小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

イギリス 清涼飲料水に「砂糖税」

2016年03月21日 08時31分06秒 | 小児医療
 糖質/炭水化物制限の続きです。
 世界各国で、糖分を多く含む食品に課税をして消費量を抑え、肥満/糖尿病を予防する試みが始まっています。
 確か最初はメキシコだったと記憶しています。
 日本も右へ習えで真似するのかな?

 でも糖質/炭水化物制限の視点から見ると、血糖の元になるのは砂糖だけではなくすべての炭水化物ですから、この措置は氷山の一角しかカバーしないことになりますね。
 子どもが太るのは、甘いお菓子やジュースだけが原因でなく、ご飯/パンの食べ過ぎが原因なんです!
 それに気づくのはいつだろう・・・(^^;)。
 
■ イギリス 清涼飲料水に「砂糖税」…食習慣改善を 業界は反発
毎日新聞2016年3月18日
 英国政府は、清涼飲料水に含まれる砂糖の量に応じて課税する「砂糖税」を2018年4月から導入する。糖分の取り過ぎによる肥満や糖尿病が問題になっていることから、課税によって食習慣の改善を促すのが狙い。飲料メーカーからは反発の声も出ている。
 糖分が100ミリリットルあたり5グラム以上含まれている飲み物が対象で、8グラム以上だとさらに税率が上がる。税率は未公表だが、財務省は18年度の税収を5億2000万ポンド(約860億円)と見込んでおり、英メディアは「一般的な330ミリリットル缶で6~8ペンス(10~13円)程度」と予測している。税収は、小学校でのスポーツ教育の拡充などに充てるという。
 課税の発表を受け、英国内の飲料メーカーの株に売り注文が集中し、株価は一時、大幅に下落した。業界からは「他に砂糖を含む食品があるのに清涼飲料を狙い撃ちするのは不条理だ」(英ソフトドリンク協会)と強い反発も出ている。
 砂糖入り清涼飲料水への課税を巡っては、世界保健機関(WHO)が今年1月に課税を推奨する報告書を発表。米国の一部の州やフランス、メキシコなどが既に導入している。英メディアによると、14年に10%の税率を課したメキシコでは砂糖入り飲料の売り上げが12%減少したという。

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糖質制限食と糖尿病リスク(2015年、日本発の報告)

2016年03月21日 06時32分10秒 | 医療問題
 徐々に市民権を得つつある糖質(炭水化物)制限。
 ふとしたきっかけから、私は昨年秋に“糖質制限”をはじめました。
 糖質制限とは、砂糖などの糖類のみならず、分解すると糖になる炭水化物全体を制限する食事を指します。
 つまり、コメ、コムギ、イモ類なども除去するので「主食ナシ」の食生活になります。
 当初は何となく物足りない感がありましたが、最近慣れてきました。

 まず栄養学のまめ知識から。
 骨や肉を作るのはタンパク質と脂肪であり、炭水化物はエネルギーを作りますが、体を作ることはできません。
 そして、糖尿病で問題になる血糖値を上げるのは糖質/炭水化物だけなんです。
 それが長期にわたるとインスリンが枯渇して糖尿病のリスクになります。
 これが日本人に2型糖尿病が多い理由です。
 また、過剰の炭水化物は脂肪として蓄積され、肥満のリスクになります。
 このことを知ったとき、衝撃を受けました。
 だって、肥満の原因になる脂肪は、脂質ではなく炭水化物が原因、ということですよ!
 実際に、肥満もニキビも糖質/炭水化物を制限すると改善します。

 「主食ナシなんて、そんな不健康な・・・」という声が聞こえてきそうですが、要は弥生時代以前の食生活に戻っただけ。
 ご存じのように稲作以前は狩猟採集時代でした。
 獣の肉と、木の実などを主食とする時代が700万年といわれる人類の歴史のほとんどを占めています。
 農耕が根づいて炭水化物を主食とするようになったのは、直近の1万年だけなんです。

 私は眼の色を変えて完璧を目指して炭水化物を除去しているわけではなく、単に主食としてご飯/パンを食べない食生活にしているレベル。
 昨秋にせっかく高校時代の同級生が作ったコメをいただいたのですが、数回しか食べずに終わってます(^^;)。

 結論からいうと・・・“いい感じ”、です。
 体重はあまり変わらないものの、体力・スタミナの向上を実感。
 歩いていて息が切れるまでの時間が長くなりました。
 まあ、最低限の筋トレも併用していますが。

 それから、空腹感が乏しくなることを経験しています。
 以前は夕方になるとお腹が空いてつまみ食いをしながらしのいだのですが、糖質制限をはじめてから夜7時過ぎまで空腹を感じないまま仕事を続けられるので驚きました。
 これは、血糖値の上下が小さくなるためと説明されています。
 炭水化物は血糖の振れ幅が大きいので、食後に眠くなり(高血糖状態)、食前に空腹感が募り(低血糖状態)ます。

