「ルックス」という健全な理由から年末購入してしまったライトです。
三ヶ日も終わり本日から出勤の方も多いかと思います。ワイフは出勤ですが森のなかまは会社がお休みであります。いかがお過ごしでしょうか。
本日は「
ベーデン=パウエル卿」が創設した「
スカウティング運動」のイギリスのオフィシャル?団体「
Scouts」のオリジナルグッズ「
Scout LED Scout Torch Small」を紹介します。年末に「
こちらの記事」を見て。。
あっ、これは自分が買うべきライトだ。。
と激しく思いました(笑)。「
Quad」の時もそうでしたが拍手数の伸び方が良い。。これはノロノロしていると無くなってしまいそうです。実際
アカリセンターさんではLargeは既に売れてしまったようです。
douguyaさんにまだ幾つか在庫があるようです。
去年紹介しようと写真をバリバリに撮っていたのですが思いがけず年内販売となった「
H2T G1」に先を越されてしまいました。
「スイッチをONにしたにも関わらず点灯しない場合は、テールキャップをシッカリと締めたことを確認し、軽く手の平で叩いてください。点灯することがあります。」と販売店の注意書きにも心を惹かれました(笑)。
どうです!「ボク!懐中電灯!」を体現しているこのルックス!しかも光源は豆電球ではなく白色LEDであります。
大きく深めのスムースリフレクター(凹凸が無い鏡面反射板)はベリースポッティな配光を予感させます。
赤いボタンがあります。往年の方々は「モールススイッチだよね」と思われるかもしれませんが「TIMELESS QUALITY LATEST TECHNOLOGY」を謳うこのライトはなんと無段階調光できてしまうのです!赤いボタンを押すとMax->Min->Maxをゆっくりと繰り返しますので、所望する明るさになったら離すと明るさが固定されます(キャッチフレーズは箱に書かれていますが箱を撮り忘れてしまいました。販売店ページでご覧下さい)。
スイッチオンで必ず最大照度になります。右は最小照度と思われるものです。
中心に極端なスポットに、それほど広くない薄い周辺光が広がります。115ルーメンとありますがそれほど眩しくもなく室内でもそれなりに使い易かったりします。非常灯としてはなかなかの実力かと思います。
調光は典型的なPWMで行われ、高速点滅の消灯時間を延ばす事で減光しています。Maxでは感じませんが調光するとそれなりにチラつきます。
入手し易い単3電池を3本使用しますのでエネループを奢ってみました。既にMaxで付けっぱなしにして使っていますが電池はあまり減りません。特に昇圧をしている様子もありませんのでかなり長い間点き続けるのかと思います。きっと調光すると更にランタイムが伸びるのかと思われます。
引き出してから直角に曲げるツーアクションの内蔵式フックを持ちます。
私の個体ではエンブレムがきちんとエンボスされていませんでしたよ。
「クァッ!」と引き出して「コォペッ!」とフックを折り曲げるアクションが今更ながらステキであります。
こすれてメッキが落ちて地金の色がうっすらと見えていますが、これは一昨年デヴィッドと双頭の大蛇を探しにブッシュをかき分けていた時に付いたものです。マラリア熱やヒルに悩まされましたが今となってはクレイジーな思い出であります(笑)
写真中央に傷のようなモノがあります。6年前テキサス州パーマーでトムと巨大なストームが発達するの見ていると突然大量の冷気を吸い込んだかと思うと崩壊し赤茶けた分厚いカーテンが時速100kmで我々に襲いかかってきました。慌ててバンに飛び乗り迫り来るダストウェイブから逃れました。砂塵の中に混じっていた小石があたったのがこの傷です。「いちもつ君」が小指程の大きさにまで縮みあがりトムと馬鹿笑いをしたのを思い出します。
さて。。。(笑)
お分かり頂けるかと思いますが、新品状態でそれなりに加工傷やら何やらが付いています。きちんと作ったものをわざわざダメージ加工して「Dameged by Daniel」等のサインがあるわけではありません。
なので、このクラスの製品に対しても完璧なパッケージングを求められるような方は手を出してはいけません。こういう製品なのです。
「お客様は神様です」という言葉もあるように日本人はきめ細かい「おもてなし」の心で様々な分野で優れた製品、サービスを世に出してきました。そのために血を絞り出す様な努力をしています。すごいことだと思います。
ただ、あらゆる価格帯、あらゆるサービスに「それ」を当然のように望む消費者というのもどうなんだろうかと思います。
懐中電灯のようにそれほど大きくない市場であれば戦略的な価格がついた製品はそれほど多くはないと思います。配光、光量、防水性、対衝撃性等はスペックにあっても分かり難い性能は価格に応じたものになるかと思います。
「よいものを安く」
というのは誰しもが望む事ではありますが、どこかでバランスをとらねばビジネスそのものが成り立たなくなります。
ご飯を食べるのも、食べられるのも需要と供給であり我々みんなが関わっている事です。美味しい所だけをかすめ取り続けるのはどこかに無理が生じてくるのかと思います。
。。。なんて事を考えるのであります。
