‘08/05/16の朝刊記事から
四川大地震 倒壊 学校に集中
当局腐敗で手抜き横行か
【香港15日共同】中国・四川大地震で小中学校に被害が集中している。
専門家は教育予算の不足や、地方当局者の腐敗による校舎の手抜き工事の横行が背景と指摘している。
香港紙によると、四川省の都江堰市や綿竹市、北川県などで少なくとも7つの小中学校の校舎が全壊。
14日の段階で約3千人の児童や生徒ががれきの中に埋まっている。
被害の確認が取れない地域もあり、被害拡大を懸念する声も出ている。
中国政府が開いた13日の記者会見では中国英字紙の記者が「政府の建物の被害は聞かないのに、なぜ学校での被害がこれだけ報道されるのか」と質問。
担当者は「(地震発生が)午後の授業中だった」「児童や生徒はいち早く助けなければならない対象だから報道も多くなる」とかわした。
ただ香港紙によると、四川省の震源地から離れた隣の雲南省でも百を超える校舎が損壊しており、農村地域の校舎のもろさは顕著といえる。
建築家は、倒壊した校舎の大半に鉄筋が入っておらず、耐震強度が極端に低いとみる。
原因として農村地域の教育予算不足以外に、地方政府の教育当局の腐敗を理由に挙げる専門家も多い。
中国の学校事情に詳しい香港の専門家は「校舎の建設は業者の選定を含め地方政府の教育部門の一存で行われる。建設費の一部を自らの懐に入れるための手抜き工事も珍しくない」と話している。