世の中、コロナ騒動ばかりではありません。
アメリカのアフガン撤退騒動も、新聞・テレビを賑わしています。
テレビの画面には国外に脱出しようと、空港は大群衆で混乱し、米軍輸送機に群がり、機体によじ登り、上空から転落したり、大変痛ましい光景が映し出されています。
Twitterでは、箱の中に入れられた赤ちゃんの写真が投稿され、「空港での混乱から、脱出の足手まといと、両親が置き去りに」、との説明が付けられていました。
この投稿写真の説明は嘘であってほしい!と、願わずにはいられません。
それで、今回の撤退騒ぎは、ベトナム戦争でのサイゴン陥落時の騒ぎと比較され、アメリカは、何度、同じ過ちを繰り返すのか?何て、事が云われています。
これって、ホントに、アメリカにとって、敗北なの?、過ちなの?
アメリカの指導者はバカなの、過去の過ちから学ばないの? 何て疑問を抱くのですが、しかし、実は、アメリカの指導者は、かなり、かなり、冷酷にソロバンを弾いているのだと、思ったりするのです。
アメリカは、この戦争で20年間で1~2兆㌦(約220兆円・・・いろいろな計算方法あり)以上の戦費を使い、米兵数千人、アフガン人数万人の犠牲者を出しました。
米国民としては、20年間闘い、220兆円のお金を使い、数千人の犠牲者を出した、米国最長の戦争。最後は逃げるような敗走、撤退。これって何なの?と思う筈です。
国民の7割は撤退に賛成していました。でも、撤退の仕方が、とても、とても、みっともなく、バイデン大統領の読みが甘いと、いろいろな方面から責められています。
アフガン政府軍は、アメリカ資金と武器で作られた軍隊です。アメリカの後ろ盾が無くなれば崩壊します。
バイデンも数週間から数ヶ月は持ちこたえると読んでいたそうです。でも、負けるのは時間の問題と分かっている戦争を、何処のどいつが、真面目に闘うでしょうか。
誰だって、一目散に逃げ出します。一度敗走が始まれば、もう、加速度的に、雪崩をうって逃げ出すのが人情。
戦争の終わり方は、それなりに問題でしたが、前段の、アメリカはそれなりの「ソロバンを弾いている問題」を考えたいと思います。
そもそも米軍のアフガン侵攻の目的は、911の報復で国際テロ戦争で、アルカイダ掃討で、ビンラディンを血祭りに上げることでした。
そして、いつもの、「自由・人権・民主主義」を錦の御旗として掲げていました。
最近の戦争は、自由とか、人権とか、民主主義とか、時には平和とか、きれい事を掲げて、戦争が始められるのです。
それで、アフガン侵攻も20年で、膠着状態で、国民の支持も離れ、そろそろ終わりを告げたのです。賞味期限が切れたのです。
戦争は儲かるのです。その筋では、アメリカにとっての戦争は公共事業だと云われています。200兆円の戦費はドブに捨てた訳ではありません。ほとんどが軍需産業の懐に入りました。
軍事産業にとって、勝っても、負けても、どちらでも、戦争は儲かるのです。
そして、軍隊も戦争が無ければ縮小されてしまいます。軍産複合体です。どちらも戦争を必要としています。
それで、アフガンの次は何処で戦争が?です。
いま、アメリカの対立国は、覇権を争う最大の国は中国です。
政治、経済、軍事、科学技術、あらゆる分野において、中国と対立し、争っています。
敵を倒すには、一番弱いところ攻める。中国の一番弱いところは、新疆ウイグル自治区で政府と対立するイスラム教徒の存在です。
米国は、EU諸国を巻き込み、中国の新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に対する弾圧に対して、ジェノサイトだとして、経済制裁を行っています。
経済制裁の段階から、次は軍事的制裁の段階に入る?
アフガンと中国は国境を接しています。
アメリカは、アフガンのタリバン政権を、それなりに、操り、誘導して、新疆ウイグル自治区のイスラム教徒に、反政府武力闘争を仕掛けさせる。
反政府武力闘争が激化して、中国がアフガンに侵攻したら、アメリカの思うつぼで、中国に、ソ連の、米国の、二の舞、三の舞を踏ませる作戦。
私が米国の指導者であったら、代理戦争は、一正面ではなく、二正面、三正面と、多正面作戦で行きます。
先ずは、台湾海峡の緊張を煽り、日本の尖閣諸島での緊張を煽り、中印国境での緊張を煽り、各国に高額な米国製の武器を買わせる。
そして、アフガンですが、アメリカから武器を買うだけの経済力はありません。そこで、今回、政府軍の敗走崩壊で、大量の武器弾薬をタリバンの手に渡したのです。
そのためには、敗走、撤退の混乱は、それなりに必要で、軍産複合体による、それなりの作戦だったのです。まあ、バイデン大統領も、それなりに知っていた筈。
資本主義も、共産主義も、先の見えない時代、パンデミックがそれなりに終息し始める頃より、世界はきな臭い時代に突入するような、そんな気がする今日この頃。
それでは、また。