俳句の風景

写真と自作の俳句を掲載しています。

枯葉

2019-12-21 | 俳句・冬・植物




風に鳴る樹上の枯葉見返りぬ




にほんブログ村





草木の枯れた葉をいう。







地に落ちた葉は時間とともにかさかさに乾き、文字

通り枯葉になってしまう。







枯れたまま樹上に残っているものもある。







「朽葉」とは異なり、乾燥した葉の枯色と枯具合、

その特有の乾いた音に、寂寥感が漂う。







風が吹いて樹上の枯葉がかさかさと音を立てた。

思わず音のする方を見返った。






明るきは夕日当たれる枯葉かな




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敷松葉

2019-12-20 | 俳句・冬・植物




縁台に呈茶受けをり敷松葉




にほんブログ村





冬の庭園に枯れた松葉を敷きひろげることをいう。







庭土や美しい苔などが霜によって損なわれないように

するために敷くのである。







また美しい庭園に雅趣を添えるために枯松葉を敷き

詰めたものもいう。







一般の公園などにも見られるが、ことに茶道において

は炉開きと同時に露地に敷松葉を施し、元日から丁寧

に拾い去り、炉塞ぎのときに、全部取り除くという。








外の緋毛氈を敷いた縁台で呈茶を戴いた。

目の前の植木には、敷松葉がなされていた。






つくばひに細き水音敷松葉





にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

冬の鳥

2019-12-19 | 俳句・冬・動物




藪にゐて動きの速し冬の鳥




にほんブログ村





渡り鳥、留鳥の別なく、冬に見かける小鳥の総称で

ある。







寒さにちぢこまっている鳥や、逆に寒さとたたかって

いる鳥をいう。







寒さに悴んだ姿の鳥を、特に「かじけ鳥」という。







冬鳥というと、冬に渡って来る渡り鳥のことになる。







藪の中に盛んに動く冬の小鳥がいた。

それほど寒くはなかったので、動きは速かった。






夕空を一気に翔ぬ冬の鳥




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

万両

2019-12-18 | 俳句・冬・植物




万両や池畔のなぞへ日の差して




にほんブログ村





ヤブコウジ科の常緑低木。

暖地の林冲に自生し、庭木や鉢植えなどに植栽も

される。







七月頃、葉陰に白花を散房状に下向きに垂れてつけ、

球状の果実が冬、深紅色に熟する。







「千両」より大粒で、径五~六ミリ。







千両とともに冬枯れの庭に彩りを添える。







池のほとりが斜面になっていて、そこに万両が

赤い実をつけていた。

そこへ日が差し、実が一層赤く輝いていた。






万両や生きむためとは波郷の句




にほんブログ村




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

枯蘆

2019-12-17 | 俳句・冬・植物




枯蘆の日当つてゐるぬくさかな




にほんブログ村




冬が深まって枯れた蘆をいう。







葉が枯れても茎を水中や湿地に残す。







その姿が水辺の風景を一層侘しく見せる。







枯蘆の前を鳰や鴨が水尾を曳いて進む景は冬らしい

趣がある。







枯蘆に日が当たっていると、侘しいはずが温さを

感じる。






枯蘆を夕日離れてゆきにけり




にほんブログ村


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする