じゃ、僕の話をします。

『本気食聡咲』の記事は「居酒屋・和食」カテゴリーよりご覧下さい。/※各掲載店の閉店情報等は基本的に追記しておりません。

「炭焼き鶏とワインAjito」

2014-03-16 | 焼き鳥
美味しいお店は、いつも行くお店の方にこっそり教えていただくのが一番。

こちらのお店も、とあるバルの方から教えていただきました。

札幌・ススキノの北側とでも言いますか「スガイビル」近辺。

店名の通り、焼き鳥などのお料理と、各国のワインとの組み合わせを楽しめるお店。

店内は落ち着いた雰囲気で、イタリアンでも出てきそうな感じです。

でも、しっかり炭火で焼いた焼き鳥を出してくださいます。カウンターに座ると、焼き台が目の前に。

ワイン…ではなく、やはり焼き鳥にはビールと言うことで(笑)、まずは一枚目の品々をつまみに冷たいヤツをグビリと。


梅肉の載ったササミ、ムネ肉にラルド(脂身のベーコン)を載せたもの、ハツ、もも、そして皮。

ササミは梅肉の上にさらにトロロ昆布が載っていたり、あっさりしたムネ肉にラルドを合わせたりと、独自の工夫を感じます。

ラルドなんて、久しぶりに食べました。イタリアン等でよく見かける食材ですが、熱々のムネ肉の上で良い具合にとろけていました。

そしてこのお店、焼き鳥以外にも料理が色々と。

薫製です。レバーに手羽先、ウズラの卵。ウズラはオリーブと一緒に楊枝に刺されてました。確かに、赤でも白でもワインに合いそうなおつまみで…またもやビールを飲んでました(笑)。

串焼きをさらに。

真狩村のハーブ豚。さらりとした、いい塩梅のタレ。

そして、焼き鳥と言うより創作串焼き的な…

牛サガリケッパー塩、ラム上肩ロースのバルサミコソース、フォアグラ牛モモ肉包み串。

それぞれ、素材と味付けの組み合わせが絶妙。

これはもう、フレンチやイタリアンのメインで出てきそうな料理を、一本の串焼きに仕立てたようなものですね。

逆に、火で炙って一番旨いタイミングでズバッと出る。素敵です。

フォアグラなんてこんなんですもん。

いわゆる「ナントカのロッシーニ風」なんて呼ばれるような料理を、一本の串にまとめあげてます。

これにはさすがに赤ワインを頼んでしまいました。

決して『既存の焼き鳥をお洒落に出して、それに単純にワインを合わせました』なんて言う、よくあるお店ではないです。

焼き鳥は焼き鳥としてきっちり出しつつ、ワインを楽しむための創意工夫の溢れる串焼きも出す。

なので、ビール→ワインと言う自分の飲み方は間違いではなかった…はず。
σ(^_^;)

他にも、和食など、様々なジャンルの料理をアレンジしたメニューが色々ありました。

どれも酒呑みが喜びそうな仕掛け満載なものばかり。通いたくなります。

締めに嬉しい「にゅうめん」的な、あっさりした食事もありました。

会計後の帰り際に、ご主人からこのお店を知るきっかけを聞かれたので、紹介してくださった方のお名前を伝えたところ…

「早くおっしゃってくださいよ~」と苦笑いされてました(笑)。

いつか、ご主人にもお薦めのお店をこっそり教えていただけるよう、こちらのお店も通いつめたいと思います。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

三月十日にしては白い。

2014-03-10 | 日記
今ぐらいの季節は、道路の雪山も溶けてきて黒ずんだりしてるもんですが…

昨夜、札幌も30センチほど雪が積もり、真っ白です。

今年の春は遠そうです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

久々「nest」

2014-03-08 | カフェ・スイーツ
狸小路から程近い雑居ビルの二階。

まさに「隠れ家」のようなカフェにて、ロールケーキにコーヒー。

もう。

本当に和みます。

まるで温泉に浸かってるときのように安らぎます。

実際、席に座り、コーヒーを一口飲んだら、温泉に入った瞬間のように「う゛ぁ~っ…」みたいな声が(笑)。

壁からマイナスイオンでも出てるんでしょうか。
(^_^;)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「とらや」

