こんな記事が目に止まりました。
成人アトピー性皮膚炎患者の約8割が12歳以降の発症とのこと。
乳児期に発症して成人後に持ち越す例は少ないのですね。
日本ではどうでしょうか。
私が小児科医になった四半世紀前は、この記事同様「アトピー性皮膚炎は子どもの病気で、成長に伴い自然に治る」と考えられていました。その頃を思い出します。
その後成人期に持ち越す例が多いことが認識されるようになり、ステロイドバッシングやアトピービジネスなど紆余曲折を経て、現在に至ります。
■ 中国の若者におけるアトピー性皮膚炎の特徴
(ケアネット:2016/04/12)
北京大学人民医院のPing Liu氏らは、中国青少年/成人の慢性対称性湿疹/アトピー性皮膚炎(AD)の臨床的特徴を調べ、中国版青少年/成人AD診断基準を作成する検討を行った。小児ADの臨床的特徴については広く研究されているが、青少年/成人ADについては大規模な検討がなかったという。42施設から2,662例のデータが集まり分析を行った結果、患者の77.5%が発症は12歳以降と遅発性で、ADの発現形態は不均一であったことなどを報告した。Chinese Medical Journal誌2016年4月5日号の掲載報告。
検討は、病院ベースで行われ、42の皮膚科センターが参加。慢性対称性湿疹またはADを有する成人および青少年(12歳以上)患者を包含した。2013年9月~14年9月に、記入式調査票を用いて患者および研究者両者に対する調査を行った。
有効回答データを、EpiData 3.1、SPSS 17.0ソフトウェアを用いて分析した。主な結果は以下のとおり。
・2,662例の有効回答が得られた(男性1,369例、女性1,293例)。平均年齢40.6±18.9歳(範囲:12.1~93.0歳)で88.0%が18歳以上、84.1%が都市部住民であった。
・2,662例のうち、2,062例(77.5%)が12歳以降の発症であった。12歳以前の発症は600例(22.5%)のみで、湿疹/ADが一般に遅発性であることが判明した。
・2,139例(80.4%)は、6ヵ月以上の間、症状を有していた。
・1,144例(43.0%)は、アトピー性疾患の個人歴または家族歴があった。
・1,548例(58.2%)で、総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性が認められた。
・これらの結果をベースに、マスト事項「6ヵ月以上の対称性湿疹(皮膚炎)」+「ADの個人歴または家族歴あり」および/または「総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性のいずれかあり」とする中国版青少年/成人AD診断基準を作成提案した。
・2,662例を対象に調べた同診断基準の感度は、60.3%であった。一方で、同一対象について、Hanifin Rajka基準の感度は48.2%、Williams基準は32.7%であり、日本皮膚科学会基準(JDA)は79.4%であったが、中国版青少年/成人AD診断基準は簡易で良好な診断基準であることが示唆された。
<原著論文> Liu P, et al. Chin Med J (Engl). 2016;129:757-762.
昨年から当院では乳児期アトピー性皮膚炎の診療に力を入れています。
スキンケアを繰り返し指導することにより、皮膚のバリア機能を回復し、それを維持することにより経皮感作によるアレルギーマーチの進行を防ぐことが目的です。
成人アトピー性皮膚炎患者の約8割が12歳以降の発症とのこと。
乳児期に発症して成人後に持ち越す例は少ないのですね。
日本ではどうでしょうか。
私が小児科医になった四半世紀前は、この記事同様「アトピー性皮膚炎は子どもの病気で、成長に伴い自然に治る」と考えられていました。その頃を思い出します。
その後成人期に持ち越す例が多いことが認識されるようになり、ステロイドバッシングやアトピービジネスなど紆余曲折を経て、現在に至ります。
■ 中国の若者におけるアトピー性皮膚炎の特徴
(ケアネット:2016/04/12)
北京大学人民医院のPing Liu氏らは、中国青少年/成人の慢性対称性湿疹/アトピー性皮膚炎(AD)の臨床的特徴を調べ、中国版青少年/成人AD診断基準を作成する検討を行った。小児ADの臨床的特徴については広く研究されているが、青少年/成人ADについては大規模な検討がなかったという。42施設から2,662例のデータが集まり分析を行った結果、患者の77.5%が発症は12歳以降と遅発性で、ADの発現形態は不均一であったことなどを報告した。Chinese Medical Journal誌2016年4月5日号の掲載報告。
検討は、病院ベースで行われ、42の皮膚科センターが参加。慢性対称性湿疹またはADを有する成人および青少年(12歳以上)患者を包含した。2013年9月~14年9月に、記入式調査票を用いて患者および研究者両者に対する調査を行った。
有効回答データを、EpiData 3.1、SPSS 17.0ソフトウェアを用いて分析した。主な結果は以下のとおり。
・2,662例の有効回答が得られた(男性1,369例、女性1,293例)。平均年齢40.6±18.9歳(範囲:12.1~93.0歳)で88.0%が18歳以上、84.1%が都市部住民であった。
・2,662例のうち、2,062例(77.5%)が12歳以降の発症であった。12歳以前の発症は600例(22.5%)のみで、湿疹/ADが一般に遅発性であることが判明した。
・2,139例(80.4%)は、6ヵ月以上の間、症状を有していた。
・1,144例(43.0%)は、アトピー性疾患の個人歴または家族歴があった。
・1,548例(58.2%)で、総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性が認められた。
・これらの結果をベースに、マスト事項「6ヵ月以上の対称性湿疹(皮膚炎)」+「ADの個人歴または家族歴あり」および/または「総血清IgE値上昇、好酸球増加症、アレルゲン特異的IgE陽性のいずれかあり」とする中国版青少年/成人AD診断基準を作成提案した。
・2,662例を対象に調べた同診断基準の感度は、60.3%であった。一方で、同一対象について、Hanifin Rajka基準の感度は48.2%、Williams基準は32.7%であり、日本皮膚科学会基準(JDA)は79.4%であったが、中国版青少年/成人AD診断基準は簡易で良好な診断基準であることが示唆された。
<原著論文> Liu P, et al. Chin Med J (Engl). 2016;129:757-762.
昨年から当院では乳児期アトピー性皮膚炎の診療に力を入れています。
スキンケアを繰り返し指導することにより、皮膚のバリア機能を回復し、それを維持することにより経皮感作によるアレルギーマーチの進行を防ぐことが目的です。