2冊同時刊行され、「居眠り磐音 江戸双紙」
15年のシリーズ完結が完結しました。
発売日の1月4日に購入し、時にホロリ、時に涙し、号泣し、
余韻に浸りながら読み返してみたりしています。
主人公の磐音は、虚構の人物ではありますが、
彼もその周りの人物もまるで隣人のように
魅力的に生き生きと生き続けているかのよう思わせてくれます。
磐音の妻であるおこんの父親の金兵衛さんの死には号泣。
こどもの頃から知っている近所の人が
本当に亡くなってしまったかのような錯覚に陥りました。
このような最後を迎えられたら理想的だとも思ったのです。
虚構の人物だけではなく、徳川家基、徳川家斉、
田沼意次、田沼意知、中川淳庵、桂川 甫周、北尾 重政、
この時代を生きた実在の人物とを絡み合わせて、
この壮大な物語は綴られていきました。
NHKで放送されていたのがきっかけで、
本を読んでみたらこれが実に面白く、
引き込まれていきました。
舞台は江戸だけではなく、日光、高野山、山形…
実際旅をしたところが多いので想像を膨らませることも
容易にでき、面白さも倍増しました。
渋谷区にある刀剣博物館では神仏の加護を求め、
その祈りを太刀に刻み、真剣勝負に臨んだ
武士の想いを知ったように思います。
江東区にある中川船番所資料館には、
江戸時代の水上交通を探るべく出かけました。
古地図にも興味を持ち、講座を受講し、
古地図を持ち街歩きもしました。
この小説を読んで興味の幅がさらに広まっていったのです。
時代小説や時代劇にもほとんど興味はなかったのに
これほどまでに夢中にさせてくれた小説に出会えて幸せです。
著者の佐伯泰英氏の時代小説は、200冊を超えていますが、
「鎌倉河岸捕物控」「吉原裏同心」など
どれも興味深く読んでいます。
電車の中で読むのにピッタリなのです。
「生きてきた途に悔いなし」と、
言えるそんな人生を送るべく
日々努力していきたいと思います。