徒然日記

街の小児科医のつれづれ日記です。

「カシューナッツ」「ゴマ」アレルギー表示2品目追加へ

2013年07月21日 21時57分20秒 | 小児科診療
 私としたことが、食物アレルギーに関する重要な情報を見落としていました。
 特定原材料のアレルギー表示項目が増えていたのです。
 それは「ゴマ」と「カシューナッツ」。
 もっとも、表示は年内に始まる予定ですぐではありません。さらに義務表示ではなく推奨表示なので、表示するかどうかは製造メーカーに任されており、非表示を罰せられることもありません。
 以前より一歩前進したことは認めますが、患者さんの生活への影響を考えるとバンザイと言うほどではなく、すっかり安心できるわけではないことを認識する必要があります。

「カシューナッツ」「ゴマ」アレルギー表示2品目追加へ
(2013年6月5日 読売新聞)


 加工食品のアレルギー表示について、「カシューナッツ」と「ゴマ」を推奨表示品目に加える方針を消費者庁が打ち出した。
 推奨表示は義務ではないが、表示が広がれば食物アレルギーのある人が食品を選ぶ目安のひとつになる。
 表示の追加は、5月30日に開かれた消費者委員会の食品表示部会で同庁が提案した。同庁は都道府県などに対する通知案を次回の部会に提示し、年内にも表示が始まる。
 同庁は、アレルギー表示を見直すため、定期的に食物アレルギーによる健康被害の全国実態調査を実施。2011~12年度はアレルギー専門医約1000人に協力を求め、食べてから60分以内に症状が表れて、医療機関を訪れた2954例を分析した。
 カシューナッツでの発症は18例で、うち血圧低下や意識障害などを伴うアナフィラキシーショックと呼ばれるショック症状を起こしたのは5例。ゴマでは12例が報告され、アナフィラキシーショックは1例だった。カシューナッツとゴマは以前の調査でも症例が報告されていることから、表示対象品目に加えられた。
 アレルギー表示は食品衛生法などに基づき、これで対象は、義務表示が7品目、推奨表示が20品目になる。


 通院している患者さんの中にゴマアレルギーの子どもが数人いらっしゃいます。彼らは粒状態のゴマでは症状が出ません。粒状態で食べても消化されるのは一部で、ほとんどが未消化のまま便に出てしまう傾向があるからです。一方、すりゴマ・練りゴマでは強い症状が出ます。粒の内容物がすべて吸収されてしまうからです。
 ゴマを隠し味として使用されている食品は数多く、患者さんのQOLを上げるために製造メーカーの協力が期待されるところです。

※ より詳しくは当院HP「食物アレルギー」の「ピーナッツアレルギー」「ゴマアレルギー」の項目をご参照ください。
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