'08/09/09の朝刊記事から
相撲協会 理事長に武蔵川親方
大麻問題 露鵬と白露山解雇
日本相撲協会は8日、幕内露鵬(28)=大嶽部屋=と十両白露山(26)=北の湖部屋=が尿検査で大麻に陽性と確定した問題を受けて東京・両国国技館で緊急の理事会と評議委員会を開き、引責辞任した北の湖理事長(55)=元横綱、本名小畑敏満、胆振管内壮瞥町出身=の推薦で、後任には協会ナンバー2の事業部長だった武蔵川親方(60)を選出した。
理事会に先立って行われた再発防止検討委員会は露鵬と白露山を個別に呼び、精密検査で検出された大麻成分の濃度が世界反ドーピング機関(WADA)が吸引を判断する基準値を露鵬は5倍、白露山は10倍と大きく超えたとの結果を説明した。
6月のロサンゼルス巡業で吸引したとの疑惑もあり、この点も追求した。
2人とも大麻使用をあらためて否定したが、同委員会は理事会に厳しい処分を求めた。
これを受けて理事会は両力士を解雇、露鵬の師匠、大嶽親方(元関脇貴闘力)を委員から年寄に降格する処分を決めた。
北の湖前理事長は理事になることで「理事会としての処分」(九重広報部長)とした。
記者会見で、北の湖前理事長は「ファンの皆様には本当に申し訳ない」と陳謝した。
現役力士の解雇は8月に大麻所持容疑で逮捕された元若ノ鵬(8日に釈放)以来。
腹を据えていく
武蔵川新理事長(元横綱三重ノ海)の話
自身も協会も腹を据えていかなければいけない。
一丸となって2度とこういう事件を起こさないよう頑張る。
外国人だけでなく、全力士に厳しく接するよう、師匠にも指導する。
少子化、いろいろな(問題の)再発防止にも力を入れる。
武蔵川 晃偉 (むさしがわ・あきひで=本名石山五郎、元横綱三重ノ海)
1963年名古屋場所で初土俵。
79年名古屋場所後に31歳で横綱に昇進した。
優勝3回。
引退後は武蔵川部屋を興し、横綱武蔵丸や大関出島、武双山、雅山らを育てた。
現在は相撲協会ナンバー2の事業部長を務めていた。
60歳。三重県松阪市出身。