「How to talk dirty and influence people」
興味深かったのはレニーの生い立ち。
芸人になる前だ。
ユダヤ系の血脈は大きな影響を彼に与えてるし、
清潔であるために父に尻を叩かれた経験は彼にとって
反動効果でしかなかったし。
叔母が使う怪しい道具はレニー少年の興味をそそったし
親類の性行為を目撃したことは決定的な事だったし。
そこまでは良くある話だが。
如才ないレニー少年は小遣い稼ぎに狡猾な手口を覚えるし
やがて成人した彼は聖教者を名乗って募金までを募った。
※一応資格らしき物は得たらしいが
富裕層の豪邸を巡りながら退屈なマダムの話を聞き、
「彼女らの多くはレイプの被害を告白した」と語る。
それ以前にレニーが海兵として第二次対戦に従軍して
いたのが驚きで。
※訪れたのはアジアとは遠く離れた場所だったが。
それでも真珠湾ネタは欠かさず、日本人の不潔さなどを
度々登場させる。
※まぁ、ハナから良く言って貰おうなんて気もしませんが。
海軍に飽きた彼はホモセクシャルの真似をして船から
陸に出される。
その手口も呆れたモノだ。
無垢だった頃もある。
農場に住みこみで働き、耕し育てる喜びを得た時期も
語っている。
温かい人々に溶け込み、まるでファミリーになった気分。
兵役を終えたレニーは「彼ら」に会いに行く。
きっと彼らは自分を誇らしく思うに違いない。「おお、
レニー立派になった」と抱きしめてくれるだろう・・・と。
しかし、現実は。
彼はただの一時的な労働力に過ぎなかった。
用が済んだら素っ気なく扱われ、街にポツンと佇むレニー。
以前共に働いた男は「新しい働き口でも探すのかい?」
「イイトコが見つかるよう祈ってるよ」と言い残して
去っていく。
都会に戻ったレニーは持ち前の口八丁でミュージシャンや
舞台のオーナーに気に入られる。
ベッピンのダンサーと恋仲になり、そのまま結婚して
幸せな日々もあった。
※嫁の嫉妬には困らされたようだが・・・
ヒップなミュージシャンは少しばかり汚い言葉が好きだ。
世の欺瞞を睨む者からすれば、レニーの言葉こそは宗教家より
真実に近かった。
最高なのはレニーがある意味リトマス試験紙になるシーン。
※良くも悪くも彼を受け入れる事が試されるのだ。
客席にアイリッシュの友人女性を連れてきた英国人俳優は
レニーのカトリックに対するジョークにショックを受けた
女性から「私をなんという場所に連れてきたの!」と激怒
され、彼女の取り巻きに一撃食らわされてしまう。
「これはアイリッシュの手よ!」と叫ぶ女性に男性は
「分かってる。そして僕のはイギリス人の顔だ」
「それが血をながしているんだ」と言葉を返したという。
レニーの悲劇を、こういう遣り取りが救った気がする。
※両親はレニーが子供の頃に離婚。親類とも疎遠。
自身に子供もなく、妻とは離婚・・・
良くも悪くも、レニー・ブルースとは観るものを判別して
しまう存在だ。
私からすると・・・やはり魅力的な人物だ。
※だいぶ前にダスティン・ホフマン主演の伝記映画
「レニー・ブルース」も見たが、本物の方が遥かに
凄いんだろうな~と思わされましたよ・・・。
少しは彼の事が知れた気がする。
やはり「読んで良かった」一冊でした。
興味深かったのはレニーの生い立ち。
芸人になる前だ。
ユダヤ系の血脈は大きな影響を彼に与えてるし、
清潔であるために父に尻を叩かれた経験は彼にとって
反動効果でしかなかったし。
叔母が使う怪しい道具はレニー少年の興味をそそったし
親類の性行為を目撃したことは決定的な事だったし。
そこまでは良くある話だが。
如才ないレニー少年は小遣い稼ぎに狡猾な手口を覚えるし
やがて成人した彼は聖教者を名乗って募金までを募った。
※一応資格らしき物は得たらしいが
富裕層の豪邸を巡りながら退屈なマダムの話を聞き、
「彼女らの多くはレイプの被害を告白した」と語る。
それ以前にレニーが海兵として第二次対戦に従軍して
いたのが驚きで。
※訪れたのはアジアとは遠く離れた場所だったが。
それでも真珠湾ネタは欠かさず、日本人の不潔さなどを
度々登場させる。
※まぁ、ハナから良く言って貰おうなんて気もしませんが。
海軍に飽きた彼はホモセクシャルの真似をして船から
陸に出される。
その手口も呆れたモノだ。
無垢だった頃もある。
農場に住みこみで働き、耕し育てる喜びを得た時期も
語っている。
温かい人々に溶け込み、まるでファミリーになった気分。
兵役を終えたレニーは「彼ら」に会いに行く。
きっと彼らは自分を誇らしく思うに違いない。「おお、
レニー立派になった」と抱きしめてくれるだろう・・・と。
しかし、現実は。
彼はただの一時的な労働力に過ぎなかった。
用が済んだら素っ気なく扱われ、街にポツンと佇むレニー。
以前共に働いた男は「新しい働き口でも探すのかい?」
「イイトコが見つかるよう祈ってるよ」と言い残して
去っていく。
都会に戻ったレニーは持ち前の口八丁でミュージシャンや
舞台のオーナーに気に入られる。
ベッピンのダンサーと恋仲になり、そのまま結婚して
幸せな日々もあった。
※嫁の嫉妬には困らされたようだが・・・
ヒップなミュージシャンは少しばかり汚い言葉が好きだ。
世の欺瞞を睨む者からすれば、レニーの言葉こそは宗教家より
真実に近かった。
最高なのはレニーがある意味リトマス試験紙になるシーン。
※良くも悪くも彼を受け入れる事が試されるのだ。
客席にアイリッシュの友人女性を連れてきた英国人俳優は
レニーのカトリックに対するジョークにショックを受けた
女性から「私をなんという場所に連れてきたの!」と激怒
され、彼女の取り巻きに一撃食らわされてしまう。
「これはアイリッシュの手よ!」と叫ぶ女性に男性は
「分かってる。そして僕のはイギリス人の顔だ」
「それが血をながしているんだ」と言葉を返したという。
レニーの悲劇を、こういう遣り取りが救った気がする。
※両親はレニーが子供の頃に離婚。親類とも疎遠。
自身に子供もなく、妻とは離婚・・・
良くも悪くも、レニー・ブルースとは観るものを判別して
しまう存在だ。
私からすると・・・やはり魅力的な人物だ。
※だいぶ前にダスティン・ホフマン主演の伝記映画
「レニー・ブルース」も見たが、本物の方が遥かに
凄いんだろうな~と思わされましたよ・・・。
少しは彼の事が知れた気がする。
やはり「読んで良かった」一冊でした。