’08/02/26の朝刊記事から
「新時代」険しい道 日韓首脳会談
韓国の李明博大統領は25日の就任式後、福田康夫首相、ライス米国務長官らと相次いで会談し、外交デビューを飾った。日韓首脳会談で両首脳は、首脳同士が年1回相互訪問する「シャトル外交」の再開で合意するなど「日韓新時代」の到来を高らかにうたいあげた。しかし、日韓間の「とげ」である歴史認識問題など「敏感な問題の言及は避けた」(聯合ニュース)との印象はぬぐえず、「未来志向」の道のりは平坦ではない。
歴史認識 政治家発言にくぎ
李大統領は就任後、最初の首脳会談の相手に福田首相を選んだ。政府関係者は「日韓関係を改善させたい大統領の意思の表れ」と説明する。
盧武鉉前政権下の日韓関係は、小泉純一郎元首相の靖国神社参拝を機に冷却化。盧前大統領は領有権問題であるはずの竹島(韓国名:独島)問題を歴史問題と位置付け、対日強硬姿勢を政権浮揚に結びつけた。日本外務省もここ1、2年、「懸案はすべて新政権が誕生してから」(幹部)と先送りを決め込んでいた。
ただ、李大統領は会談で歴史認識問題について「政治家が利用するのはよくない」とも述べ、日本の政治家が韓国国民の感情を逆なでする発言を自制するよう、くぎを刺すことを忘れなかった。
歴史問題がこじれた場合、「韓国世論が怒り、大統領でも抑えられない」(大統領府関係者)のが実情。政治家の不用意な発言が対立を招く構図は前政権時代と同じだ。