 もう一つ気づいたこと。
 日本のおかずの味付けはとにかく“しょっぱい”。
 これはご飯を食べるために味を濃くする必要があるからでしょう。
 つまり日本人は、コメという炭水化物を主食にしたために糖尿病を増やしただけではなく、塩分摂取も増やして高血圧も増やしたという構図が浮かんできます。
 我が家のおかずは、以前と比べて随分薄味になりました(^^;)。

 学会レベルではまだ賛否両論ですが、日本発の信頼できる報告が出ましたので紹介します;

■ 糖質制限食と糖尿病リスク:日本初の前向き研究
ケアネット:2015/02/27
 低炭水化物食(糖質制限食)のスコアと2型糖尿病リスクとの関連のエビデンスは少なく、一貫していない。また、炭水化物を多量に摂取するアジア人において検討した前向き研究はない。今回、国立がん研究センターによる多目的コホート研究(JPHC研究)で、低炭水化物スコアと2型糖尿病発症リスクとの関連が前向き研究で検討された。その結果、日本人女性における低炭水化物食と2型糖尿病リスク低下との関連が認められ、著者らはこの関連が白米の多量摂取に一部起因する可能性を指摘した。PLoS One誌2015年2月19日号に掲載。
 登録されたのは、JPHC研究の2次調査参加者のうち、糖尿病の既往がない45~75歳の男性2万7,799人と女性3万6,875人。食物摂取量は食物摂取頻度調査票 (FFQ)を用いて確認し、すべての炭水化物、タンパク質、脂質の摂取量から低炭水化物スコアを計算した(スコアが高いほどタンパク質と脂質の摂取量が多く、炭水化物の摂取量が少ないことを示す)。また、高動物性タンパク質/脂質、および高植物性タンパク質/脂質における低炭水化物スコアもそれぞれ計算した。5年間に申告し医師に診断された2型糖尿病のオッズ比を、ロジスティック回帰を用いて推定した。
 主な結果は以下のとおり。

・5年間で1,191人が新たに2型糖尿病を申告した。
・低炭水化物・高総タンパク質/脂質スコアは、女性において2型糖尿病リスクの低下と有意に関連していた(傾向のp<0.001)。
・スコアが最も高い五分位における2型糖尿病の多変量調整オッズ比は、最も低い五分位と比較して0.63(95%CI:0.46~0.84)であった。食事での血糖負荷による追加調整で、関連性は減衰した(オッズ比:0.75、95%CI:0.45~1.25)。
・女性では、低炭水化物・高動物性タンパク質/脂質スコアが高いほど、2型糖尿病リスクは低かった。一方、低炭水化物・高植物性タンパク質/脂質スコアは男女とも関連が認められなかった。

<原著論文>
Nanri A, et al. PLoS One. 2015 Feb 19;10:e0118377.


 うんうん、これで食生活の悩みはほぼ解決、と思いきや、ではタンパク質を取らないベジタリアンの食事はどうなの? という疑問が沸いてきます。
 糖質制限を主張している先生方の意見を聞いてみたいところです。
 ベジタリ藩は虚血性心疾患と癌の発症リスクを減らす(でも死亡リスクはあまり変わらない?)という報告を紹介します;

■ ベジタリアン/ヴィーガンダイエットって実際どうなの?
ケアネット:2016/03/21
 ベジタリアン1)ダイエットは虚血性心疾患とすべてのがんの発症および死亡リスクを、また、ヴィーガン(完全菜食主義)2)ダイエットはすべてのがんの発症リスクを有意に低下させることが、イタリア・フィレンツェ大学のMonica Dinu氏らによるメタ解析で明らかになった。Critical reviews in food science and nutrition誌オンライン版 2016年2月6日号の報告。
 ベジタリアンおよびヴィーガンダイエットの有益な効果は、すでに報告されている。
 本研究では、ベジタリアン/ヴィーガンダイエットと、慢性疾患のリスク因子、すべての原因による死亡、心血管疾患の発症および死亡、すべてのがん・特定のがんの発症および死亡リスク(大腸がん、乳がん、前立腺がん、肺がん)との関連を明確にする目的でメタ解析を行った。
 文献データベースは、MEDLINE、EMBASE、Scopus、The Cochrane Library、Google Scholarを用い、包括的な検索を行った。
 主な結果は以下のとおり。

