小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

(医学雑誌拾い読み)「学校・保育所における問題点と対応」

2017年07月02日 12時41分18秒 | 食物アレルギー
日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会誌 13-1,2015
長谷川実穂、佐藤さくら(相模原病院臨床研究センター)

■ 乳幼児期に発症する食物アレルギーでは鶏卵・牛乳・小麦が多く、3歳までに50%、6歳までに90%が耐性化する。

■ 給食管理は安全性の確保が最優先される。
学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(日本学校保健会/文部科学省、2008年)
保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」「同Q&A」(厚生労働省、2011年)
では、保育所や学校生活での食物アレルギー対応は、原因食物の完全除去か、制限なく解除するか、どちらか二分化して対応するよう指針が示されている。

■ 保育所と学校の「生活管理指導表」の違い
保育所の書式では、学校の管理指導表の“診断根拠”に該当する欄が“除去根拠”という名称になり“④未摂取”の項目が追加されている。

■ エピペン所有者情報はあらかじめ地域の救急隊と共有されている。

<参考>
・「学校における食物アレルギー給食対応指針」(文部科学省、2015年)
・「アレルギー疾患対応資料(DVD)映像資料及び研修資料
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(医学雑誌拾い読み)「乳児期の食物アレルギー〜不足しがちな栄養素〜」

2017年07月02日 11時09分33秒 | 食物アレルギー
日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会誌 12-3:321-326, 2014
上野佳代子(国立病院機構大牟田病院栄養管理室)

■ 鶏卵アレルギー
・主要栄養素はタンパク質。
・代替食品として、肉類、魚類、大豆製品などのタンパク質源で補充すれば栄養面での問題は生じにくい。

■ 魚アレルギー
・主要栄養素はタンパク質とビタミンD、カルシウム。
・代替タンパク質として、肉類、鶏卵、大豆など。
・ビタミンDはキノコ類に多く含まれている(干しシイタケがお勧め)。鶏卵、乳製品にも含まれている。牛乳アレルギー用ミルクも可。
・大豆製品、野菜、果物はビタミンD含有量がゼロ。

■ 牛乳アレルギー
・主要栄養素はタンパク質とカルシウム。
・カルシウム補充用代替食品として、小魚、海藻類、青菜など。牛乳アレルギー用ミルクも可。乳児期以降ではカルシウムを強化した豆乳やウインナーなども利用可能。

★ 牛乳アレルギー用ミルクの問題点
・特有なアミノ酸臭があり、味覚が発達してから試みてもうまく行かないことがある。離乳食に使う場合は生後5-6ヶ月頃からはじめると継続しやすい。さらに、牛乳アレルギー用ミルクは加熱することで苦味が増すため、煮込まないようにする、火を止めてから加えるなどの工夫が必要である。
牛乳アレルギー用ミルク単独の長期使用によるビオチンやカルニチン欠乏日本小児アレルギー学会から注意喚起されている。ビオチン欠乏症状:皮膚炎/脱毛、体重増加不良。カルニチン欠乏症状:低血糖、嘔吐、肝機能異常。ビオチンを含む食材:レバーや卵黄に多い、他に米や一部の肉、緑黄色野菜。カルニチンを含む食材:ヤギ肉やヒツジ肉に多い、ほかに牛肉や牛乳、マグロやサケ、ブロッコリーやトマトなど。

<参考>
・「牛乳アレルゲン除去腸性粉乳によるビオチン欠乏症例の経験」(小児保健研究、2014)
・「特殊ミルク・経腸栄養剤使用時のビタミン・微量元素欠乏」(ラジオNIKKEI、2013)

■ 小麦アレルギー
・主要栄養素は炭水化物。
・代替食品はコメ。
・パン粉はパン用米粉、うどんやスパゲティはビーフンやフォー(ベトナム料理で使用される平打ちの米麺、煮ると柔らかくなるため離乳食としても利用しやすい)、雑穀麺で代替可能。
※ パン用の米粉には、食感をよくするために小麦タンパクのグルテンが添加されているものが多いため要注意。
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伊藤浩明先生の講演を聴いてきました。

2017年06月23日 07時58分32秒 | 食物アレルギー
 昨日6/22夜、前橋にて。
 テーマは「食物アレルギー診療ガイドライン2016」の解説と、先日発表されて話題になっている「卵アレルギー予防に関する日本小児アレルギー学会からの提言」の説明でした。

 ひと昔前までは、食物アレルギーの治療方針は「除去」と「症状出現寺の対症療法」という消極的なものしかありませんでしたが、経口免疫療法の登場でガラッと変わりました。
 「食べない」方針から「食べて治す」方針へ180°転換したのです。

