです。

公式判定は、6ポイント差が2人、4ポイント差が1人の3-0。
大差の判定勝利。あの前評高いソーサ相手にだ!

大橋会長は、ボブ・アラムがプロモートとしているロンドン&北京のライトフライ級の金メダリスト=ゾウ・シミン(中国)とのビッグマッチを希望している。

さらに、フライ級には、ローマン・ゴンザレスや、WBA&WBOの統一王者のファン・エストラーダ、
ブライアン・ビロリアら強豪が、統一戦を含むビッグファイトを狙っている。

そこに「逃げるという言葉は無い」という八重樫チャンプ。
頼もしい存在だ。
※ローマン・ゴンサレスがブランケットを
 あれだけ一方的にKOした後なのにねぇ・・・

大橋会長がセットした試合を全力で戦い、観客にアピールする。
それが八重樫の「王者としての矜持」なのだろう。

技術的にもスタイル的にも「八重樫ボクシング」は完成に近付いてる気がする。
今回は、その過程を見た思いだ。

次戦で完成か?まだ2~3試合先か?
それを見届けるのが、とても楽しみです。