・横断的研究86件と前向きコホート研究10件を解析対象とした。

<横断的研究の解析結果>
・ベジタリアン/ヴィーガン群は雑食群よりも、BMI・総コレステロール・LDLコレステロール・血糖値が有意に低下した。

<前向きコホート研究の解析結果>
・ベジタリアン群の虚血性心疾患の発症および/または死亡リスク(RR 0.75、95%CI:0.68~0.82)とすべてのがん発症リスク(RR 0.92、95%CI:0.87~0.98)は、雑食群よりも有意に低下したが、心血管疾患・脳血管疾患の発症および死亡リスク、すべての原因による死亡リスク、がんによる死亡リスクに有意な低下はみられなかった。また、特定のがんの発症および死亡リスクとの間には有意な関連は認められなかった。
・ヴィーガンのみを対象とした解析では、研究数が限られているものの、すべてのがんの発症リスクが雑食群よりも有意に低下した(RR 0.85、95%CI:0.75~0.95)。

・以上の結果より、ベジタリアンダイエットは、虚血性心疾患の発症および/または死亡リスクを25%低下、すべてのがん発症リスクを8%低下させ、ヴィーガンダイエットは、すべてのがんの発症リスクを15%低下させることが示された。

1)ベジタリアン:菜食主義者。野菜中心の食生活をする。
2)ヴィーガン:完全菜食主義者。肉、魚、卵、乳製品、ハチミツを一切摂取しない。

<原著論文>
Dinu M, et al. Crit Rev Food Sci Nutr. 2016 Feb 6:0.
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2016年3月までの「ジカ熱」情報

2016年03月20日 07時52分41秒 | 感染症
 情報が飛び交うジカ熱。
 最近の情報を読売新聞の記事を中心にピックアップしました。
 ジカ熱とギラン・バレー症候群、小頭症との因果関係が証明されつつあります。
 まずは基礎知識を;

■ ジカ熱はこんな病気…注意点と予防法
2016年2月26日 読売新聞
Q ジカ熱はどんな病気か?
A ジカウイルスを持ったネッタイシマカやヒトスジシマカに刺されることで感染する。妊婦の胎内での母子感染も確認されている。輸血や性交渉による感染の報告もある。主な症状は軽い発熱や目の充血、発疹。症状がない人も8割いる。今は蚊が活動する時期ではないので、国内で感染がすぐに広がる心配はない。
Q 注意点は?
A 流行中のブラジルでは、生まれつき頭の小さい「小頭症」の子どもが相次いで生まれている。感染者の中には、急激に筋力が低下するギラン・バレー症候群を発症したケースもある。妊婦は感染流行地への渡航を控え、渡航者は蚊に刺されないことが大切だ。蚊が活動を始める5月以降、国内でも広がる危険性がある。雨水がたまりそうな物を撤去するなど、蚊の発生を防ぐ対策が必要だ。


<参考>
ジカウイルス感染症(東京都感染症情報センター)
ジカウイルス感染症とは(国立感染症研究所)
渡航時におけるジカウイルス感染症への注意について(厚生労働省検疫所)
視点・論点「ジカ熱への備え」(NHK:2016.2.12)

ジカ熱と小頭症との関係;

■ ジカ熱の妊婦、3割に胎児異常…米研究者らブラジルで調査
2016年3月7日 読売新聞
 中南米などで流行するジカウイルス感染症(ジカ熱)の妊婦で、約3割に胎児の異常が見られたとの研究成果を4日、ブラジルとアメリカの研究チームが発表した。
 流行が広がるブラジルでは頭が小さい「小頭症」の子供が多く生まれており、ジカ熱との関連が疑われているが、研究チームは「ジカウイルスと妊婦の異常との関連を示す結果」と説明している。
 研究チームは、ブラジルでジカ熱に感染した妊婦42人の超音波検査を行い、約3割にあたる12人で異常が見つかったという。このうち5人の胎児は小頭症を含む発育不全で、脳血流などに異常のあるケースも見つかった。
 異常が見つかった12例で、出産に至ったのは6例。うち2例は死産だった。小頭症が1例、発育不良が2例あった。1例は羊水の異常で帝王切開したが回復して健康だという。


■ ジカ熱、胎児の1割小頭症…妊娠初期感染の場合
2016年3月18日 読売新聞
 中南米を中心に流行しているジカウイルス感染症(ジカ熱)は、妊娠初期に感染すると、少なくとも10人に1人の割合で頭の小さい小頭症の子供が生まれる恐れがあるとの研究結果を、東京大の西浦博准教授の研究チームがまとめた。欧州感染症専門誌に18日発表される。
 研究チームは、小頭症の子供の出産が多数報告されている2015年のブラジル北東部のデータを調べた。発熱や頭痛、関節痛などを訴えて医療機関を受診した人数や感染時に受診する割合から、ジカ熱の感染者数を推計、妊婦や小頭症の子供の人数などからリスクを計算した。
 その結果、妊娠12週までに感染すると、小頭症の子供が生まれるリスクは、ジカ熱に感染した妊婦を多く見積もると14%、少なく見積もると47%だった。
 ジカ熱に感染した妊婦については、ブラジルと米国の研究チームが、約3割に胎児の異常が見られたと報告している。世界保健機関は今月上旬、妊婦はジカ熱の流行地域への渡航を控えるよう勧告した。西浦准教授は「パニックになるような結果ではないが、少なくとも妊娠初期に流行地域に渡航しない判断は妥当だ」と話している。


