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『人新世の資本論』⑫ 分岐点です!どうする?決めるのは!そこのあなた!あなたですよ!

2022年02月14日 | 世間話し

前回の続きです。

『人新世の資本論』を読んで綴って、今回で12回目となります。

いつまで続くのやら、兎に角、飽きるまで続きます。それでは、本日も、始まります。

それで、今回は小見出しは『19.資本主義よりも前に地球がなくなる』です。

「中核が勝ち続けるためには、周辺は負け続ける・・・資本主義が崩壊するほどの致命傷を今すぐに負うことはない。裏を返せば、先進国の人々が大きな問題に直面する頃には、地球は生態学的に手遅れの状態」

まあ、一言、二言、云わして貰えば、「生態学的に手遅れ」と云う表現ですが、これって、とっても、人類中心的な考えだと思います。

人類が、地球環境を「変化」させ、人類が、住めない環境となったとしても、他の生物は存在し続け、太陽系に、宇宙に、地球は、それなりに変化し存在し続けます。

人類にとって都合の良い環境、他の生物にとって不都合な人類は、ともに消滅。

と、云うことで、小見出しの『資本主義よりも前に地球がなくなる』と云う表現は、正しくありません。比喩としても、正しくありません。

わたしは知りませんでしたが、アメリカを代表する環境活動家「ビル・マッキベン」の、

『利用可能な化石燃料が減少している事だけが、私たちの直面している限界ではない。実際、それは最重要問題ですらない。石油がなくなる前に、地球がなくなってしまうのだから』

と云う言葉から引用したのでしょう。

それにしても、このビルさんの言葉ですが、「利用可能な化石燃料の減少」が問題なんですか? 

当然、「化石燃料を利用する→二酸化炭素の排出量増大→気候変動」が問題であって、化石燃料の減少等、誰も問題にはしていません。いまでは。

因みに、以前は、確かに、石油30・40年枯渇説が、何十年も前から叫ばれていました。しかし、何十年経っても、枯渇期限は先送りされるのでした。採掘技術の進歩で、利用可能な範囲が拡大しているのです。

世界は脱炭素、気候変動で、いまでは、石油枯渇説を叫ぶ人は、もう居ません。

それにしても、何だか良くわからなビルさんです。それを引用する幸平さんも良くわからない。 

良くわからないけれど、次ぎに進みます。

はい、小見出しの『20.可視化される危機』です。

「短期的かつ表面的にだけ見る限りでは、資本主義はまだまだ好調に見えるかもしれない」

これは、世間一般の風潮を、幸平さんの解釈で述べたものです。大胆な発言をする割に、かなり、かなり、消極的な見方。

わたしとしては、幸平さんの解釈よりも、世間一般の、世界の、風潮の大勢は、気候変動と格差と貧困で、「資本主義は、もう、そろそろだ」と、そんな方向に、向かっていると考えます。

次の行で幸平さんが「廉価な労働力のフロンティア喪失・・・利潤率低下・・・先進国内部での労働者の搾取激化・・・環境負荷のグローバル・サウスへの転嫁・外部化も限界」を述べています。

このような認識は、世間一般も、それなりに、肌感覚で、身近に迫っていると、気づいているのです。そんな風潮の現れの一つとして『人新世の資本論』が、ベストセラーになったと考えます。

それで、可視化される危機として、海洋中のマイクロ・プラスチックの問題、シリア難民の原因は気候変動、アメリカのハリケーンの大型化を採り上げています。

そして、次ぎ、第一章最後の小見出し『大分岐の時代』です。

分岐とは、分かれ道。

「資本主義システムが崩壊し、混沌とした状態になるのか、別の安定した社会システムに置き換えるのか・・・資本主義終焉に向けた分岐が、いまや始まっている」

との指摘。

資本主義による富の偏在、貧困と格差、気候変動、このままでは、世の中は回らなくなる。

と、云うか、一部の、一握りの、金持ちが、さらに富を増やし、困窮する多数は、さらに困窮すると云う現実。

そして、パンデミックによる、貧困と格差の、資本主義崩壊の、加速化、顕在化。

分岐の一方は、世界で、それなりに、分かり易く、表面化しつつあります。

「崩壊、混沌・・・右派ポピュリズム・・・排外主義的ナショナリズムの煽動・・・民主主義の危機・・・権威主義的統治体制の到来」

分かり易い例として、資本主義の「民主主義のリーダー国」アメリカの混乱です。共和党トランプの出現です。連邦議事堂への乱入事件です。

アメリカは民主党と共和党の二大政党体制です。トランプの出現は、民主党の支持層だった、取り残され、見捨てられた製造業の労働者に、トランプが食い込み大統領選に勝利しました。

民主党には、取り残され、見捨てられた製造業の労働者が見えていない?見ようとしなかった?

ここで突然ですが、日本の立憲民主党のお話になります。

以前にも書きましたが、立憲民主党は、連合は、労働者の意見を代表してません。

日本の組合員数は約1千万人で、組織率は約17%。

連合加盟の組合員数は約700万人。組合加盟者の7割は連合の組合員。

しかし、組合未加盟の労働者は約6千万人で、そして、雇用形態では約4割が非正規雇用です。

この現実を、立憲民主党には、見えていない?見ようとしない?見て見ぬふり?

この現実と、これから未来。

分岐点の一方、「安定した社会システム」が、まったく?あまり?見えないのです。

一方の、右派ポピュリズム・・・排外主義的ナショナリズムの煽動・・・民主主義の危機・・・権威主義的統治体制の到来は、それなりに見えるのです。

どうなるのでしょう?

どうするのでしょう?

それを決めるのは、ここまで、読んできた、そう!そこのあなた!です。

本日は、これでお終い。

 

それでは、また。


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