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’08/04/04の朝刊記事から
タクシー殺人 22歳米兵を逮捕
強盗殺人容疑「殺意なかった」
神奈川県横須賀市でタクシー運転手高橋正昭さん(61)が刺殺された事件で、県警横須賀署捜査本部は3日午後、強盗殺人容疑で、米海軍の1等兵でナイジェリア国籍のオラトゥンボスン・ウグボグ容疑者(22)を逮捕した。
「事実に間違いはありません」と容疑を認めているという。
ウグボグ容疑者は米海軍に脱走罪で身柄拘束されていたが、同日の日米合同委員会で米側が、起訴前の身柄引き渡しに同意し、米海軍が身柄を横須賀署に移した。
タクシー車内で見つかった同容疑者名のクレジットカードは事件前に使用停止になっており、捜査本部は料金支払いをめぐるトラブルで殺害した疑いがあるとみて動機や犯行の経緯を追及する。
ウグボグ容疑者と同日夜に接見した弁護士は「『殺すつもりはなかった。タクシー料金を踏み倒すつもりもなかった』と話している」と報道陣に明らかにした。
シーファー駐日米大使は3日午後、在日米海軍のケリー司令官とともに横須賀市を訪れ「地域社会に迷惑を掛けた」と蒲谷亮一市長に謝罪した。
米兵の起訴前の身柄引き渡しは、1995年の沖縄の少女暴行事件を契機にした協定の運用改善合意後、今回で五例目。
調べでは、ウグボグ容疑者は3月19日午後9時20分ごろ、横須賀市汐入町の路上に止めたタクシー車内で、高橋さんの左肩を包丁で刺して殺害し、料金など計約1万9000円を支払わずに逃げた疑い。
ウグボグ容疑者は昨年2月に米海軍に入隊。
横須賀基地を拠点とする第7艦隊のイージス巡洋艦「カウペンス」の乗組員だった。
今年3月上旬から基地に戻らず、同月22日、米海軍が東京都内で身柄を拘束した。