ジカ熱とギラン・バレー症候群との関係;

■ 手足まひの難病と関連濃厚 ギラン・バレー症候群発症者に抗体
2016.3.5:産経新聞
 ブラジルなど中南米諸国で感染が広がるジカ熱が新生児の小頭症だけでなく、手足のまひなどを伴う難病ギラン・バレー症候群の発症とも関連がある可能性が最新の研究で濃厚になってきた。世界保健機関(WHO)も懸念を強めており、感染国・地域の住民に注意を呼び掛けている。
 フランスのパスツール研究所などのグループが2月29日の英医学誌ランセット電子版に発表した研究結果によると、2013~14年にジカ熱が流行したフランス領ポリネシアでギラン・バレー症候群を発症した42人全員がジカウイルスの感染を示す抗体を持っていた。またギラン・バレー症候群の発症率は10万人当たり1~4人程度なのに対し、仏領ポリネシアでジカ熱が流行した当時は24人程度に急増したという。


WHOの見解;

■ ジカ熱流行地域、妊婦の渡航自粛を勧告…WHO
2016年3月9日 読売新聞
 ブラジルなど中南米を中心に流行しているジカウイルス感染症(ジカ熱)について、世界保健機関(WHO)のマーガレット・チャン事務局長は8日、妊婦は流行地域への渡航を控えるよう勧告する声明を発表した。
 妊婦のジカ熱感染と胎児に小頭症などの症状が表れることの関連性は最終的には確認されていないが、WHOは、感染した妊婦の羊水からウイルスが検出されたことなどを重視。チャン氏は、「ジカウイルスに、脳や神経に影響を及ぼす性質があるのは確かだ」と明言した。
 また、ジカ熱は主に蚊が媒介すると考えられてきたが、声明は「性交渉による感染がこれまで考えられたより多い」と指摘した。
 WHOは2月1日、ジカ熱の感染拡大を受けて「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。

<参考>
ジカ熱発生エリアの女性に体を覆い隠し安全な性行為を行うようWHOが促す(2016-02-10 Reuters Health)
ジカウイルス感染症のファクトシート(2016.3月:WHO)

えっ、性交渉で感染?

■ ジカ熱、性的接触での二次感染疑い例が14件…米国
2016年2月24日 読売新聞
 米疾病対策センター(CDC)は23日、中南米で流行する感染症「ジカ熱」を巡り、米国内で性的接触による感染が疑われる例が新たに14件見つかったと発表した。
 いずれも流行地から帰国した男性が、パートナーの女性にウイルスを感染させたとみられる。見つかった事例の中には、妊婦が感染したケースも数件含まれているという。
 ジカ熱は、感染した妊婦と、頭が小さい「小頭症」の子供との関連が疑われている。CDCは、流行地から戻った男性からの感染を防ぐためにコンドームを使うことを勧めている。
 米国本土では性的接触による二次感染がすでに1例確認されているが、蚊の媒介による感染例は報告されていない。


日本での状況;

■ ジカ熱「感染拡大リスク極めて低い」…厚労相
2016年2月26日 読売新聞
 川崎市の10歳代の男性がジカウイルス感染症(ジカ熱)に感染したことを受けて、塩崎厚生労働相は26日の閣議後記者会見で、「国内は現在、感染を媒介する蚊の活動期ではないため、感染が拡大するリスクは極めて低い」と冷静な対応を呼び掛けた。
 ジカ熱は昨年来、ブラジルなど中南米で流行し、厚労省は空港などの検疫所で入国者の体温をチェックするなど「水際対策」を強化した。今回ブラジルから帰国した男性は蚊に刺された記憶が定かでなく、帰国時には熱が下がっていたため、検疫所のチェックに引っかからなかった。


■ 愛知の女性がジカ熱感染…ブラジルから帰国
2016年3月14日 読売新聞
 厚生労働省は11日、ブラジルから帰国した愛知県の30歳代の女性がジカウイルス感染症(ジカ熱)に感染したと発表した。
 症状は軽く、自宅で療養中という。国内で感染が確認されたのは5人目。昨年来の中南米での流行後では2人目。


妊娠中の女性が感染すると、胎児に問題が発生する感染症は、医学的にはTORCH症候群が有名です。皆さん、もう風疹と先天性風疹症候群をお忘れですか?
新見先生のコメントを紹介します;