2014-03-03 | 食堂
札幌の市電に乗り、電停「行啓通」下車、徒歩五分ほど。

「とらや」は、敢えてカテゴリーに当てはめるなら、やはり「大衆食堂」。外観も、まさに地元に愛されてるような佇まい。

でも、後にそんなカテゴリーにはハマらないポテンシャルを思い知ることになります。

年季の入った渋い色合いの暖簾を潜り、引き戸を開けたら案の定。

「いらっしゃい!!!!!」と言う、威勢のいいご主人の声。

決して、ススキノにありがちな、観光客の皆さんをピンポイントで狙う海鮮居酒屋の店員のように、ただ単に勢いだけで闇雲に大声を張り上げている訳ではありません。

気持ちのこもった、しっかり客を迎えると言う覚悟すら感じる力強い声。その気迫、清々しい。否応なしに、こちらもこれからいただくお料理に期待が高まるというもんです。

カウンターに目をやれば、これまた案の定。常連さんらしきお客さんがお二人。

ご主人や女性の店員さん(娘さん?)と実に楽しそうに談笑しながら、ゆったりと瓶ビールなどをやってらっしゃる。地元からの愛され具合を感じます。

「どうぞテーブルでゆっくり過ごしてください!」

と促されて、四人掛けのテーブルへ。もちろん、こちらは一人。

初めての店なので、お昼時を避けた時間に伺ったとは言え、ありがたいお気遣い。どっかり座らせていただきました。

ますば瓶ビールを注文。小皿のお通しをアテに、冷たいビールで喉を潤しつつ壁のメニューに目をやれば…

ラーメン、餃子などの中華に丼もの各種、カレーに定食。清く正しく潔い「食堂」のメニューが勢揃い。これを見ただけで大興奮(笑)。あぁ、全部食べたい。

でも、最初から食べるものは決めていました。

ポークソテーライス。

一枚目の写真です。

カリッとした表面の豚肉は、噛むとしっとり軟らか。そこにトマトベースで酸味の利いた爽やかなソースが。野菜もたっぷり。マカロニサラダも盛られています。

これをつまみにビール。予想通り、最高。

ソースをたっぷり絡めて、熱々を口の中へ。このソースが素敵。デミグラスと言うよりかは、デミグラス寄りのトマトソースとでも言いましょうか。甘辛具合が丁度よい。白飯をかっ込む速度を激しく加速させる味わい。

残ったソースは、添えられた千切りキャベツで残さず絡め取っていただきました。

横に鎮座していたマヨネーズをさらに絡ませて一緒に食べると、これまた幸せな味。

マカロニサラダは、豚肉の相棒としての役割をしっかり果たしていました。

この一皿。

老舗洋食屋さんと同じか、それ以上。

あちこちの洋食屋さんでポークソテー(ポークチャップ)を食べてきましたが、むしろ、ここまでしっかり手間をかけた逸品は、昨今の洋食屋でも中々出会えないかも。

手間をかけたことが、端々に滲んでます。

料理が出てきた早さは"食堂"ならではのスピード感が。このスピードは、熟練された手際の良さと技の賜物かと。

丁寧かつダイナミックに、手間隙と技を注いだ「ご馳走」をご主人は出してくださいました。ゆっくり、しっかり噛み締めましたよ。

丼に盛られたご飯や味噌汁にも、丁寧さを感じました。シャキッと炊かれたご飯。研ぎ具合と水加減の良さの証しです。味噌汁は懐かしさすら感じる、優しい家庭の味。すなわち、正しき定食の味噌汁。

料理が全部出たあとに「お客さん、トロロは大丈夫ですか?」と聞かれたので、大丈夫ですと答えたら、下ろし立てのトロロを小鉢で出してくださいました。期せずしてトロロご飯。嬉しさのツボを次々突かれます(笑)。

あぁ。

こんなお店が自宅近くにあったらなぁ…、なんて考えながら箸もビールも止まらず。

そしてあまりの興奮からか、やがて食欲のリミッターが外れました(笑)。

醤油ラーメンを追加(ビールも追加)。

チャーシューにナルトにメンマ、青菜にたっぷりのネギ。食堂ラーメンの横綱降臨。

最先端のラーメンより、こういうラーメンの方がホッとします。元々、ラーメンって気軽な食べ物。やれ○○系だの、スープは(以下略)…な、難しいラーメンは疲れます。
(^_^;)

でも、このラーメンも必要な手間はしっかりかかってますよ。

聞けば、スープにしても熟成させたスープと、まだ若い、ひいたばかりのスープを合わせているとのこと。

注文後には麺の堅さの好みも聞いてくださいました。いやはや、ありがたい。堅めでお願いしました。

スープも飲み干しましたよ。あっさりしつつもコクがある。塩梅もちょうどいい。要点を押さえた一杯。だからスープも飲み干したくなるんです。

そして。

カレーも追加(ビールも追加。)

