じゃ、僕の話をします。

『本気食聡咲』の記事は「居酒屋・和食」カテゴリーよりご覧下さい。/※各掲載店の閉店情報等は基本的に追記しておりません。

「とり久」で春の味

2012-04-07 | 居酒屋・和食
新札幌ガード下にある居酒屋。

この店には通常メニュー以外に、手書きの日替りメニューがあるのですが、いつも季節ごとの旬の食材を活かした料理が満載。特に春になると、この手書きメニューが楽しみなのです。

今年もそろそろかな、と思ってお店に行くと、やはり春ならではの品々が。

一枚目の写真は、生ハムと新玉ねぎのサラダ。彩りがすっかり春。

アスパラにスナップエンドウ、ブロッコリー、チーズも。野菜がシャキシャキで瑞々しい。食べると元気になりました。

たらの芽とホタルイカの天ぷら。

春と言えば、これです。ほろ苦い風味は、まさに春の息吹。イカは、サクサクの衣を噛むと中からトロリ。絶妙な食感。

ハマボウフウの酢味噌。

これも毎年楽しみな味。長い冬を乗り越えた体を目覚めさせるような、鮮烈な風味。

アスパラガスの炭火焼き。

初地物。根本は瑞々しく、穂先は野菜の旨味が凝縮。

で、ここは焼き鳥がメインの店なので…

皮に…


鳥串。

相変わらずの素敵な焼き加減。皮はパリッとしつつも、噛むとふんわり。絶妙。

若鳥の半身焼きもお奨めなんですよ。

ウドとホタルイカの酢味噌。

ウドも外せないですね。真っ白。歯応えがいいですね。

締めは…

炭火焼き親子丼。

卵でとじた玉ねぎの上に、炭火焼きにした鶏を載せてます。鶏は皮がパリッとしていて、ジューシー。炭火焼きの香ばしさもたまらないです。焼き鳥屋ならではの一杯。

すっかり春の味覚を満喫。

春先にこうした山菜を食べるのは理にかなってるようで、日差しの少ない冬を過ごした体は、ほろ苦い春の山菜を食べることでリセットされるようです。

春の芽ぶきの力を、体が求めてるんですね。

もうしばらくはこの店に通って、春の力強さを蓄えたいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「鮨の魚政」その2~『大人の社会科見学』編~

2012-04-04 | 寿司
さて、ホヤの余韻も冷めやらぬまま…

一枚目の写真は赤貝です。ヒモも握ってくれました。

ごぼう巻。

マスターお薦めの巻物。シソや白ゴマの風味が香ばしくて、締めにはぴったり。

しかし…まだ食べます(笑)

お腹一杯だというマスターの了解も頂いた上で、一人で延長戦突入。

さば。


あなご。


中とろ。


うに。


いくら。


えーと。

今、頭に思い浮かべているであろう、素敵な寿司の味。

そのままの味です。言葉はいりません。

この店の寿司は、食べると「ストン」と納まる感じ。今まで食べた寿司にはない感覚でした。

これは何かなと思ったのですが…

この店の寿司からは、魚の嫌な生臭さを微塵も感じないんです。

「その1」で書いたホヤがその最たる例です。だから何の抵抗もなく素直に胃に納まる。食べた後には清々しい余韻しか残らない。

札幌の食の最前線たる市場に位置する寿司屋だからこそ、この寿司を食べることができるのでしょう。

でも、それなら漁港の真ん前の寿司屋なら旨いのかと言えばそうでもない。

この店の寿司の味わいは、やはりご主人の技術があってこそな訳で。

その握る姿は美しいの一言。それはつまり、職人の技の美しさ。確たる技の証し。

ネタの素晴らしさと、それに反するようなあり得ない値段。そして、美しい握りとその味わいは、市場にあると言う立地と、職人の技によって成り立っているのではないかと。

道外の方にも是非一度は味わっていただきたい。

「寿司を語りたいなら、この店の寿司を食べてからだよ」

まさに、その通りだと思います。



さて…

興奮も冷めぬまま、店を後に。

マスターが市場を案内してくださいました。大人の社会科見学。

一般人は入れないようなエリアまで連れていってくださいました。貴重な体験ですよ。

早朝ではありますが、市場としては言わば閉店間際。

でも、車や市場ならではの運搬用の車両が飛び交い、気を抜いてたらひかれそうになるよ、と言われましたが、本当にそのとおり(笑)

何とも壮観ですよ。

闘いの後のような熱気をまだ感じました。

そんな雰囲気だけでも感じ取れたのは、嬉しい体験でした。

自分が食べる一皿は、生産者や作る方はもちろん、流通の方もいるからこそ届く一皿。

沢山の人のお陰でご飯が頂けることを実感。「いただきます」の重みが増しましたね。

実はTwitterのフォロワーさんに市場で働いてる方がいて、マスターの店を教えてくださったのがこの方なのです。

マスターの案内で、ついにお会いすることができました。

本当に素敵なお店を教えていただいたので、いつかは実際にお会いして、お礼を申し上げなくてはと思っていたのですが、それも実現しました。ありがたいです。

で、会った傍からそこで頂いたのが…(また食べてる)

