小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

キュバール吸入方法の説明会

2014年11月26日 13時14分16秒 | 気管支喘息
 当院では乳幼児の喘息治療にキュバール・エアゾールを使用しています。
 今回、スタッフの吸入指導を再確認する目的で、製薬会社さんに説明会を依頼しました。

 乳幼児なので、キュバール本体のみ使用する「クローズドマウス法」「オープンマウス法」は行っていないため省略し、「スペーサー(エアロチャンバー)を用いた吸入法」を解説していただきました。
 各吸入方法の動画はメーカーサイトで閲覧可能です。

 あらためて聞いてみて、いくつが気がついたことがありました。特にエアロチャンバーの使い方にコツがあるな、と感じました。

・静電気防止の洗浄方法:中性洗剤を薄めた陽気に5分間付け洗いをするが、初回(使用前)は水洗いしてはいけない。2回目以降は水洗いしてよいが、水滴をふき取ってはいけない、陰干しで自然乾燥させる。本体の格納容器も週に一回洗浄しよく乾燥させてから再使用する。
・エアロチャンバーの使用方法:密閉が基本で、フローインジケーターを有効利用すべし。


などなど。
それから、疑問点を質問しましたが、即答できず持ち帰りとなりました。
→ 回答がありましたので追記します;

Q. 薬剤を各方法(クローズドマウス法、オープンマウス法、スペーサー使用法)で吸入した時、肺内沈着率に差があるか?
A. データがない。

Q. 小児の副作用に「コルチゾール低下」が報告されているが、これは通常量使用時か?
A. データがない。

と、ここまでは?の回答。

Q. 添付文書において小児と成人で量設定が異なるが、小児とは何歳までか?
A. 5歳~15歳まで。4歳以下の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)ので、慎重に投与すべし。

Q. キュバールは肺のどこまで到達するか?
A. 肺胞まで。
※ ちなみに、フルタイドでは主気管支までと聞きました。

Q. 飛行機など気圧の低いところでは本体が爆発するおそれはないか?
A. 飛行機で輸入している薬剤であり、問題ない。

以上です。
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「軽症持続型喘息に対する吸入ステロイド間欠療法の是非」(勝沼俊雄先生)

2014年11月24日 16時13分17秒 | 気管支喘息
 現在、気管支喘息の治療の主流/第一選択は吸入ステロイドです。
 基本は「連日投与」、すなわち調子が良いときも悪いときも毎日使用します。
 一度始めたら最低3ヶ月は継続し、そこで再評価して継続/減量/中止を検討するのが常識でした。

 一時期、乳幼児発症の喘息に吸入ステロイドを早期導入することにより喘息の治癒が期待されたこともありました。
 しかしその検討結果は「吸入ステロイドを止めると喘息がぶり返す」という残念な結果に終わりました。
 つまり、吸入ステロイドは根治療法ではなく、あくまでも対症療法にとどまることが判明したのです。

 そんなタイミングで、吸入ステロイドの「間欠療法」という言葉を最近耳にするようになりました。
 こちらは調子の悪いときだけ(あるいは調子が悪くなりそうなときだけ)使用するという省エネ療法。
 「治らないんだったら悪いときだけ使えばいいんじゃないの」という、今までの常識を覆す考え方です。

 ただ、なかなか文章/論文になっているものがなく、今回小児科系医学商業誌「小児科」(金原出版)2014年11月号に題名の論説を見つけ、読んでみました。
 結論から申し上げると、まだデータは不十分ではあるものの、連日使用と間欠使用で差がないという報告が出てきているとのこと。
 まあ、対象はあくまでも「軽症持続型喘息」(↓)という設定で、中等症以上は連日投与が必要ですので、誤解なきよう。 



メモ
 自分自身のための備忘録。

■ エビデンス2件
MIST trial(Zeigerら):乳幼児喘息(1-5歳)、軽症持続型相当(ステップ2)の長期管理治療としてブデソニド(BUD)連日吸入(500ug/日)の間欠吸入(上気道炎症状が発現し喘息増悪が予見されるときに2000ug/日を1週間施行)に対する優位性を示すことはできなかった。
TREXA study(Martinezら):学童齢(5-18歳)の軽症持続型喘息児におけるベクロメタゾン(BDP)間欠吸入(小発作時にBDP80ug+サルブタモール180ug吸入)の有用性を示唆。連日吸入群において有意な成長抑制が認められた。

■ 吸入ステロイドと成長抑制
 CAMP study(The Childhood Asthma Management Program)によれば、5-12歳の小児が400ugのBUD吸入を4年間継続すると、1年目に-1.1cm/年の有意な成長抑制が認められた。さらにCAMP study の長期追跡調査結果が報告され、結論として最終身長においても-1.2cmの抑制が認められた。

※ 吸入ステロイドの種類による差;
 動物実験におけるステロイドの局所作用(有効性)/全身作用(副作用)の相対力価比は、以下のごとし;
 FP25.0>>BUD1.0>>BDP0.1
 つまり、FPと比較してBDPとBUDは全身性作用を起こしやすい。

■ システマティック・レビューの見解
 MIST、TREXAを含む6試験(対象は未就学児2試験、就学時2試験、成人2試験)の、連日吸入に対する間欠吸入の増悪リスク比は1.07であり統計的に有意な差はないものの、確定するにはまだ根拠不十分と結論。
 