 しかし、アレルゲンを食べれば症状が出るのは当たり前、重症者にとっては命取りになる事がありますので、あくまでも専門医師の管理下に行うことが原則です。
 ただし、軽症者(食べても一部の皮膚症状だけ)は外来での負荷試験、さらに軽症者は自宅での食事指導でもOK。
 伊藤先生は、この食事指導法を詳しく解説してくれて、「小児科開業医でどこまでできるか」を模索している私にとってタイムリーな内容でした。

 一番印象に残った言葉;
「軽症で少し(アレルゲン2g相当)食べても無症状の患者さんには、自宅で同じ量を5〜10回食べていただき、大丈夫なら、負荷量を10〜20%増量してもらう、これを粘り強く反復して食べられる量をゆっくり増やしていく」

 それから、アレルゲン量の推定は、牛乳と小麦は含まれるタンパク量で単純に計算できるけど、卵は加熱方法・調理法で変化するので混乱していると指摘されました。
 確かにその通りで、アレルゲン性が低下するのは喜ばしいのですが、食事指導が複雑になってしまいます。
 そして調理法によりアレルゲン量が変化すると最初に指摘したのは伊藤節子先生です。
 
 この点に関して、伊藤(浩明)先生は鋭いことを指摘しました。
 伊藤節子先生が使用したのは微量検出用の検査方法であり、濃度の高いものを測定する際には誤差が大きくなり適さない、また、少なくなったアレルゲン量は加熱により不溶化して沈殿しているだけであり、水溶液のみを検体とする測定系には反映されないので、伊藤節子先生のデータには疑問が残る。
 なるほど。

 次に卵アレルギー予防の提言に関して。

 これはあくまでも医師向けの提言であり、マスコミが一般向けとして扱っている現状に違和感がある。
 予防対象も「アトピー性皮膚炎乳児」のみであり、健康乳児は対象に入っていない。

 とのこと。

 以上とは別に、ふだんから疑問に思っていることを、群馬大学小児科教授の荒川浩一先生に聞いてきました。

Q.1)食物アレルギー患者がアレルゲンを食べたときに、皮膚症状の他に「喉の違和感」を訴えることがあるが、この症状の取り扱いは「皮膚粘膜症状」「消化器症状」「呼吸器症状」のどれが適切か?

A.1)基本的にケースバイケースであるが、私は「皮膚粘膜症状」に含めることが多い。

Q.2)アレルゲン除去の解除過程で、食べても無症状だが触ると症状が出る「接触じんま疹」を時々観察するが、これは除去解除の障害となるか?

A.2)障害と考えない。

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ピーナッツアレルギーでも他のナッツ類は食べられる?

2017年04月10日 13時01分08秒 | 食物アレルギー
 久しぶりのワクチンネタを離れて、アレルギー関連のニュース紹介です(^^;)。
 「ピーナッツは植物学的分類では豆でありナッツではない」という知識はアレルギー専門医の中では有名ですが、一般の方々は混同しがちです。
 ただし、私が調べた範囲では次のような事実もあります;

・ピーナッツアレルギーの人が他の「ナッツ類」に反応する確率は20〜40%と多く、しかし分類上近縁の大豆などの「豆類」に反応するのは1%のみで、誘発される症状も軽いと報告されています。
・実際にピーナッツで症状が出る子どもでも、他のナッツ類でも症状が出るとは限りません。ナッツの種類ごとに一つ一つ検査、あるいは経口負荷試験をして食べられるかどうかを確認する必要があります。

■ ピーナッツアレルギーでも他のナッツ類は食べられる?
2017/04/10:HealthDay News、ケアネット
 1種類のナッツ類にアレルギーをもつ人でも、必ずしも他のナッツ類を除去すべきとは限らないことが、新たな研究で判明した。1種類のナッツ類にアレルギーをもつ人の半数以上は、他のナッツ類にアレルギー反応を示さなかったという。
 今回検討されたのは、アーモンド、ブラジルナッツ、ピスタチオ、カシューナッツ、クルミ、ヘーゼルナッツ。興味深い点として、ピーナッツアレルギーの人では、これらのナッツ類にアレルギーのある人はほとんどいないことも判明した。ピーナッツは実はマメ科で、ナッツ類(tree nuts)ではない
 研究筆頭著者である米フェニックスのアレルギー専門医Christopher Couch氏は、「一度も食べたことのない食べ物の場合はとくに、皮膚プリック検査や血液検査が陽性になっただけではアレルギーとは断言できない」と説明する。その代わりに、疑わしい食べ物を数時間かけて徐々に量を増やしながら摂取し、専門医がアレルギー反応を評価する食物経口負荷試験を受けるべきだとしている。なお、同氏は研究当時、米ミシガン大学医学部フェローであった。
 研究では、1種類のナッツ類にアレルギーをもつ患者100人強の医療記録を検討し、他のナッツ類に対するアレルギー反応を調べた。被験者は皮膚プリック検査または血液検査(特異的IgE検査)および食物経口負荷試験を受けた。
 その結果、皮膚プリック検査または血液検査では他のナッツ類に感作性を示したにもかかわらず、食物経口負荷試験ではアレルギー反応が認められなかった被験者の割合は、それぞれの検査で半数以上に上っていた。
 Couch氏は、「皮膚プリック検査や血液検査では想定以上に偽陽性が出やすいことが分かった。患者のアレルゲンや除去食の必要性を明らかにしたい場合、食物経口負荷試験が最も客観的な検査である」と話している。この研究結果は、「Annals of Allergy, Asthma and Immunology」オンライン版に3月27日掲載された。

<原著論文>
・Couch C, et al. Ann Allergy Asthma Immunol. 2017 Mar 22.
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「食物アレルギー診療ガイドライン2016」のポイント

2017年01月21日 07時42分33秒 | 食物アレルギー
 食物アレルギーガイドラインが改定されました。
 小児アレルギー疾患の中でも食物アレルギーの分野は日進月歩なので、10年前の常識が今や非常識・・・目が離せません。
 紹介記事「安易な食物除去はNG、湿疹の管理も忘れずに」(日経メディカル:2017.1.17)からポイントを抜粋させていただきます。

 開業医の視点からすると、開業医でも可能な食物負荷試験のルールがようやく設定された、という印象です。
 今までのガイドラインはアナフィラキシーを起こす重症者の死亡事故を防ぐという点が重視されたため、病院レベルでしか実施できない食物負荷試験方法のみ記載されてきましたので。

 思い起こせば、喘息のガイドラインも当初は理念が先走って実際の診療と解離した内容でしたが、改定を重ねてようやく臨床現場に沿ったものになってきた経緯があり、似てますね(^^;)。

 問題として残るのは、食物アレルギーの原因食物を食べられるようになった状態には「耐性獲得」と「脱感作」の2種類が存在することの理解・指導の徹底化です。
 「耐性獲得」とは、「治った」状態。
 「脱感作」とは、負荷試験で義務的に食べて続けていると症状が出なくなるけど、食べるのをやめてしばらくするとまた症状が出る状態。
 患者さんや、非専門医にはわかりにくい病態です。
 これをどう区別して管理・指導していくのか・・・。
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NIH(アメリカ国立衛生研究所)がピーナツアレルギー予防に指針、なんと「食べさせて予防」!

2017年01月15日 08時52分49秒 | 食物アレルギー
 ピーナッツ・アレルギーはアメリカで毎年数十人の死亡者を出す、危険な食物アレルギーです。
 日本で言えばソバアレルギーのイメージが近いですね。

 さて、そのピーナッツ・アレルギー予防にアメリカ政府が指針を出しました。
 なんと従来行われてきた除去と真逆の「乳児早期からの摂取を推奨」というコペルニクス的展開で、さらにすでに湿疹や卵アレルギーのあるハイリスク患者さんも含むという大胆なもの(ただし専門医の管理下でという条件付)。
 これは、卵アレルギー予防に早期摂取が有効、という流れと同じですね。

■ ピーナツアレルギー予防に指針、NIH 〜発症予防に早期からのピーナツ摂取を推奨
2017.01.06:Medical Tribune
 米国立衛生研究所(NIH)は1月5日、小児科医や家庭医などの医療従事者を対象としたピーナツアレルギー予防に関する臨床ガイドライン(GL)をJ Allergy Clin Immunol(2017; 139: 29-44)などに発表した。ピーナツアレルギーの発症を予防するために、高リスク児を含む乳児に対し、早期にピーナツが含まれる食品を与えることを推奨している。同GLは2010年に発行された米国の食物アレルギー診断・管理GLのピーナツアレルギー予防に関する追補版としてまとめられたもの。昨年(2016年)3月に公表された草案(関連記事)に対するパブリックコメントが反映された最終版となる。

◇ 「重度の湿疹+卵アレルギー」の高リスク児にも検査の上で摂取を推奨
 同GLは、2015年2月に報告されたLEAP試験(関連記事)の結果を受けて策定された。生後4~11カ月の高リスク乳児約600例を対象とした同試験では、ピーナツの早期摂取によって5歳までにピーナツアレルギーを発症するリスクが81%減少することが示された。
 GLでは、ピーナツアレルギーを発症するリスクの高さを、
① 重度の湿疹、卵アレルギーのいずれか、または両方がある乳幼児
② 軽度~中等度の湿疹がある乳幼児
③ 湿疹または食物アレルギーのない乳幼児
―の3段階に分類。
最もリスクが高い①に対しても、特異的血中IgE検査(sIgE)および/または皮膚プリックテストを実施し、必要に応じて食物経口負荷試験を実施した上で、生後4~6カ月にピーナツが含まれる食品を与えることを推奨している。また、②に対しては生後6カ月前後に、③に対しては各家庭の希望や文化、習慣に応じて適切な時期に、ピーナツが含まれる食品を与えることが推奨されている。
 なお、草案では①の高リスク児に対する検査アルゴリズムにおいて、皮膚プリックテストで膨疹の直径が大きくピーナツアレルギーの可能性が高い乳児には「ピーナツの摂取を回避すべき」とされていたが、最終版のアルゴリズムでは「専門医による評価と管理を継続すべき」と変更されるなど、推奨内容の一部が変更されている。
 米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)アレルギー・免疫・移植部門のDaniel Rotrosen氏は「LEAP試験によって明らかにされた(ピーナツの早期摂取による)ベネフィットは極めて大きく、科学的な信頼性も高かったことから、ピーナツアレルギー予防に関する指針を策定することで同試験から得られた知見を活かす必要性に迫られた」と、今回のGL策定の背景について説明している。
 同GLの草案は昨年3月に公表され、その後45日間に104件のパブリックコメントが寄せられたという。今回発表された最終版にはその一部が反映されたとしている。

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「卵アレルギーを予防するために卵を食べさせる」時代が到来。

2016年12月10日 07時30分43秒 | 食物アレルギー
 食物アレルギーの治療の進化から目が離せません。
 10年前までの治療方針は、

食べさせないで予防し、発症したら治るまで食べさせない

 でした。
 しかし2008年、イギリスの研究者から「二重抗原曝露仮説」(アレルゲンが皮膚から入ると感作されるが、口から入ると免疫寛容を誘導する)が発表され、エビデンスが集積してから方針が180度転換しました;

発症して治らない例は、食べさせて治す

 と、まず発症例の「治療」に応用され、成果を上げつつあります。
 しかし、症状が出る例が多く重症なアナフィラキシーも想定されるので、まだ一般的な治療として認められていません。
 もちろん患者さんが自己判断で自宅で試すのはたいへん危険ですのでやめてください。

 そしてその試みは「予防」領域にも導入されつつあります。

アレルゲンを食べさせてアレルギー発症を予防する

 紹介する記事は国立成育医療センターからの報告です;

■ <卵アレルギー>逆転の発想? 乳児期に食べて発症予防
毎日新聞 2016/12/9
◇ごく少量のゆで卵継続、発症を8割減
 乳児期にごく少量のゆで卵を食べ続けることによって、1歳時点での卵アレルギーの発症を8割減らせたとの結果を、国立成育医療研究センターアレルギー科の大矢幸弘医長らのグループが9日の英医学誌ランセットに発表した。
 卵アレルギーは、子どもの食物アレルギーの中で最も多い。
 グループは、生後4カ月までにアトピー性皮膚炎を発症し、食物アレルギーになる可能性が高い乳児121人を対象に、卵を食べる影響を調べた。60人は生後6カ月から固ゆで卵の粉末50ミリグラム(ゆで卵0.2グラムに相当)を毎日食べ、9カ月からは250ミリグラムに増やして1歳まで食べた。残りの61人は、生後6カ月から卵の入っていないカボチャ粉末を食べた。
 その結果、1歳の時点で、卵の粉末を食べていない子どものうち23人(38%)が卵アレルギーを発症したが、食べた子どもで発症したのは5人(8%)にとどまり、発症率を8割減らすことができた。少量を食べ続けることで体が慣れ、多く食べられるようになったとみられる。アトピー性皮膚炎のない乳児に同様の効果があるかは分からないという。
 英国でも昨年、同様の研究結果が出ているが、開始直後からアレルギーが出て続けられない子どももいた。今回の結果で、より少量から始めることで、安全に食べ続けられることが分かったという。
 大矢医長は「すでに卵アレルギーを発症している場合はまねをしないでほしい。卵を十分加熱していない場合もアレルギーを起こしやすいため危険があり、必ず専門医に相談してほしい」と話す。


 多くの文献を集めて解析した論文も「生後4か月から6か月という早い時期から卵を食べさせることが、卵アレルギーの減少と関連する」と結論づけています;

■ 卵とピーナッツは早めに食べさせるとアレルギーになりにくい 〜文献の調査から
(2016年10月24日 JAMA)
 卵やピーナッツはアレルギーを起こしやすい食品です。赤ちゃんに食べさせるのは心配になりますが、積極的に食べさせるとむしろアレルギーを防げるのではないかという説もあります。これまでに報告されている研究結果がまとめられました。

◇ 卵とピーナッツを早くから食べさせることでアレルギーを予防する効果の研究
 ここで紹介する研究は、文献を集める方法で、乳児にアレルギーを起こしやすい食品を食べさせる時期とアレルギーの関係を調べています。
 これまでに赤ちゃんに実際に食べさせて効果を見た研究と、家庭に任せて統計的に調べた研究の報告を集めました。

◇ 卵とピーナッツは0歳児に食べさせるとアレルギーが減っていた
 見つかった研究報告を統合し、次の結果が得られました。

生後4か月から6か月という早い時期から卵を食べさせることが、卵アレルギーの減少と関連する(リスク比0.56、95%信頼区間0.36-0.87、I2=36%、P=0.009)という、中等度の確かさの証拠が5件の試験(参加者1,915人)から得られた。
・生後4か月から11か月の早い時期にピーナッツを食べさせることがピーナッツアレルギーの減少に関連する(リスク比0.29、95%信頼区間0.11-0.74、I2=66%、P=0.009)という中等度の確かさの証拠が2件の試験(1,550人の参加者)から得られた。

 卵を生後4か月から6か月の間にはじめて食べさせた子どもで、卵アレルギーが少なくなっていると見られました。
 ピーナッツを生後4か月から11か月の間にはじめて食べさせた子どもで、ピーナッツアレルギーが少なくなっていると見られました。

◇ アレルギーにどう備える?
 アレルギーをただ怖がるよりも、卵とピーナッツは早めに試してみてもいいのかもしれません。
 ただし、予防効果があるかどうかにかかわらず、卵とピーナッツはもともとアレルギーを起こしやすい食べ物です。はじめて食べさせるときは体の様子をよく観察する、もし何かあればすぐ小児科に行けるようにしておく、蕁麻疹(じんましん)などアレルギーの症状が現れたら急いで相談に行くなどの対処は必要です。特に、ピーナッツはのどに詰まりやすいので、3歳ぐらいまではナッツの形のまま与えるのはおすすめできません。
 アレルギーのリスクとうまく付き合いながら、子どもが食べるものを豊かにしてあげてください。


◆参照文献
Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA. 2016 Sep 20.
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「第33回日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会」見聞記。

2016年07月18日 07時50分10秒 | 食物アレルギー
2016.7.16/17に仙台市で開催された学会へ参加してきましたので体験記を少々。

この学会は「小児アレルギーエデュケーター(PAE)制度」の母体であり、小児科医だけでなくメディカルスタッフ(看護師/薬剤師/管理栄養士など)の参加も多いことが特徴です。

会場では群馬大学小児科アレルギーグループの先輩後輩にお会いし、大学時代の同級生と旧交を温め、電子カルテで知り合ったDr.とも再会しました。
みんな勉強熱心で偉いなあ。
今年PAEの資格を取得した当院スタッフも、若い友人が何人もできてうれしそうです(^^)。

PAEを取り巻く問題点も耳にしました。
PAEは合格率30%とハードルの高い資格であり、取得後も研修などでお金がかかりますが、診療報酬にまったく反映されません。
当院ではアトピー性皮膚炎のスキンケア指導/チェックにひとり1回数十分かけています。
が、報酬は風邪と同じなので赤字になります(T_T)。

医師と異なり看護師さんは専門性が低いのでいろいろな科を経験します。
大病院ではPAEの資格をせっかく取得したのに他の病棟に移動させられてしまうという事例があります。
ある病院では脳神経外科にPAEが2人いるけど、小児科にはいないという困った現象も。
それから医師も人事異動がありますので、PAEを目指して勉強していたメディカルスタッフが突然指導医を失い、資格取得を断念せざるを得ないという事例もありました。

ハードルの高い資格であればあるほど、それを守る環境整備の必要性も感じました。

前置きはこのくらいにして、学会内容について。

<7/16(土)>
■ シンポジウム1「災害時のアレルギー患者への支援活動を考える〜東日本大震災と熊本地震での経験から」
 非常に興味深い内容でした。
 まず災害時の超急性期に問題になるのは食物アレルギー。食べられるものが手に入らず、避難所で「○○は食べられません」と言うと「こんな非常時に何を言ってるんだ」「わがまま」と認識される傾向があり、つらい思いをして自宅にとどまるか車中泊を選択する傾向あり。
 医療者側も、患者さんがどこにいるのか把握ができないという大きなハードルに支援が阻まれます。
 連絡網がないのです。
 支援物質があっても配れないというジレンマ。

 東日本大震災の時は、避難所を個別訪問するしかありませんでした。
 熊本地震では、津波がなかったので道路が生きており、拠点病院に支援物質を集積し、それをメディアで広報して取りに来てもらう体制を取りました。
 
 災害時に活躍したのは「患者の会」でした。横のつながりを利用してどこにいるのか把握しピンポイントで支援物質を配達することができました。
 行政や医療者もアレルギー専門ではないので、超急性期は「救命」にエネルギーを集中せざるを得ません。やはり当事者間が自分を守る術をふだんから用意しておくことの重要性が再認識されました。
 ふだん特定の食物を除去している場合でも「重症度がどの程度か」知っておくことも大切です。「食べたことがないけど検査で陽性だから除去している」のと「負荷試験をしてこれくらいの量でこの程度の症状が出ることがわかっている」のでは、災害時極限状況に置かれた際、雲泥の差があります。

 講演を聴いていて「患者さんをあらかじめ登録して災害時に生かせないものだろうか?」とずっと考えていました。
 すると、次の午後のシンポジウム2にそのヒントがありました。

■ シンポジウム2「教育機関におけるアナフィラキシー対応を考える」
 この十数年の間に食物アレルギーの医学は日進月歩ですが、行政が追いついてこない。
 とくに学校関係の文部科学省の腰が重いことを各講演から感じました。
 ガイドラインを作成しても普及しないことが関連学会の悩みでもあります。

 その要因は、現場の医師にも責任の一端が。
 「アレルギー科」を標榜している開業医院のうち、アレルギー専門医(アレルギー学会に所属し試験を受けて合格した医師)は3割にとどまるのです。ほかは・・・経営・集客目的で標榜されている傾向がなきにしもあらず。
 一応専門医の私でも、毎回学会に参加し、関連書籍を読む努力を怠ると知識・常識が遅れてしまうことを実感しています。数年前に秋のアレルギー学会は「アレルギー講習会」と名前を変え、トレーニングに特化したほどです。
 でも、アレルギー学会の会員でもなく、研修も受けず、資格もない医師が「アレルギー科」を標榜しているのです。その診療内容に歴然の差はあって当然でしょう。

 複数の演者が「アレルギー疾患生活管理指導表」を取り上げ、問題点を指摘したことが印象に残りました。
 この書類は、患者を把握し誤食事故を起こさないことが第一の目的ですが、除去食の必要性を検証する目的もあります。
□ 【入園・入学前に知っておきたい! 子どものアレルギー対策(4)】園や学校との情報共有には「生活管理指導表」を活用(2015.3.10:日本経済新聞

 食物アレルギーは実際に食べて症状が出る食物を除去するのが基本です。
 しかし中には、検査で陽性だからずっと除去を指導する医師はまだいますし、兄弟が食物アレルギーだからこの子も何となく除去しているというお母さんもいるのが現状です。
 それらについて「本当に除去が必要なのか?」とふるいにかけるのです。

 講演を聴いていて、ふと頭に浮かびました。
 「この管理指導表を災害時に使うことはできないだろうか?」 
 と。

 管理指導表には、食べられない食材と連絡先が記されており、この情報を一元管理すれば、災害時に効率的にアレルギー対応食品を配布できるのではないか。
 書類の最後に「この指導表を災害時の基礎資料として活用することに同意します」という一分をもうけてサインしていただく。
 そうすれば、医療者側も、患者側もメリットだらけ。

 ・・・というアイディアを、相模原の海老澤先生にお話ししておきました。

■ シンポジウム4「アレルギー発症予防への挑戦」
 書き切れないほどのたくさんの情報があり消化不良状態です。
 中でも印象に残ったのは「感染症と喘息」というテーマ。

 RSウイルス感染症に罹り喘鳴(ゼーゼー)+呼吸困難で入院した患者さんが、その後喘息を発症する傾向があることは周知の事実です。
 しかし、アレルギー体質だからRSウイルス感染症が重症化したのか、RSウイルス感染症に罹ったから喘息になりやすいのか、以前から“卵と鶏論争”が続いてきました。
 最新の報告では「ウイルスの種類に関係なく、ウイルス感染の回数が喘息発症と相関する」とのこと。
 RSウイルスに限らず他のウイルスも含めて、風邪を引いてゼーゼーを繰り返すことが喘息発症を近づけるというのです!
 それから、ライノウイルスは秋に喘息発作を誘発することで有名ですが、これは気道上皮細胞がインターフェロンを産生できずに(健常者は産生できる)、気道上皮が壊死に陥り剥がれてしまうためであると説明されました。
 つまり、気道上皮細胞のインターフェロン産生能力が低下している人ほど喘息になりやすいということ。

 それから、「ダニ対策を喘息発症前に行っても予防にならない」という報告にはショックを受けました。
 アレルギー検査をしてダニ特異的IgE抗体陽性者にはダニ・ほこり対策を指導してきたのにそれが否定されてしまうなんて・・・。

■ イブニングシンポジウム1「より良いアトピー性皮膚炎診療を目指して〜TARCの有用性〜」
 「アトピー性皮膚炎と間違えやすい皮膚病」の講演者に「これらの皮膚病にステロイド外用薬を塗ると効くのですか?」と質問したところ「赤みは減るけどアトピー性皮膚炎ほど手応えはないでしょう」とのお答え。「ではステロイド外用薬の反応が乏しい湿疹では皮膚科専門医に紹介・誘導した方がいいのですね」と追加質問すると「その通り、よろしくお願いします。」とのお答えでした。
 ほかはちょっとゆるい講演でした(^^;)。


<7/17(日)>
■ 一般演題「気管支喘息(吸入指導)」
 門前薬局のPAE有資格者の薬剤師さんの発表が印象的でした。
 当院では看護師が指導している内容を、そのまま院外薬剤師が担当していることに驚きました。
 そういう展開もあったか!?
 たしかに、医院ではいくら指導しても収入に反映されませんが、薬剤師はもともと「薬剤指導料」という項目でお金を徴収している事実を思い出し、本来は薬剤師が説明することなんだ、と改めて認識した次第です。
 でも現実は・・・指導できる能力・時間がある薬局は多くないと思われ、演者もそれを認識しており「これから広めていきたい」旨を質疑応答でコメントしていました。

■ 教育講演3「よくわかる小児への免疫療法〜皮下と舌下免疫療法を中心に〜」
 免疫療法を俯瞰し、どうあるべきかを解説した学会ご意見番のお話にただただ頷くばかり。
 いろいろ質問したいことがあったけど、時間切れで次の会場に向かわざるを得なかったことが残念です。

■ 教育セミナー4「臨床現場でのスキンケア指導〜患者さんとのコミュニケーション〜」
 講演者のキャラが興味深い(^^;)。
 すました顔してキツいことをさらっと言うタイプで、一見おとなしそうですが肝の据わった女医さんでした。
 重症アトピー性皮膚炎は親が元気なうちは何とかよくしようとドクターショッピングして治療に積極的ですが、親が年老いて行動が制限されるようになると、患者自身は「引きこもり」状態に陥りやすいという厳しい現状を話されました。
 たいていそのような患者・家族は「医療不信」「ステロイド忌避症」状態となり、民間療法に手を出すももっとひどくなって人生をあきらめてしまうという悪循環に陥りがち。 
 そういう患者さんを診療している医師からの言葉には重みがありました。


 私にしては珍しく、缶詰状態でアレルギーの勉強をした2日間でした。
 充実感とともに帰路についた矢先、トラブルに遭遇。
 東北自動車道に乗り福島県を抜けるところで車が故障し、JAFのお世話になるとは・・・いろんな意味で忘れられない学会出張となりました(^^;)。
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食物アレルギーとアトピー性皮膚炎、どっちが先?

2016年03月15日 06時17分12秒 | 食物アレルギー
 食物アレルギーとアトピー性皮膚炎はどちらが先に発症するのかという議論が盛んです。
 従来は胎盤・母乳による食物感作後にアトピー性皮膚炎が発症するとされてきましたが、近年、「経皮感作」という概念が注目され、いや、アトピー性皮膚炎が先なのではないか、と言われるようになりました。
 その関連論文です;

■ アトピーが食物アレルギーの要因にも?
ケアネット:2016/03/15
 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。著者は、「重症度および慢性度が高いアトピー性皮膚炎は、とくに食物アレルギーと関連しており、アトピー性皮膚炎が食物感作および食物アレルギーの発現に先行するエビデンスもある」と述べている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年2月18日号の掲載報告。
 研究グループは、アトピー性皮膚炎の重症度・慢性度・発症年齢に対する食物アレルギーの影響、および両者の時間的関係について調べる検討を行った。MEDLINEおよびEmbaseを用い、2014年11月までに発表されたアトピー性皮膚炎と食物アレルギーに関する研究論文を検索し、調査した。
 主な結果は以下のとおり。

・66件の研究をレビューに組み込んだ。
・住民ベース研究が18件、高リスクコホートが用いられた研究は8件で、残りはアトピー性皮膚炎または食物アレルギーと診断された患者を対象としていた。
・住民ベース研究の分析の結果、生後3ヵ月時の食物感作の可能性が、健常児に比べアトピー性皮膚炎患児で6倍高かった(オッズ比:6.18、95%信頼区間:2.94~12.98、p<0.001)。
・また、他の住民ベース研究を分析した結果、アトピー性皮膚炎を有する参加者の53%が食物に感作しており、最大で15%が負荷試験において食物アレルギーの徴候を示したことが報告されていた。
・アトピー性皮膚炎確定患者を対象とした研究の分析では、食物感作の割合は66%に達し、負荷試験で食物アレルギーを呈した患者の割合は81%にものぼった。
・16件の研究が、食物アレルギーは重症アトピー性皮膚炎と関連していることを示唆した。
・6件の研究は、早期発症または持続性のアトピー性皮膚炎が、とくに食物アレルギーと関連していることを示した。
・1件の研究は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした。

<原著論文>
Tsakok T, et al. J Allergy Clin Immunol. 2016 Feb 18.


 最後の一文、「アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした」の論文を読んでみたい・・・。
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第16回食物アレルギー研究会へ参加してきました。

2016年02月15日 05時52分08秒 | 食物アレルギー
2016.2.14に昭和大学上條講堂で開催された件名の研究会に参加し、まる1日、食物アレルギーにどっぷりつかってきました。

今回は「学校給食におけるアレルギー対応の現状と課題」がメインテーマ。
上記について、医師・学校・教育委員会・文部科学省の各立場から講演がありました。

食物アレルギーの診断をするのは医師ですが、それを患者である子どもの日常生活にどう反映させるか・・・QOLを落とさず、かつ安全を確保する方法がいかに難しく、現在も手探り状態であることを浮き彫りにしたシンポジウムでした。

例えば、重症食物アレルギー児が入学し、彼は給食時間は他の生徒から離され、先生の隣で食べます。誤食事故を防ぐためです。
しかし、安全を期するあまり、学校はボランティアを雇用して彼が誤食しないように見張り、給食時間以外でも彼の机を離しはじめました。
彼はみんなでわいわい楽しいはずの給食時間も、ふだんの学校生活も失ってしまったのです。
確かに以前より安全は確保されたものの、学校生活のQOLは下がりました。

こんな感じです。

一般演題を挟んで、午後は現在改訂中の食物アレルギーガイドラインの中間報告。
診断に関しては、プロバビリティ・カーブの多様性やアレルゲン・コンポーネントによる進歩が紹介されました。
治療に関しては、経口免疫療法の位置づけについては「臨床研究」にとどめ、「一般的な治療」と認められないことが再確認されました。
一時期ブームとなった「食べさせて治す」という方法が、その危険性により時期尚早として沈静化した感があります。

ただ、経口免疫療法~経口負荷試験の間にグレーゾーンがあることを、私を含めて疑問に思っている医師が多いことも無視できません。

経口負荷試験は、毎日食べさせて脱感作状態を作り、それを維持することで治癒を期待する方法。
一方、経口負荷試験は本来は「食べて症状が出るか出ないかの確認」という検査目的ですが、それを定期的に行うことにより、経口負荷試験の緩徐法に近づいてくるのです。
それがどこまで検査で、どこから治療なのか・・・今のところ誰にもわかりません。
今後の臨床研究の大きな課題です。

上記研究会とは別に、前日の2/13に「第54回台東区小児科医会」にも参加しました。
テーマは「食物アレルギー~クリニック外来での食物負荷試験と最近のトピックス」(福岡圭介先生)です。
臨床現場で食物負荷試験を実践されている講師の豊富なノウハウを伝授していただきました。
各食品交換表の使い方や、食品中のアレルゲン量の複雑さに舌を巻きました。

講師に「先生の行われている経口負荷試験は検査ですか、それとも治療の要素を含んでいますか?」と質問したところ、「治療のつもりでやっています。急速減感作ではなく緩徐法に近いという意味で」との返答でした。

この辺がもう少し整理されると、小児科開業医でも経口負荷試験がより安全にできるようになると思います。
それにしても、食物アレルギーの知見は広く深い・・・アレルギー専門医でも日々の研修とアップデートが欠かせない分野です。


<参考HP>
・「食物アレルギー診療の手引き2014」(厚生労働科学研究班)
・「ぜんそく予防のためのよくわかる食物アレルギーの知識&食物アレルギーを正しく知ろう」(2010年、環境再生保全機構)
・「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(H20年、文部科学省)
・「学校給食における食物アレルギー対応について」(文部科学省)
・「学校における食物アレルギー対応指針」(H27年、文部科学省)
・「学校給食における食物アレルギー対応の手引き」(H22年度版、愛知県)
 → 2/16に「学校における食物アレルギー対応の手引き」と名前を変えてアップされる予定
・「学校給食会」(各県に設置)
・「よこはま学校食育財団」・・・ネット上で献立の食品の原材料がわかります。
・「栃木市教育委員会の取り組み
 → 有事の際に利用する「アクションカード」の提案と実践
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