'07/09/20の朝刊記事から
日銀、利上げ見送り決定
米経済の失速警戒 総裁会見
日銀の福井俊彦総裁は、19日の政策委員会・金融政策決定会合後の記者会見で、同会合で利上げを見送った理由について「世界経済の不確実性が増している」などと述べ、金融市場や世界経済の動向を引き続き注視する必要があるとの考えを示した。
信用力が低い個人向け住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題の波及で減速懸念が強まっている米国景気について、福井総裁は「住宅の在庫調整は短期間では終わらない。住宅価格が下落すれば、個人消費に影響を与える可能性がある」と警戒感を表明した。
その一方で、「リセッション(景気後退)に至るということではなく、緩やかに経済成長が戻っていくというシナリオは崩れていない」との見方も示した。
また、福井総裁は「比較的好ましい日本経済の状態を続けるには、(金融政策の)現状維持が最適」と強調。
「現在の経済の実勢と比べれば、金利水準は相当低い」とし、不動産価格の急激な上昇などを未然に防ぐためには、「金利の調整が必要」との認識を改めて示した。