■ ジカ熱と似ている?もっと恐ろしい風疹
2016年2月12日 読売新聞
 今日は、ジカ熱と風疹のお話です。ジカ熱と風疹は似ているところと、似ていないところがあります。まず両疾患とも命に関わることはありません。そして共に症状は風邪と似ていて、微熱、頭痛、関節痛、皮疹などが見られます。そしてなにより困ることは、妊婦がジカ熱に罹かかると小頭症の子供が生まれる可能性が高くなると思われ、また妊婦が風疹に罹ると先天性風疹症候群を引き起こすことがあります。先天性風疹症候群は難聴、白内障、先天性心疾患などを胎児に引き起こします。

感染経路は違うが…
 風疹は、別名を「三日はしか」といって、風疹ウイルスが原因の病気です。感染症法では第五類感染症に指定されています。感染は飛沫感染または直接感染します。咳せきやくしゃみによって飛び散る飛沫に含まれる病原体が口や鼻の粘膜に触れて感染するということです。つまり直接人から人に感染します。ですから大流行する可能性があります。一方でジカ熱は蚊を介して感染します。ジカ熱に感染した人の血を吸った蚊が、別の人を刺すときに感染が広がるのです。これが一般的で基本的には人から人に感染しません。蚊が大量に存在する環境では、蚊に刺されることは日常茶飯事ですので、感染は広がりますが、病気を媒介する蚊が駆除されれば感染の広がりはコントロールできると考えられます。ジカ熱感染には例外が報告されていて、それは精液にジカ熱のウイルスが認められ、明らかに精液の接触で感染した例が数例あります。また唾液や羊水にもジカ熱ウイルスが認められたといった報告もあります。つまり、ごく希まれに人から人に感染することがあり得るということです。

妊婦に感染すると危険
 風疹もジカ熱も直接風疹ウイルスやジカ熱ウイルスを殺す作用を持つ薬剤はありません。つまり感染すれば、症状を和らげる対症療法を行って、自分の免疫力でウイルスを退治することを期待するしか方法はありません。しかし、命に関わる疾患ではないので、感染すれば仕事を休んでのんびりと過ごせば自然軽快します。問題は風疹もジカ熱も妊婦に感染すると生まれてくる子供に障害が残る可能性があることです。

風疹、なぜ大流行の可能性?
 では、次は発症予防のワクチンに関してのお話です。風疹はワクチンが開発され、日本では昔は当たり前のようにみんなが感染していた「三日はしか」を見ることは少なくなりました。しかし、2012年から2013年にかけて大流行しました。風疹ワクチンは日本では1977年から女子中学生を対象に風疹ワクチンの集団接種が開始されました。1994年からは満1歳から7歳半までの男女、そして中学生の男女に接種が始まりました。2006年からは満1歳と就学前年に麻疹ワクチンと一緒に風疹ワクチンの2回接種が開始されました。この風疹ワクチンの効果は一生続くものではなく、その効果は年々減少することがわかっています。昔は、風疹は一度罹ると二度と罹らない病気でした。それは実際に子供の頃に感染して風疹に対する免疫が作られ、その免疫力は年々低下していきますが、そんな時に、風疹の患者に接触すると感染はするが症状を呈しない不顕性感染を時々経験することで、また免疫力が上がり、そして終生風疹に感染しない状態になったと思われます。つまり不顕性感染が一生にわたる免疫力の維持には必要であった可能性が高いのです。風疹の免疫力の測定は、血液中の風疹に対する抗体の力(抗体価)を測定するとわかります。風疹ワクチンの効果が永続的ではないというのは、現在の日本で、風疹ワクチンを接種したにも拘かかわらず、大人になって風疹抗体価を調べると感染防止の基準には届いていない人がすくなくないということです。ですから、大流行の可能性があるのです。

外国でのワクチン接種は…
 さて、世界の現状はどうでしょう。国立感染症研究所のHPに記載があります。少し古い報告ですが、とても参考になります。カンボジア、パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツ、ベトナムでは風疹ワクチンは導入されていないそうです。ポーランドやルーマニアでは大流行が認められるそうです。アフリカ諸国では46か国中2か国でのみ風疹ワクチンがワクチン接種スケジュールに組み込まれているそうです。そして「風疹が流行していると考えられるが、その実態は不明である」と記されています。つまり、世界では風疹は希な病気ではないのです。飛行機の発達が進み、またコストも安くなりました。そんな風疹が流行している国からの人をすべて入国制限することもできません。そう考えると、ほとんどが病気の人を刺した蚊からしか感染しないジカ熱にビクビクするよりも、飛沫感染をして大流行の可能性が否定できない、その上抗体価が減少している人が沢山たくさんいる日本では、風疹の海外からの持ち込みにもっともっとビクビクしたほうがいいとも思えますね。つまり風疹は大流行する可能性があると想定して、妊娠可能年齢の女性は風疹抗体価を検査し、そして抗体価が低ければ、風疹ワクチンの接種をすることが最良の自衛策と思います。
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小児期ワクチンへの投資利益率は高い