せっかくの愛らしいライトですのでメンテナンスしてみたくなります(笑)
スイッチを分解するには綿棒を差し込み内壁に沿って回しているとそのうち外れてきます。恐らくはめ込み式かと思うのですがその辺りは明確ではないようです。
分解するとこんなカンジです。結構キレイでしょ?実はコンパウンドで磨いてしまいました。
磨く前はこんな状態でした。己以外を除き何かを磨くのが好きな森のなかまとしては、とても楽しい時間を過ごさせてもらいました。もちろん特に性能アップはありません(笑)
ワイフはこの写真をみて「缶ゴミ」といっていました(笑)。うーん。そうかも。。
接点に相当するベルみたいなカップの裏側には何故か紙のようなものが貼られていました。「軽く手の平で叩いてください。点灯することがあります」というのは制御された演出だったのでしょうか?とりあえず取ってしまいましたが動作上の不都合は今のところありません。。そのせいか今のところ接触不良は一度もありません。。
まぁ貼るだけでも工数が増えるので自分の個体だけだと思います。なので何もせずに使って普通に使えるライトだと思います。
これが全パーツとなります。結構な数になります。
ヘッド側は中途半端に接着剤のようなものが少量ついているのか分解出来そうで分解出来ないのか、よくわからない状況でした。
瓶の蓋が固い時に使うシリコンの鍋敷きみたいのを使い徐々に外していきます。ベゼルが柔らかいので手で握るだけで形が変形してしまうのも外し難さの一因になっているかと思います。
なかなか上手くいかず途中何度も「旅はもうこれまでだ冒険を打ち切ろう」と「
ガンバの冒険」のエンディングテーマ「
冒険者たちのバラード」が頭に流れました。
ヘッド側をバラす意味は殆どないかと思いますのであまり無理はなさらないでくださいね。ちなみに外した跡はアルコールで拭いてワセリンを付けたら開閉がスムーズになりました。意味ないけど(笑)。。
基盤にはIC等が数点実装されています。スイッチに直接つながるリード線はハンダ付け箇所に力が加わらないようにバネに一回巻き付けられています。
組立時はリード線を不用意に捩ってしまわない用に予め見越して逆に捩っておく、基盤を固定するヘッド側のベゼルを後から閉める等の工夫が必要です。
こちらがエミッタになります。森のなかまは詳しくはありませんが見たことが無いLEDです。LEDを固定する白い接着剤のようなものがLEDに付いていたので拭取りました。
ヘッドです。メッキ時の跡かと思いますが「見えない所にもダメージ加工しているんだよ」というと「そっか!」というヤングもいるかもしれませんね。とても薄くペラペラなので気をつけないと歪んでしまいます。もちろん直すのもちょっとした力で済みますが。。
スイッチに入っているこのパーツ。。どうしてこんなにイビツなんだろうと思いますが、このパーツはなかなか渋い働きを担っています。
二カ所の凹んだディンプルに収納したフックの先端が嵌りロックするのだと思われます。そしてこの板の上にバネ、端子が乗り、リングでスイッチケースに固定するわけです。
組上げた後スイッチを入れていないのに点灯しっぱなしになる現象に悩まされました。原因を調べてみるとスイッチが内側から押されているようでしたので、その要因を探してみました。
電池ケースのスリーブに強度のためリブのように太くなっているところがあるのですが、これがスイッチの真下に当り、スイッチを押し上げていたようです。きちんと組まないと組めないですし、機能しないので、結構コツが要求されます。
なので、普通の方は分解はしない方が良いでしょう。「普通に使う」そういう使い方をするものだと思います。
ただ、メンテナンスが好きな方には「たまらない」ものがある事も事実であります(笑)
最近お気に入りの「自ら発光する後ろ姿シリーズ」です。削り出しのアルミとかには無いプレス加工品の良さがあると思いませんか。
最新というにはちょっと古いですが桁違いに贅沢な材料、時間、工数がついやされている「
Surefire L4」と並べてみました。写真で見ても違いは分からないかもしれませんが使ってみると違いは歴然としています。一般人から見れば「懐中電灯」という括りなんですが。。
「実用性の無いネタ、情緒系ライトなんでしょ?」
いえ。少なくとも森のなかま的には実用的なライトであります。
ドーンと安定してキャンドル立てできるボディ。どんだけ点き続けるのかわからないランタイム。そこそこの明るさもあり天井バウンスによるランタンとしての地位を築いてしまいました。この太さと安定感はなかなか良いです。
と、取って付けたように実用性を書いてみましたが、さほど説得力はないでしょう(笑)。
やはり、誰もが「懐中電灯」と認識する事ができ、最低限の使い方が出来るこのライトのルックス、存在は森のなかまのシナプスをとても強く刺激します。
全てがユルイのですが、タイトでスパルタンなスポット配光のライトを小っちゃいボーイ&ガールスカウター達が列をなして点灯している姿を思い浮かべると微笑ましくもあり、安価で大量に作られたこの華奢なライトを小ちゃい手で「ぎゅぅ」と握り「モノを大事に使う」事を覚えていくのかなぁ、と思うとなんだか楽しいのであります。
それでは!