新型コロナ対策として有名になった三密(密集・密接・密閉)。
(公共)交通機関である飛行機・電車・バスなども気になります。
中でも、窓が開けられない飛行機と新幹線は“密閉”空間ではないか、と心配になりますね。
先日も、マスクを着用しない、大きな声で反抗して騒いだ乗客が飛行機から降ろされたことがニュースになりました。
では本当に、それらは密閉空間なのでしょうか?
扱った記事から一部を抜粋します;
■ 航空機内ではマスクを着用した方が良いのか?
・・・航空機では一般的に客室の空気は2-3分ごとに完全に入れ替わっています。空気を50%は機外に出し、50%再循環させていますが、再循環させる際にはHEPAフィルターを通過させています。
一般的な機内での空気の流れ(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(05)71089-8)
ウイルスもこのHEPAフィルターで捕捉されると考えられており、機内での感染拡大は少ないとされています。
また、エアロゾル感染と考えられる座席の離れた乗客への感染もほとんど報告されていません。
厚生労働省のクラスター事例集でもバスツアーでのクラスターが紹介されており、海外では空気を再循環させたバスでの新型コロナ集団感染が報告されていますが、これはバスではHEPAフィルターが使用されていないことに起因している可能性があります。
というわけで、航空機内での感染はむしろ他の乗り物よりは少ないと言われています。
意外なことに、飛行機内は十分に換気されている事実! を知りました。
ただ、一部を再循環させているのでウイルスをも補足するHEPAフィルターの存在が必要とのこと。
では結局、飛行機内でマスクはした方がいいのでしょうか、しなくてもいいのでしょうか?
忽那先生のコメントは、
新型コロナでは、発症する前の症状がない時期にも感染性があることから、人が密集した場所や屋内では症状がない人も含めてマスクを装着する「ユニバーサルマスク」という考えが新型コロナ以降定着してきており、それを支持する科学的根拠も集まってきています。
機内で大声で喋るような方や咳が出ている方は、周辺に飛沫が飛ぶ可能性がありますので、マスクを装着した方が良いでしょう。
しかし、咳などの症状もなく、喋ることもないようであれば、理論的にはマスクを装着しなくても換気の良好な機内では感染拡大のリスクは低いと考えられます。
・・・
しかし「機内ではマスクを着用しなくて良い」というほどのエビデンスは現時点ではありませんので、特にマスク着用に抵抗のない方は着けておく、マスクを着けたくない事情のある方は添乗員さんに事情を説明し食事中以外はできるだけ喋らない、などの対応で良いのではないかと思います。
と、強制するレベルのものではないという結論でした。
次に新幹線について。
下記記事によると、こちらも「換気はされている」ようです。
ただ、飛行機と異なり「HEPAフィルター」に関する記載が無いのが気になりました。
■ コロナ直撃の東海道新幹線 消毒、換気に続くJR東海の対策は「薬師如来」
・・・窓が開かない新幹線は、対コロナの安全性は保たれているのだろうか?
結論からいうと、新幹線は走行中・停車中に関わらず、空調や換気装置により、常に外気を取り入れる設計になっており「計算上では約6分~8分で車内の空気は入れ替わる(JR東海)」という。他の新幹線を有するJR各社にも確認をしたが、同様の設計で密閉空間ではないとのことだ。
考えてみれば感染症は新型コロナウイルスだけではない。コロナ禍の前より、国では換気に関する基準をさまざまな場所に設けており、換気の車両設計基準も定められている。日本で運行する全ての新幹線車両は、その基準を十分満たすということなので、ひとまず安心していいだろう。
<参考>
■ 新型コロナウイルス感染症対策に関する取り組み(JR)