70分ノンストップのソロ・ミュージカルを鑑賞しました。
濱田めぐみさんの歌声と渾身の演技、
キュートにチャーミングに演じられるのは
確かな歌唱力と演技力の賜物です。
アンドリュー・ロイド=ウェバーの楽曲を25曲披露する
日本オリジナル版として日本初演。
ステージシートに座る帽子を被った女性。
何というオーラを発する観客がいたものかしらと思ったら
ステージに出ていくではありませんか。
それこそエマを演じるめぐみさんでした。
デザイナーを夢見てロンドンからニューヨークへ、
恋人と一緒に住むつもりで来たものの不義理な彼の元を去り、
ハリウッドで映画プロデューサーと一緒に住むも破局。
夢と恋を追いかけるエマは、その後も年下の恋人、
妻子ある彼との恋にも終止符を打ち…
白いキャンバス地にパステル画のようなニューヨークの絵、
4人の恋人の絵、親友の女性が映し出され、
それらの登場人物と演技しているかのようです。
時には地図の上を移動してハリウッドから再びニューヨークへ。
重要な小道具はスーツケースで、
組み合わせてベッドとして使ったり、
中から服を出して舞台で着替えたりもします。
ミスすることなく完璧に配置を変えていくのです。
階段もスロープも上手く利用しています。
少数精鋭、今流行りのミニマム化とでもいうのでしょうか。
こんなソロ・ミュージカルができるのは、
劇団四季でもヒロインでデビューし、
退団後も大作への出演が続く彼女だからできることでしょう。
苦しく悲しい時、その時は涙を流すけれども
もう一度立ち上がり成長していく女性の物語と
めぐみさんと演出・市川洋二郎氏と美術の伊藤雅子さんとの
アフタートークショーでこの作品の奥深さにも納得。
濃密な時間を堪能できました。
新国立劇場 小劇場
2016.6.23