日本での初公演からも半世紀の著名なミュージカル。
いつでも観られると思っていましたが、
観るなら市村&鳳のカップルでと
昨年チケットをゲット。
帝政ロシアの寒村、お人好しで働き者のテヴィエ(市村正親)は
頭の上がらない妻ゴールデ(鳳蘭)と5人の娘達と
貧しいながらも幸せな日々を送っていたのですが・・・。
ユダヤ教の厳格な規律としきたりを守り、
娘たちの幸せを思いながら翻弄される
テヴィエの様は胸を苦しくさせます。
楽天的で、お人好しなテヴィエを熱演する市村さん、
コミカルな言動に笑ってしまえるのが救われます。
「屋根の上のバイオリン弾き」とは、
漂泊の民ユダヤ人の比喩で、
屋根の上からころげ落ちてもおかしくない、
不安定で難しい暮らしを虐げられている人々を描きます。
原作ではイスラエルの地へ帰還するそうですが、
ミュージカルではアメリカに向かうところで話が終わります。
怒りや悲しみと共に未来に向かって、
新たな希望を見つけようとするたくましさも感じました。
緊急事態宣言も出ている中、不要不急とは言えず、
上演時間も変更、規制も多い中での観劇ですが、
家族の愛や絆、苦境の中を生きることを考えさせられました。
新しい生活の中でも希望や喜びを見つけ、
人生を楽しみたいと思います。
台本:ジョセフ・スタイン
音楽:ジェリー・ボック
作詞:シェルドン・ハーニック
出演:市村正親/鳳蘭/風稀かなめ/唯月ふうか/
屋比久知奈/上口耕平/上原卓也/神田恭平
日生劇場
2020.2.16