賄いのラーメン。

小さめの丼で、まさに小腹をサッと満たすにはぴったり。市場の戦闘食でしょうか(笑)

市場で働いてる方のための賄いなんですが…何だか妙に美味しい。

聞けば、この日はヘラ蟹を出汁に使っていたとか。

日によっては海老を出汁にしたり、牡蠣が入ったりするらしいのですが、市場ならではの贅沢なラーメン。

これは中々食べられないでしょうね。こんなラーメンまで頂けるなんて感激でした。

それにしても、朝から盛り沢山。最後はデザートと称して、市場の蒲鉾屋さんの揚げたての蒲鉾まで食べてしまいました。

マスターが桑園駅まで送ってくださり、ふと時計を見るとまだ八時前。土曜の朝の街はようやく動き出した感じ。

何とも、濃厚な朝。幸せな時間でした。ありがとうございました。

早起きはするものです。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「鮨の魚政」その1~『目から鱗』編~

2012-04-04 | 寿司
「その店の寿司を食べずして、北海道の寿司は語れない。」

…その通りでした。

寿司に対する価値観を、根本から変えさせられた店でした。まさに「目から鱗」です。

実際、以前からその店の名前は耳にしていました。全国的にも有名ですし。

そこへ、とある居酒屋のマスターから、一緒に行きませんかとのお誘いが。

実は、かなり前からお誘いをいただいておりました。

でも、お店は札幌・桑園の中央卸売市場にあり、営業は朝の六時半から。大抵、午前中にはネタがなくなり閉店。

逆に、ススキノに数多ある店のように簡単に行ける感じではないですし、まさに北海道の食の最前線である、中央卸売市場にある寿司屋。中々、一見で行く勇気も無かったのです。

マスターのお言葉に甘える事にしました。

朝の六時。まだ薄暗い中、始発の電車に乗り、桑園へ。着くと、マスターが車で迎えに来てくださってました。朝方までお店を営業し、市場で仕入れをした後にお付き合いくださったのです。お疲れのところだと言うのに、有りがたい話です。

程無くして市場に到着。市場の朝の六時と言えば、会社の終業時間のようなものだと。でも、活気の余韻は感じました。

そして…

市場のビルの一つに、その店はありました。周りには魚屋を中心に様々な店があるのですが、その一角に静かに佇んでいました。

暖簾もまだ出る前だったのですが、マスターの案内で中へ。カウンターのみ。八、九席程度。

そして、カウンターのショーケースには、一目で新鮮だとわかるネタの数々が。それが、一枚目の写真です。その色彩はもはや、美しい絵画のようです。

席に座り、まずはビール。朝から寿司屋でビール。最高に贅沢な朝御飯の始まりです。

伝票にネタと値段が書いてあり、個数を書いて渡すと握ってくれます。

最初に言いますが、まず、値段に驚くはずです。値段はもはや回転寿司並みに気楽に頼める値段。しかし、ネタは最高級の寿司屋クラス。この店と同じレベルのネタの寿司をススキノで食べたら、4~5倍は確実に取られます。

