'08/11/26の朝刊記事から
バンコク空港閉鎖
反政府デモ隊が突入
【シンガポール25日斎藤正明】タイのソムチャイ首相の退陣を求めている反政府団体「民主市民連合」は25日、首都バンコクで大規模な抗議デモを続行。
同日夜には数百人がバンコク国際空港に突入し、同空港は閉鎖された。
治安当局との衝突は起きていないが、政府支持派との摩擦で少なくとも11人が負傷。
市民連合はバンコクの政府施設周辺で26日もデモを続ける構えで、緊迫した状況が続いている。
同空港には約二千人が集まり、一部が空港ターミナルのドアを壊すなどして侵入した。
到着予定の便はチェンマイなど他空港に振り分けられた。
市民連合は、ペルーで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)から26日に帰国するソムチャイ首相を待ち受けるため、同空港に集結していた。
これに先立ち、市民連合の約一万人が25日未明から、臨時首相府が置かれているバンコク郊外のドンムアン空港を取り囲んだ。
予定されていた定例閣議は26日に延期。
市民連合の一部はビル内に入ったが、同空港を発着する国内線の運航に影響は出ていない。
警察は、空港周辺をはじめとするデモを事実上、放置している。
十月七日のデモ鎮圧で約五百人の死傷者が出たことに批判が集中したため、二の舞いを恐れているとみられる。
一方、市民連合に同調する政府系機関の労組が二十五日の実施を呼びかけたストによる影響は、ほとんどみられなかった。