豚バラのカレー。カレーの正義を貫いています。しかも、ふと見ると卵が。オムカレーがデフォルトのようです。

これも、本当に人懐っこいカレーですよ。真紅の福神漬けも輝いてます。こうでなくては。カツカレーに踏み込む勇気がなかったのが悔やまれます。

ちなみに。

ラーメンのスープを飲み干す手前でカレーを注文したら、さすがにご主人が一瞬「え?!」と言う表情をして、横に居たお客さんも軽く吹きました(笑)。

当然ですよね。
(^_^;)スミマセン

こちらのお店を知ったきっかけは、とあるFMラジオの番組で紹介されていた「いとしの大衆食堂」と言う一冊の本。食べ歩きが好きな方にはお薦めの一冊。

北海道各地の大衆食堂を取り上げた本でして、まさに大衆食堂への愛に溢れる本でした(※ラーメンのスープの作り方などは、こちらの本から得た情報です)。

ご主人は人の道理を知る方だと、常連さんの話としてこの本に書いていました。それを裏付けるエピソードなども。短い時間で会話らしい会話もしていませんが、その素敵なお人柄は、清々しい接客や料理などから僕も感じ取れました。納得です。

人の道理を知る方は、味の道理もご存知なのでしょう。

丁寧な仕事をしっかり施す実直な味。

質実剛健。

帰り際は「美味しかったです」と、僕もご主人の目をしっかり見てお礼を言い、それにご主人は満面の笑みで応えてくださいました。

食べることの喜びを全身に浴びた昼下がり。感謝の気持ちが、ふわりふわりと胸に湧き上がりました。

間違いなく、またこの店に来たくなる。

そんな確信を抱きつつ、三人前の料理と三本のビールを収めた腹をさすりつつ(笑)電停へ歩くのでした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「鮨の魚政」の味を舌に刻みこんだ朝。

2014-03-01 | 寿司
昨日。

長年、鮨を握り続けていた一人の職人さんがご勇退されました。

札幌中央卸売市場場外にあるお鮨屋さん「鮨の魚政」のご主人です。

新鮮なネタを熟練の技で握り、その味に日本全国からお客さんが集まる。そしてお会計は市場ならではのお手頃さ。

鮨において、北海道最高峰の店。

この店を知る方で、それに異論を唱える方はいないでしょう。

ススキノの「聡咲」のマスターに案内され、最初にその味に触れたとき、それまでの鮨の概念は全て吹き飛びました。

そして、それから何度も足を運びました。

始発の電車に乗り、市場へ。早朝の冷涼で爽やかな空気に包まれたお店のカウンターに座り、店内に流れるAMラジオを耳にしつつビールを飲み、やがて徐に目の前に現れる握り。

その味も、居心地のよい空気感も、毎回この上ない至福の時間に誘ってくれました。

ご主人は、僕の食べるペースに完全にシンクロさせて鮨を出してくださいました。これもまさに「技」。そのテンポがまた心地よくさせてくれ、味をさらに幸せなものにしてくれます。

ご主人が握る姿は美しく、力強い。その所作と味は比例します。

「職人」を目の当たりにする興奮。

鮨に関わる醍醐味の全てが、この店にはありました。

そして鮨を堪能して、朝日の中、帰路につく時の充実感。

「また、この鮨を食べるために頑張ろう。」

そう思いながら、市場を後にする幸せなひととき。

他では得られません。



ご主人が引退なさると聞いたのは、実は結構前のこと。

それを聞いた際、寂しい気持ちになったのはもちろんでした。

そして先月末。

行って参りました。

自分の舌と目に、しっかり刻み込んできました。

ウニ。


イクラ。


穴子。


もちろん、他にも沢山いただきましたよ。

最初にお店に行った時は、出していただいた鮨の写真を撮ったのですが、それ以降、このお店で撮ることはなかったんです。鮨は出てすぐ口に運ぶ。写真を撮る暇も惜しい。・・・と、言う理由でした。

でも、やはり今回は思い出に三枚だけ失礼しました。

鮨をいただきつつ、ご主人の鮨を握る姿もしっかり目に。

やはり、凛々しくかっこいい。

その美しさは、まるで歌舞伎の「型」。

前掛けは、横綱の化粧回しのよう。

威風堂々とした佇まいでした。

その日も、朝から沢山のお客さんが詰めかけていました。

もう少しゆっくり過ごしたい気持ちはあったんですが、後がつかえていたので、いつもより少し早めにお会計を済ませました。

それでも、十分に楽しめましたよ。

「美味しかったです」

そう告げて、お店を出ました。いつもと変わらず、幸せな余韻に包まれながら。

今日からは新しい職人さんが暖簾を引き継ぐとのこと。

僕は、その味を比較できるほどの常連とは言えません。

でも、新しい「魚政」の味はどんなものかは楽しみです。

いつか、また足を運んでみたいと思います。



「魚政」でいただいた後は、何故かいつも晴れ。

この日も、青空が。

その色が目に染み入りました。



ごちそうさまでした。

お疲れ様でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする