’08/02/23の朝刊記事から
トルコ軍 イラクへ越境攻撃
クルド組織掃討 最大規模
【カイロ22日鄭真】トルコ軍は22日、非合法武装組織、クルド労働者党(PKK)掃討のため、地上部隊を中心とした、イラク北部への越境軍事作戦を21日夜に開始したと発表した。
軍幹部はロイター通信に対し、「数千人の部隊がすでに越境し、さらに国境付近に数千人規模が待機している」と述べた。地元テレビ局は部隊が国境から25キロ地点まで進んだと報じた。
一方、PKK広報官は同通信に「トルコ軍と交戦し、トルコ兵2人が死亡した」と述べた。
昨年10月にトルコ国会がイラクへの越境攻撃を承認した後、軍は数百人規模の部隊による越境軍事作戦や戦闘機による空爆などを実施、PKK拠点への攻撃を続けてきた。今回は地上部隊を投入し、これまでで最大規模の作戦となっているもようだ。
軍は「目的達成後、速やかに撤収する」と短期的な作戦であることを強調し、駐留米軍も「作戦は限定的」との見方を示した。
ただ、越境した現場は積雪も残る山岳地帯で、現地に数千人が潜伏するとされるPKKメンバーの掃討は難航も予想される。
トルコ側の越境攻撃にかねてから反発していたイラク北部のクルド自治政府との間で緊張が高まるのは必至で、今後、イラクの中で比較的治安が良好な北部も不安定化する可能性がある。