それを念頭に入れて頂いた上で、当日食べた寿司をご覧ください。

中落ちの握り。

中落ちを軍艦ではなく握りで。最初からやられました。

いか。


ほたて。

実は、後から常連の市場の方が入ってきて、何気なく小さなビニールに入れたホタテを店主に渡したのですが、それを握ってくれました。この市場の空気感がたまらない。

げそ。


甘エビ。

味噌がたっぷり載ってます。こんな甘エビは食べたことがない。

たらこ。


さより。


ホヤ。

一番感動したネタ。実はホヤは苦手だったのです。食べられないことは無いのですが、独特な風味が苦手で、「これが磯の香りだよ」なんて言われても、そんなもんなのかなと。

しかし、このホヤは今まで生涯食べた寿司の中で、一番の衝撃を受けました。

その味わいは爽やか。

旨味、酸味、塩気、香り。海のあらゆる恵みが、口いっぱいに。嫌な風味は一切なく、心地好い海風が駆け抜けるがごとく、食べることの快感が脳天に突き抜けました。

今まで食べたホヤは全て、ホヤではなかった。

実は捌き方も重要らしく、その技術によって味は大きく左右されるらしいのです。

唸るしかない。

カウンターで、ひたすら感動に身悶えながら、寿司を口にしていました。

こんな寿司を食べるのは初めて。

ふと、横に居るマスターの顔をみると、してやったりの表情。

すみません。

完敗です。

そして、まだまだ幸せな朝は終わりません…

(続く)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「日の出製麺所」のうどん

2012-04-01 | ラーメン・蕎麦・うどん
四国のうどん。

一度は、本場のうどんを食べてみたいと思っていました。

やっぱり北海道で食べるうどんとは別物だと、現地で食べた方からも聞いていたので。

しかし、中々四国までは簡単には行けないわけで。

ところが。

Twitterのフォロワーさんに四国の方がいて、その方が夢を叶えて下さいました。

ご家族で北海道に旅行でお越しになると。

ならば、普段Twitterでお話をしている札幌の面々とお酒でも、となりまして。

つまりはオフ会。

その際、お土産で「日の出製麺所」のうどんをいただいたわけです。

その店の名は、北海道に居ても知ってる名前。

これは嬉しい。

さすがに、現地で食べるものと全く一緒と言うわけでは無いとは思いますが、北海道でこのうどんにお目にかかるのは、難しいのは間違いないわけで。

さっそく頂きました。

まずは、シンプルにぶっかけで。

続いて、釜玉。


当然、自分で茹でた訳ですが、それでも充分旨い。

歯応えや喉越しはもちろんですが、小麦の旨味と香りが違いますね。噛み締める度に旨さを実感。

今まで食べたうどんでは一番。

実は、最近札幌にある、讃岐うどんの専門店でも食べたんですが、それより旨い(笑)

うーむ。

さすがのポテンシャルですね。

こうなると、いよいよ現地で食べたくなってきました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「聡咲」~2012・雪解け~

2012-04-01 | 居酒屋・和食
このブログをご覧いただいた方から、最近よく「聡咲に行ったら、一人で一晩でこれだけ食べるんですか?」と聞かれるのですが…

さすがに一晩では食べきれません。

二晩ぐらいです(笑)

と、言うわけでススキノの「聡咲」で最近いただいた品々を…

一枚目の写真はメンチカツです。なんせ、でかい。いい肉を惜しげもなく使ってることは、噛み締めた瞬間に溢れ出す肉汁と旨味でわかります。

続いて、セセリのガーリック風味。

鶏の喉元の肉ですね。歯応えが抜群。鶏の美味しさの要素が全て詰まってる感じです。

紅鮭のお茶漬け。

大胆に載せられた、炙った皮が香ばしい。これはいわゆる締めの一杯と言うより、最初から食事として食べたい一杯。お酒で酔っぱらった勢いで食べる、なんてのはもったいない。しっかり味わいたいお茶漬けでした。

ナポリタン。

「ケチャップ多目でバターを効かせたナポリタンが食べたい」と言うリクエストに、見事に応えていただきました。

実は、メニューに無いのにワガママで作っていただいたのですが、作ってる最中のケチャップの香りに誘われて、周りのお客さんが皆、つられてオーダーしていました。まさに魅惑の一皿。

本マスの和風ムニエル。

皮がパリパリ。身はしっとり。イタリアンなどの店でこのまま出されても、居酒屋のメニューだとは解らない感じ。

海の幸と野菜のかきあげ。

天ぷら専門店の味わい。半端無くサクサクなんですが、塩ではなく、そこにあえて天つゆをたっぷりつけてこそ旨い、とマスターが。実際食べると納得。具材の水分をとことん抑えることで、これほどサクサクになるそうです。

セセリのカツ。

セセリを今度はカツに。揚げると意外とあっさりして、タルタルソースがぴったり合います。爽やかな味わい。

魚介のマカロニグラタン。

牡蠣、海老、ホタテ、蟹と思い付く魚介が全部入った豪華版。こちらのお店はグラタン系もお奨めなのです。

和牛ステーキ丼。

時々ステーキ丼がメニューに載るのですが、味付けが毎回違うんです。今回はカラシを効かせて、味卵の輪切りを載せたガッツリ系。力強くかっ込むための丼。

ビーフカレー。

えーと…一晩で二杯完食しました(笑)。あまりにも自分好みの味だったので、一杯目を食べた後に「同じものを」と、つい頼んでしまいまして。バーでカクテル頼んでんじゃないんだからと、隣のお客が驚いてました(笑)

メニューにカレーがあった時は、是非頼んでみてくださいね。

毎回申し上げてますが、このお店のメニューは、その日の仕入れによって決まる完全日替わりメニュー。

ただ、「蟹みそ豆腐」等の一部の定番酒肴は毎回載ってますし、料理によっては数日、メニューに載ってることもありますが、基本的に同じ料理にまた出会えるかどうかは解りません。

なので、僕もお店に行った際は、後悔をしないようしっかりとオーダーする料理を考え抜いてたりします。

まさに一期一会。毎回、真剣勝負なのですよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする