08/09/09の朝刊記事から
三笠フーズ 商社からも汚染米購入 利ざやの拡大狙う
米粉加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)が汚染された事故米を不正転売していた問題で、同社が利ざやを拡大する目的で総合商社大手の双日や住友商事からも事故米を大量購入していたことが8日、関係者の話で分かった。
農林水産省以外にも事故米の調達ルートを確保することで、同社は取扱量を増やし、仕入れた安い事故米を他業者に食用として高く販売していたという。
関係者によると、輸入米の中でも価格が安いものは、1トン当たり7万円前後。
工業用糊などに使用される事故米は同1万円以下で取引されているといい、6万円前後の利ざやがあったとみられる。
三笠フーズから事故米を購入した焼酎メーカー各社からは「非食用と知らずに購入してしまった」など、戸惑いの声が上がっている。
また汚染米の流通先として、茨城、千葉、静岡、岐阜、京都など13府県延べ86業者に拡大したことも判明。
事態を重く受け止めた同省は同日、政府から事故米を購入する業者を対象に抜き打ち調査を導入するなど監視体制を強化する方針を打ち出した。
同省によると、三笠フーズは2006年度、福岡県の米穀業者経由で双日から、残留基準を超える殺虫剤のアセタミプリドが検出されたベトナム産うるち精米の汚染米を598トン購入。
05年度には住友商事から、カビの生えたタイ産うるち精米とうるち砕精米を計145トン直接買っており、05、06年度の2年間に「商社ルート」で計743トンの事故米を購入した。
ただ、住友商事分はカビが生えていたものの人体への有害物質は検出されていないという。
三笠フーズに販売したことについて住友商事幹部は「100トンを超すカビ米が出るのが珍しく、買い取ってくれる業者は限られる」と説明。
同省によると、03年以降、事故米の商社経由での購入実績があるのは三笠フーズだけという。