映画 Ｔｈｅ Ｌａｄｙ アウンサンスーチー 引き裂かれた愛

偉大なる父を持ち、非暴力を貫き、
ミャンマーの民主化に挑み、アジア女性で初めて
ノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチー。

15年という長い自宅軟禁、今なお民主化に向けて
闘い続けているニュースだけでは見えてこない
彼女を知りたいと映画館へ。

この国を民主主義に導けるのはあなただけです

英国人の夫と２人の子どもと幸せに暮らしていた彼女が、
母親の病気のために、英国から単身ビルマに帰国。
一時帰国のつもりが、戻ることさえできなくなります。

人前で話したこともない彼女が、国民の前でスピーチ。
建国の勇士と国民から敬愛される
亡き父を持っただけではない理由もあるでしょうが、
悪しき軍事政権の中で苦しむ国民が、救いの手を述べているのに、
立ち上がらないわけにはいかないと思われたはずです。

家族の理解や協力があってこそできることですが、
アウンサンスーチー夫妻は、難しい選択をしたのです。
彼女は、仕事とプライベートを分け、
夫や子どもが危険な状態に陥らないように配慮しました。

離れていても心はいつも繋がって、決して離れないと信じ、
夫は英国で大学教授の仕事をしながら家族を守り、
妻を限りなく支援し、彼女の身の安全を願い、
ノーベル平和賞を受賞できるよう尽力するのです。

波乱の歴史の裏に不変の愛、
こんなにも深い愛情と信頼、尊敬の念を抱き、
結ばれた夫婦がいるのかしらと思うほどでした。
夫婦の目指すものが同じだったから頑張れたのでしょう。
彼女の自宅軟禁中、夫はガンで亡くなっています。

映画の上映時間は2時間を超えるのですが、
もっともっと知りたくて、あっという間でした。
現在進行形の史実はまだまだ終わりを見せません。

あなたの自由を私たちの自由のために使って下さい

難しい課題ですが、諦めずに立ち向かうことです。

監督：リュック・ベッソン
出演：ミシェル・ヨー／デヴィッド・シューリス
フランス映画　

ヒューマントラストシネマ渋谷

２０１２．８．１６