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’08/07/13の朝刊記事から
「銃声は2発 目撃者が証言」
説明と矛盾
【ソウル12日共同】北朝鮮の金剛山地域で韓国人女性観光客(53)が射殺された事件で、韓国メディアは12日、現場近くにいた韓国人大学生(23)の目撃証言を伝え、北朝鮮や観光事業を行う現代峨山の説明と矛盾することから、韓国では疑念の声が高まっている。
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大学生は、11日午前4時50分(日本時間同)ごろ、黒っぽい服装の中年女性が海辺を北へ歩いていくのを見たが、5〜10分後に、銃声が5〜10秒間隔で2発聞こえ、悲鳴も聞いたと証言。
銃声がした方向に、女性とみられる人が倒れ、大学生がいた場所から約3びゃくメートル離れた茂みから兵士3人が姿を現し、生死を確認するため足でつついていたという。
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女性は背中などに銃弾2発を受けていた。
北朝鮮側は銃撃前に空砲で警告したと主張しているため銃声は3回あったことになり、証言と矛盾する。
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北朝鮮側は、女性は立ち入り禁止区域から1.2キロ以上入った地点にある軍施設に近づき、空砲で警告したところ引き返し逃げたため約1キロ追跡し射殺したと説明した。
しかし、説明に基づき、禁止区域まで2.6キロある女性が泊まったホテルの防犯カメラに女性が写った時刻から計算すると、女性は4〜5キロを約20分で移動したことになる。
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また現代峨山は現場にはフェンスがあり、観光客には禁止区域に入らないよう注意していたと主張するが、大学生は現場のフェンスは途切れていたと証言。
女性の家族は、女性は体と気が弱く走ったり注意を無視することはありえないと話す。
女性が禁止区域と知らずに入り込んだ直後に警告なしで射殺された可能性も指摘されている。