2016年03月15日 23時31分04秒 | 予防接種
 日本の医療には希薄な、C/P比。
 外国ではしっかり評価されます。

■ 小児期ワクチンへの投資利益率は高い
(2016-02-15:Reuters Health By C. Vidya Shankar MD)
ニューヨーク(ロイターヘルス) - 新しい研究によると、資源不足の国で実施する小児期ワクチンを投資と見なした場合、それは莫大な利益を生むということである。
 貨幣価値で見ると、疾患の予防、死亡の回避、そして寿命の延長により、予防接種に費やした金額1ドル当たり44ドルの利益となるとHealth Affairs 2月号で研究者らが報告している。
 「予防接種は優れた投資である」と、ボルティモアにあるジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院のSachiko Ozawa先生はReuters Healthへeメールで伝えた。「しかし2011年~2020年の推定投資利益率を現実のものとするためには、予防接種プログラム遂行のために必要と予測される財源を、それぞれの国は今後5年間得る必要がある」と、彼女は強調した。
 投資利益率とは利益性の尺度で、利益と投資費用との比率である。利益を通貨単位で定量化しているため、費用対効果よりも理解し易い。
 「各セクターに渡って財政上の決定を下すため、エビデンスを必要とする政策立案者にとっては、とりわけこの多用途性が重要である」と、研究者らは説明した。
 研究者らは、2011年~2020年の、低中所得国94か国における10の疾患を対象とした予防接種プログラムに関して、投資利益率を推定した。費用と経済的利益との差を費用で除すことにより、投資利益率を算出した。
 予防接種プログラムには、ヘモフィルスインフルエンザb菌、B型肝炎、ヒトパピローマウイルス、日本脳炎、麻疹、髄膜炎菌血清型A、ロタウイルス、風疹、肺炎球菌、そして黄熱病に対するものが含まれている。原価計算には、ワクチン費用、サプライチェーン、サービスの交付に関する各国の推定値を用いた。経済的利益については、治療コスト、交通費、生産性の損失を考慮に入れた「疾病費用」法を用いた。
 寿命延長と障害の減少を含む「最大所得」の推定も行った。平均余命を1年延長させることを、一人当たり国内総生産(GDP)の1.6倍の価値と見なし、ワクチンで予防可能な疾患を原因とした障害は「障害の程度によるウエイト付け」を用いて推定した。推定には決定木経済モデルを用い、不確実性解析のために確率的感度分析を行った。
 全体として、全地域と全てのワクチンに渡る予防接種の対投資利益の価値は、疾病費用モデルでは費用の16倍、最大所得推定を用いた場合は費用の44倍であった。GAVIアライアンスから支援を受けている低所得国の対投資利益は、二つのモデルについて、それぞれ17倍と47倍まで増加した。
 推定利益は、南アジアとサハラ以南のアフリカで、それぞれ27倍、16倍と最も高く、米州が最も低かった(2倍)。使用されている混合ワクチンの差が、原因である可能性があると彼らは推論した。
 それぞれのワクチンの間では麻疹ワクチンが最も利益性が高く、その利益は費用の58倍であったが、彼らはそれを価格の低さと接種率の高さ、そして有効性によるものであると考えた。
 GDPなどのマクロ経済変数、集団免疫の効果、長期的なワクチンの有効性は考慮に入れておらず、ワクチンの費用と効果に関するデータが不足していたことからも制約を受けたと研究者らは記述している。しかしなお、「『ワクチンの10年』間の予防接種に関する投資利益率の推定値が、我々の分析から初めて得られている」と、Ozawa先生は述べた。
 「予防接種プログラムから得られる、大きく肯定的な投資利益率を実現するためには、政府と援助資金供与者が必要な投資を行うことが絶対不可欠である」と研究者らは結論付けた。

