確かにそのとおりと言える側面もありますが、それなりに状況を知っているだけに素直に肯けない側面もあります。
音楽家の社会での存在意義とは何か。
東日本大震災の直後でも盛んに言われたこと、音楽家自身も悩み、考えたことです。
歴史の積み重ねや、生活への密着度の違いからヨーロッパと同じ目線では語れないと思います。
日本では、ヨーロッパと異なるそれなりの努力をしなければなりません。
少なくとも、芸術家然としてお高くとまって支援されて当たり前ではダメです。
ただ、文化を民力だけに頼っていて守れるのか。
経済論理に合わなければ、存在価値が無いものとして切り捨てて良いのか。
まだまだ議論の余地は大きいと思います。
ちなみに、大阪にオーケストラがいくつあるのが適正か?
簡単なようで難しい問いです。
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<橋下流に文化団体、戦々恐々…交響楽団消える?>
読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/ 2011年12月3日
知事時代、「文化は行政が育てるものではない」と公言してきた橋下徹・前大阪府知事が19日に大阪市長に就任するのを前に、市内の音楽や芸能関連の団体が戦々恐々としている。
橋下知事当時、府が出していた補助金を全額カットされた大阪フィルハーモニー交響楽団(大フィル)や、「観賞したが、2度は見ない」と酷評された文楽団体などは、市から多額の補助金を受けているためだ。
「補助金がなくなると、本当に大変なんです」
大フィルの佐々木楠雄・常務理事は11月30日、市の担当者に電話で、楽団の厳しい台所事情を訴えた。
指揮者の朝比奈隆さんが創設に関わった大フィルに対しては、市が「市の文化振興に不可欠」(平松邦夫市長)として補助金1億1000万円を支出。年約10億円の運営費の一部に充てられてきた。
だが、橋下氏は知事時代、「行政や財界はインテリぶってオーケストラ(が大事)とか言いますが、大阪はお笑いの方が根付いている」と発言。大フィルへの年約6300万円の府補助金を2009年度から全額カットした。市長になった橋下氏が再び大なたを振るえば、運営難は必至で、「死活問題だ」と佐々木常務は焦りを隠さない。
実際、橋下氏に年約4億円の府補助金をゼロにされた日本センチュリー交響楽団は今年度、橋下氏との合意で運営財源に回せるようになった基本財産20億円のうち、約2億6000万円を取り崩し、再生の道を探る。コントラバス奏者、坂倉健さん(53)は「このままでは大阪からオーケストラが消えてしまう」と危機感を募らせる。
大阪市から年5200万円の補助金を受ける財団法人・文楽協会も憂鬱ゆううつだ。
橋下氏は09年8月、「文楽を見たが、2度目は行かない。時代に応じてテイストを変えないと、(観客は)ついてこない」と発言。07年度に3600万円あった府補助金は11年度、2000万円に減った。同協会の三田進一次長は「採算が難しく、行政が手を引くと土台が崩れる」と戸惑う。
府や市など主催の「ミュージシャングランプリOSAKA」は、「トイレの神様」が大ヒットした植村花菜さんが02年に優勝し、メジャーデビューにつながった大会だ。しかし、府助成金は08年度に廃止され、大阪市が府分を穴埋めする形で負担してきた。関係者は「市の予算が削られれば、10周年の今年が最後の大会になるかも」と危惧する。