今日のひとネタ

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デビュー40周年につき石川ひとみのシングル曲を語る企画 その10(ミス・ファイン)

2018年07月25日 | 石川ひとみ

 私はこの曲が大好きで、彼女のシングルの中ではベスト3に入ります。発売が1979年12月21日で、作詞:康珍化、作曲:伊藤薫、編曲:井上鑑という石川ひとみさんの曲としては初めてのメンバー。またまた作曲家が変わりました。というか、ここまで毎回違う人ですが。

 作詞家の康珍化さんは1979年が作詞家デビューという話ですから、これはかなり初期の作品となります。その後は数え切れないほどのヒット曲を書いてますから、素晴らしい才能の持ち主です。

 作曲の伊藤薫さんは、元々「竜とかおる」というフォークデュオでやってた人。私も当時名前だけは知ってましたが、「竜とかおる」としての活動時期は短かったようです。それにしても、チューリップのドラマーで「伊藤薫」という人もいましたし、女子プロレスラーにも同名の人がいました。この作曲家の伊藤薫さんはなんと言っても「ラヴ・イズ・オーヴァー」が有名でしょうが、この当時女性アイドルには凄くいっぱい曲を書いてて、私は石坂智子さんの1stアルバム持ってますが、ほとんどこの人でした。(全部だったかな?) デビュー曲の「ありがとう」もそうですが、優しくて明るいメロディー書く人ですよね。ちなみに「竜とかおる」の「竜」こと佐藤龍一さんは今もシンガーソングライターとしてバリバリとライブをやってて新作も発表し、いつまでも表現したいものが尽きない人は本当に素晴らしいです。Twitterも面白いし。

 編曲は井上鑑さんですが、一世風靡した「ルビーの指環」が1981年2月の発売ですから、これもキャリアとしては初期ではないでしょうか。インタビュー記事によると、編曲を中心にする前はスタジオミュージシャンとして活動し、都倉俊一先生に声を掛けられる事が多くてピンクレディーをずっとやってたとか。なんと、全盛期にはツアーで全国を回ってたそうです。

 そして、この3人が関わって作った曲ですが、詞も曲もアレンジも素晴らしいです。詞の世界は「キャンパス通り」という言葉が出てくるくらいですから、登場するのは大学生でしょうか。当時私は高校生でしたが、そのうちこんな彼女が出来るのだろうかと凄く憧れました。康珍化さんが石川ひとみさんのファン層の心をくすぐることを狙ったのでしょうが、本当に絶妙です。

 曲も出だしはささやくように、Bメロで徐々に盛り上げて、サビではファルセットを聞かせてから地声で張りのあるボーカルを聞かせるという多彩な作り。石川ひとみさんの声の可愛さを前面に出したということでは、それが最も発揮されたシングル曲ではないでしょうか。

 アレンジも、結構細かい仕掛けがあちこちにあって、イントロの最初の方だけ12弦アコギが使われてたり、ベースとバリトンサックスのユニゾンも印象的だし、イントロと間奏のツインギターとか聞くと、最初から細かく譜面に書かれたアレンジなのではないかと思います。あくまでも私見ですが。

 ただ、私は当時歌番組で見たのは1回くらいだったような。自分があまりテレビを見てなかった時期かもしれませんが、正直それほど印象に残ってないという…。レコードでアレンジの完成度が高すぎると、歌番組の生演奏では落差が大きく曲の魅力が伝わりきらなかったということがあるかも。

 しかし、最近になって当時の映像を見ると、衣装は可愛いけど落ち着いたワンピースで、左手の動きが中心の地味な振り付けで歌う姿に思わず萌えっと来てしまいました。当時あれに反応しなかったのは私の目が節穴だったのでしょう。

 近年のライブでも結構歌われるそうで、ご自身がこの曲を好きなのだろうと思うと私も本当に嬉しくなります。歌唱力の裏付けがありながら、声の可愛さが前面に出てくるこの曲は代表曲と言っていいと思ってます。

 ところで、歌詞について今も疑問なのですが、なんで「しばらくは さよならね」なんでしょうね。春にならないと逢えないというのは、彼女が苦学生で冬の間はスキー場のバイトで信州の山に籠もってしまうとか…。(←アホ)

 ということで、次回は「オリーブの栞」です。