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米国へ医薬品を持ち込むときの注意点

2016年03月15日 06時29分36秒 | 医療問題
 旅行の際のお役立ち情報。
 やはり医師の書いた書類を用意した方が無難ですね。

■ 米国へ医薬品を持ち込むときの注意点
HealthDay News:2016/03/15
 医薬品を米国へ持ち込む場合、問題を避けるために必要な知識を紹介する。
 外国人が米国に医薬品を持ち込む場合は、有効な処方箋またはその薬剤が必要な理由を英語で説明した覚書を携帯する必要がある。医薬品は元のパッケージから移し替えず、医師の指示書を同封して持ち運ぶことを米国食品医薬品局(FDA)は勧めている。
 また、FDAは、特定の医薬品90日分以上を米国に持ち込まないように勧めている。ただし、他国の処方箋の薬剤を出せる米国内の薬局はごく少数である。そのため90日以上滞在する場合は、郵送や宅配便で手配することになる。医薬品を郵送する場合、円滑に手続きを進めるために、米国税関国境警備局(CBP)職員あての医師の手紙を同封し、その旨を外部包装に記載するとよい。
 米国居住者が国外から帰国した場合、FDAが承認した医薬品であっても、海外版のものは持ち帰れない。FDAの薬剤師であるLindsay Wagner氏は、「FDAは、他国で承認された医薬品が安全かつ有効であることを確認できないし、適切に製造されたことも保証できない」と話す。
 米国居住者で、重篤な症状があり、米国に同等品のない海外の薬剤での治療が必要な場合、FDA は個人使用のための薬剤輸入申請を精査する。その薬剤による治療が米国外で開始され、現在も継続していることを説明する医師からの手紙か、その使用を監視する米国の医師免許をもつ者の氏名・住所が必要。
 米国に医薬品を持ち込む際は、事前にFDA、CBP、米運輸保安局に連絡する必要がある。質問は、FDAの医薬品情報課(Division of Drug Information)に電話(855-543-DRUG(3784))または電子メール(druginfo@fda.hhs.gov)で連絡すること。


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食物アレルギーとアトピー性皮膚炎、どっちが先?

2016年03月15日 06時17分12秒 | 食物アレルギー
 食物アレルギーとアトピー性皮膚炎はどちらが先に発症するのかという議論が盛んです。
 従来は胎盤・母乳による食物感作後にアトピー性皮膚炎が発症するとされてきましたが、近年、「経皮感作」という概念が注目され、いや、アトピー性皮膚炎が先なのではないか、と言われるようになりました。
 その関連論文です;

■ アトピーが食物アレルギーの要因にも?
ケアネット:2016/03/15
 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーは、因果関係が示唆されているものの完全には明らかになっていない。このことが予防と治療に重大な影響を及ぼしている。英国のキングス・カレッジ・ロンドンのTeresa Tsakok氏らは、システマティックレビューの結果、アトピー性皮膚炎、食物感作および食物アレルギーとの間には強くかつ用量依存的な関連があることを確認したという。著者は、「重症度および慢性度が高いアトピー性皮膚炎は、とくに食物アレルギーと関連しており、アトピー性皮膚炎が食物感作および食物アレルギーの発現に先行するエビデンスもある」と述べている。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2016年2月18日号の掲載報告。
 研究グループは、アトピー性皮膚炎の重症度・慢性度・発症年齢に対する食物アレルギーの影響、および両者の時間的関係について調べる検討を行った。MEDLINEおよびEmbaseを用い、2014年11月までに発表されたアトピー性皮膚炎と食物アレルギーに関する研究論文を検索し、調査した。
 主な結果は以下のとおり。

・66件の研究をレビューに組み込んだ。
・住民ベース研究が18件、高リスクコホートが用いられた研究は8件で、残りはアトピー性皮膚炎または食物アレルギーと診断された患者を対象としていた。
・住民ベース研究の分析の結果、生後3ヵ月時の食物感作の可能性が、健常児に比べアトピー性皮膚炎患児で6倍高かった(オッズ比:6.18、95%信頼区間:2.94~12.98、p<0.001)。
・また、他の住民ベース研究を分析した結果、アトピー性皮膚炎を有する参加者の53%が食物に感作しており、最大で15%が負荷試験において食物アレルギーの徴候を示したことが報告されていた。
・アトピー性皮膚炎確定患者を対象とした研究の分析では、食物感作の割合は66%に達し、負荷試験で食物アレルギーを呈した患者の割合は81%にものぼった。
・16件の研究が、食物アレルギーは重症アトピー性皮膚炎と関連していることを示唆した。
・6件の研究は、早期発症または持続性のアトピー性皮膚炎が、とくに食物アレルギーと関連していることを示した。
・1件の研究は、アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした。

<原著論文>
Tsakok T, et al. J Allergy Clin Immunol. 2016 Feb 18.


