’08/07/12の朝刊記事から
観光の韓国女性を射殺 金剛山で北朝鮮兵士
【ソウル11日共同】韓国統一省は11日、南北共同で観光事業を行っている北朝鮮の景勝地、金剛山地域の海水浴場近くで同日未明、散歩中だった韓国人の女性観光客(53)が見張りの北朝鮮兵士に銃で撃たれ死亡したと発表した。
金剛山観光で銃撃による死者が出たのは1998年の事業開始以来初めて。
事件の真相究明完了まで観光事業は中断される。
同省によると、北朝鮮側は、女性が軍の立ち入り禁止区域に入り、兵士の停止の指示に従わず逃げたため発砲したと説明。
偶発的事件とみられ、南北関係が緊張する可能性は低いが、六カ国協議を除き断絶状態の当局間対話に加え、民間交流にも悪影響を与えそうだ。
一方、李明博大統領は同日の国会演説で、北朝鮮に全面的な対話再開を提案した。
李大統領は演説前に事件の報告を受けており、事件への対処とは別に南北関係改善策を進めたい意向とみられる。
同省によると、同じく南北事業である開城工業団地の運営や開城観光は通常通り行われる。
李大統領は事件の真相究明を指示。
統一省報道官は遺憾の意を表明し、北朝鮮に調査への協力を呼び掛けた。
韓国政府は統一次官を責任者とする合同対策チームを作って詳細を把握し、調査結果によっては対応措置を取る方針だ。
北朝鮮から韓国政府への直接の説明はなく、政府は観光事業の韓国側事業者である現代峨山を通じ事件を知った。
一方、聯合ニュースによると、女性は韓国側に搬送され、簡単な検視の結果、背後から背中などに二発の銃弾を受けたことが判明。
現代峨山などによると,女性は高さ約2メートルの柵を乗り越え禁止区域に進入、約200メートル入った地点で死体で見つかった。
兵士は事前の警告射撃も行ったという。
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