’08/08/19の朝刊記事から
三笠の旧幌内炭鉱 北海道遺産 立て坑やぐら解体
周囲陥没で倒壊の危険
【三笠】北海道遺産にも選定されている、旧北炭幌内炭鉱の入気立て坑やぐら(三笠市唐松青山町)の解体作業が、18日始まった。
やぐらは、今年3月に近くの排気立て坑内部が崩壊した影響で破損、所有する建設運輸会社が倒壊の危険性があると判断した。
やぐらは鉄骨造り高さ約40メートルと国内有数の大きさで、地下には日本一深い約千メートルの立て坑が伸びる。
北端が1967年に建設し、89年の閉山まで、坑内員や外気を地下坑道に入れる施設として使われた。
2001年には、同やぐらを含む空知管内の一連の炭鉱関連施設が、北海道遺産に選定されている。
今年3月、同やぐらから約150メートル離れた排気立て坑跡の内部が噴煙を上げて崩壊。
地下行動でつながる入気立て坑のやぐらの柱4本などもその衝撃で破損した。
さらに数日後、排気立て坑に隣接する地面が広範にわたり陥没した。
近くには工場や事業所があり、やぐらを所有する岩見沢市の小谷産業は「放置しておけば倒壊の危険がある」と解体を決めた。
作業は9月中に終える。
道によると、北海道遺産に選定されても解体を止める効力はなく、NPO法人炭鉱の記憶推進事業団(夕張)の吉岡宏高理事長は「炭鉱遺産が地域の財産として認識されかけている中で残念」と話している。
撮影機材
Kodak DC4800