 最後の一文、「アトピー性皮膚炎が食物アレルギーの発症に先行したことを明らかにした」の論文を読んでみたい・・・。
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不要な抗菌薬処方削減に教育的指導(イギリス)

2016年03月09日 07時03分56秒 | 医療問題
 抗生物質乱用が指摘され久しいですが、当地域は小児科専門医以外の小児科標榜医が「かぜ薬ー抗生物質」という感覚で処方されているのが現状です。
 風邪の原因の9割はウイルス、1割は細菌類(代表的なのが溶連菌、肺炎球菌など)であり、抗生物質が効くのは細菌類ですから、抗生物質が必要な風邪は10人に1人。
 その精度をいかに挙げるかが、臨床医のセンスと私は考えています。

 この状況は世界各国共通な様子で、しびれを切らした医学界が教育的指導を行ったという報告を紹介します;

■ 処方率上位を伝えるレター、不要な抗菌薬処方削減に効果/Lancet
ケアネット:2016/03/09
 英国一般医(GP)の不要な抗菌薬処方を減らす方法として、処方率の高い上位20%のGPに対し、英国主席医務官(England's Chief Medical Officer)名で、上位に位置していることを知らせるレター送付が有効であることが示された。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのMichael Hallsworth氏らが、プラグマティックな試験を行い報告した。著者は、「低コストで全国規模の抗菌薬処方の削減が可能であり、抗菌薬管理プログラムに追加する価値があるものだ」と結論している。Lancet誌オンライン版2016年2月18日号掲載の報告。

◇ 抗菌薬処方率が高い上位20%のGP診療所を対象に介入 vs.非介入試験
 試験は、2×2要因デザインを用いた無作為化比較試験で、一般公開されているデータベースを用いて、抗菌薬処方率が、所属するNHS Local Area Teamで上位20%に位置するGP診療所を同定して行われた。適格診療を、フィードバック介入群と非介入(対照)群にコンピュータで無作為に割り付け、NHS Local Area Teamによる層別化も行った。割り付けについて参加者は知らされなかったが、研究者には知らされた。
 2014年9月29日に、フィードバック介入群の全GPに対し、英国主席医務官からレターと、患者への抗菌薬使用に関するリーフレットが送付された。レターには、「所属するNHS Local Area Teamで、抗菌薬処方率が上位20%に属する診療である」旨が書かれていた。一方、対照群のGPには一切の連絡がされなかった。
 その後、試験対象者は再無作為化を受け、14年12月に、一方の群には抗菌薬使用の減少を推奨する患者中心の情報が送られ、もう一方には一切の連絡がされなかった。
 主要評価項目は、1,000加重人口当たりの処方抗菌薬で、過去の処方について調整し評価。解析はintention-to-treatにて行われた。

◇ レター送付群で抗菌薬処方が有意に減少
 2014年9月8日~26日の間に、1,581のGP診療所が、フィードバック介入群(791ヵ所)または対照群(790ヵ所)に割り付けられた。
 レターは、介入群791ヵ所の3,227人のGPに送られた。レター送付費用は4,335ポンドであった。
 2014年10月~15年3月の、1,000加重人口当たりの処方抗菌薬は、フィードバック介入群126.98(95%信頼区間[CI]:125.68~128.27)、対照群131.25(130.33~132.16)で、差は4.27(相対差:3.3%;群間差の発生率比[IRR]:0.967、95%CI:0.957~0.977、p<0.0001)であった。これは推定で、処方抗菌薬が7万3,406個減少したことを示す。
 GP診療所は再び14年12月に、患者中心介入群(777ヵ所)、対照群(804ヵ所)に割り付けられた。結果、14年12月~15年3月の間の主要評価項目に有意な影響はみられなかった。1,000加重人口当たり処方抗菌薬は、患者中心介入群135.00(95%CI:133.77~136.22)、対照群133.98(133.06~134.90)で、群間差のIRRは1.01(95%CI:1.00~1.02、p=0.105)であった。

<原著論文>
Hallsworth M, et al. Lancet. 2016 Feb 18.


 日本でもそろそろ同様の取り組みが必要な時期かもしれませんね。
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エンテロウイルスD68と喘息発作に関する学会報告

2016年03月07日 07時16分05秒 | 気管支喘息
 秋は喘息のハイシーズンであり、その原因は夏までに増えたコナダニが死んで、その死骸が室内に浮遊しやすいから、と説明されてきました。ウイルス感染(=風邪)の関与も指摘されていましたが、主にライノウイルスが犯人とテキストには記載されています。

 2015年秋は喘息発作で受診される患者さんが例年より多いことに違和感を感じた頃、実はある風邪ウイルスが原因であることが判明し「エンテロウイルスD68が喘息発作を誘発しやすい」というニュースが流れました。
 エンテロウイルスD68は近年、ポリオ様の麻痺を起こす感染症としてアメリカで話題になった病原体です。
 日本小児科学会が調査した内容が国立感染症研究所のHPに公表されました;

■ 日本小児アレルギー学会が全国調査結果を報告 昨秋の小児喘息の増加はEV-D68流行の影響か EV-D68検出の急性弛緩性麻痺例は4例
(2016/3/4日経メディカル)
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