今日のひとネタ

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デビュー40周年につき石川ひとみのシングル曲を語る企画 その9(人の気も知らないで…)

2018年07月10日 | 石川ひとみ

 これは5thシングル「ハート通信」のB面です。その流れなら3rdアルバム「ひとみ・・・」に収録されていてもよさそうなのですが、実はこの曲はオリジナルアルバム未収録。私はドーナツ盤で所有してますが、何しろ長年聞く機会が無かったのでこの記事を書くにあたって物凄く久しぶりにじっくり聞いてみました。

 この曲は、作詞:野原理香、作曲・編曲:穂口雄右という、石川ひとみさんの作品の中では珍しいコンビ。それもそのはずで、作詞の野原理香というのはアイドル歌手として活躍した神田広美さんの作詞家としての別名なんですね。彼女がアイドル歌手から作詞家に転身したのも、現在は穂口雄右先生の奥さんだというのも、つい5年位前に知りました。私の脳内で最近ヘビーローテーションしている「ドンファン」という曲を神田広美さんが歌ってたのは「ハート通信」発売の1年位前で、その後はアイドル歌手としての活動はほとんどないようですので、一体彼女に何があったかはわかりません。

 本題に戻りますが、「人の気も知らないで…」はディスコ調のリズムに切れのいいストリングスとパーカッシブなホーンが絡むなかなかゴージャスなアレンジのかっこいい曲です。はっきり言って「石川ひとみらしくない」ともいえるサウンドで、発売当時は「う~ん、この曲はなんだろう」と消化しきれない感じはありました。が、そこはそれ、今となって冷静に聞いてみると結構完成度は高いように思います。

 なぜ「石川ひとみらしくない」と感じたかというと、アレンジもそうですが歌詞に「あいつ」という言葉が出てくるんですね。穂口先生の作曲とアレンジで、歌詞が「あいつ」と来るとどうしてもキャンディーズっぽく感じてしまうのは私だけではないはず。

 なにしろキャンディーズというと、

・「年下の男の子」で「あいつはあいつは可愛い…」
・「年下の男の子」の次のシングルが「内気なあいつ」
・「ハートのエースが出てこない」では「あいつの気持ちがわかるまで…」
・「わな」では「あいつはしくじった」
・「銀河系まで飛んで行け!」では「あいつなんか あいつなんか…」
・「見ごろ食べごろ笑いごろ」のテーマでも「あいつ ゴロゴロ!」

と、とにかく「あいつ」づくし。さらに「プロポーズ大作戦」の主題歌だった「ラッキーチャンスを逃がさないで」では、「のっぽのあいつ 太めのあいつ 恥ずかしがり屋のあいつにあいつ」と、とにかく歌詞に「あいつ」が入ればキャンディーズっぽくなると世間では言われています。(当サイト調べ?) まぁスーちゃんのメインボーカルには無いような気がしますが。

 「あいつ」というとピンクレディーも「あいつはあいつは大変装」とか「あいつパイレーツ」とか歌ってましたが、まずキャンディーズの比ではありません。あとは南沙織さんが「傷つく世代」で「会えば会うほどあいつ」とやたらと「あ」で迫ったり、「ふりむいた朝」で「気まぐれなあいつの…」と歌ってたりしました。が、「傷つく世代」はともかく「あいつ」というのはあんまりシンシアのキャラではないですね。

 「あいつ」と言って似合いそうなアイドルというと、他では林寛子さん。「気になるあいつ」という曲がありました。結構爽やかな雰囲気の曲でしたね。本人は怖そうですけど。(意見には個人差があります。) ちなみにこの部分はすべて脳内データベースに頼って書いてますので、他のアイドルでもっと「あいつ」を連発してる人がいるという場合は存分に指摘して下さい。当方好き嫌いが激しく守備範囲狭いので。

 「あいつ」という言葉は演歌とか歌謡曲だとありそうですが、アイドル歌謡で「あいつ」という歌詞を取り入れるのはなかなか冒険なのかもしれませんね。彼のことを「彼」というか「彼氏」というか「あなた」というか「あんた」というか「キミ」というか「あの人」というか「あいつ」というかは、その彼との距離感とか歌詞のシチュエーションにもよると思うのですが、その部分で曲の雰囲気が決まってしまうような気がします。

 これは石川ひとみさんの曲では珍しい感じの作品ですが、1stアルバム収録の「ショッキングブルー」にリズムとかがちょっと似てる感じがしました。あのギターのリフをストリングスにすると「おやっ」と思ったりします。もちろん作曲者もアレンジャーも別の人なのですが。

 まぁ曲の雰囲気と3rdアルバム「ひとみ・・・」のコンセプトを考えると、そこに収録されなかったのも頷けます。あの雰囲気の中には溶け込まないだろうと。しかし、そのおかげでレアトラックになってしまったのはもったいないと思うのは私だけではないでしょう。

 ということで、次回は普通に「ミス・ファイン」に行きます。