 日本でも著者の勝沼先生が音頭を取って検討が始まっているようです。
 どんな結果が出るか、興味あります。
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アレルギー診療の新常識

2014年11月13日 06時21分23秒 | 食物アレルギー
 タイトルは医療系商業誌「日経メディカル」2014年11月号の特集名です。
 医学的な知識より社会的位置づけの視点が興味深く、拝読しました。

・アレルギー疾患の各ガイドラインが公表されているが、それに沿った治療が必ずしも行われていない。
・スギ花粉症では「舌下免疫療法」という新しい治療法が登場、毎日の服用を2年以上続ければ8割強に効果
・アナフィラキシーではじんま疹など皮膚症状を伴わない例があることに注意
・乳幼児の食物アレルギーは「疑わしきは除去」から「必要最低限の除去」へ
・アレルギー発症は「経皮感作説」が有力視されてきた

 などなど。

メモ
 自分自身のための備忘録。

□ 求められるアレルギー診療の均てん化
 全国調査で示されたガイドラインから外れた診療の実態
【アトピー性皮膚炎】
・2割の医師が外用薬を「できるだけ薄くのばす」と指導(→ 「フィンガーチップユニット」の概念で指導すべし)
・ステロイドを「使いたくない」と感じている患者は半数以上
【アレルギー性鼻炎】
・マスク着用の徹底など、抗原除去・回避の指導がおろそかに
・日常生活に支障がない程度にコントロールできているのは3割程度
・アレルギー専門医と比べて非専門医は漢方薬を処方する割合が高い(・・・私のこと?・・・一応アレルギー専門医ですけど)
【気管支喘息】
・発作が1回以上ある患者の2割弱が発作予防薬を、3割弱が発作治療薬を服用せず
・発作治療薬を予防薬として定期的に使う患者も
【食物アレルギー】
・アナフィラキシー既往のある患者の半数がエピペンの処方をされていない
・IgG抗体検査の結果をもとに食物アレルギーと診断されるケースも(世界的に有用性が否定されています)

□ 花粉症:舌下免疫療法の登場
・舌下免疫療法は従来の皮下免疫療法に比べて患者への負担が少なく、安全性が高い。これは体内に吸収されるアレルゲン量が少なく、全身性アナフィラキシーを起こしにくいため。
・海外で報告されている舌下免疫療法のアナフィラキシーの頻度は0.025%程度と、抗菌薬や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)より低い。
・効果を得るためには最低2年間継続する必要があり、その効果を持続させるためには3~5年の投与継続を要する。
・2年続けても15%は無効

□ アナフィラキシー
・各臓器症状の発現頻度(横浜市立みなと赤十字病院:中村陽一先生による)
 皮膚・粘膜症状:93%
 呼吸器症状:60%
 循環器・ショック症状:41%
 消化器症状:39%

□ 食物アレルギー
・現在の検査は症状発症との一致率が低く、特異的IgE抗体価が高くても症状が出るとは限らない。
・食物アレルギーが疑われる患者でも、免疫寛容を促すため、症状を誘発しない範囲で食物の摂取を勧めるべき。
・摂取を勧める際の注意点として、“少しだけ”といった曖昧な指導ではなく、安全な摂取量を食品ごとにできるだけ正確に指導すべし。

□ アレルギー発症予防
・象徴的なアメリカ小児科学会の方針変換
(2000年)「妊娠・授乳期の母親は食物アレルギーの原因となりやすい卵やピーナッツなどの食物の摂取を制限し、乳幼児に対しては乳製品や卵、ナッツ類や魚の摂取をできるだけ遅らせるべき」との声明を発表
(2008年)上記声明を撤回
・有力視される「経皮感作仮説」
 まず皮膚のバリア機能の低下が起き、それに伴いアレルゲンに対する経皮感作が成立する。これが食物アレルギーや喘息、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を次から次へと発症するアレルギーマーチに繋がると考えられるようになった。
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食物アレルギーに役立つスマホアプリ「アレルギーチェッカー」と「クミタス」

2014年11月11日 07時24分42秒 | 食物アレルギー
 食物アレルギー患者さんに情報提供です。
 スマホのアプリを利用して、食べたい食品にアレルゲンが含まれるかどうかを知り、さらにアレルゲンが含まれない食品を見つけることができる時代になりました。

■ 食物アレルギーで悩んでいるなら、このアプリ~特定のアレルゲンを含まない食品を検索するサービスも
(2014/11/7 日経デジタルヘルス)
 牛乳や卵、エビ、そば粉などが含まれる食品を少しでも口にすると、じんましんが出たり、気分が悪くなったりする――。そんな体質の読者は少なくないだろう。日本人のうち、約700万人が何らかの食物アレルギーを抱えるとされる。日本における食物アレルギーの患者数は急増しており、最近10年間で約2倍に増えたという。まさに現代病だ。
 こうした食物アレルギーに特化したヘルスケアサービスを手掛けるのが、ウィルモアである。ウィルモアが2012年に提供を始めたのが「アレルギーチェッカー」と呼ぶスマホアプリ。自分の気になるアレルゲンを含むかどうかを、食品に付随する1次元バーコードをスマートフォンのカメラで撮影するだけで判定できるアプリである。表示が義務付けられているアレルゲンだけでなく、表示が推奨されているだけのアレルゲンも含む、数十種類のアレルゲンの含有の有無を判定可能だ。これまでに、約5万7000件の食品に対応させた。
 同社がこのアプリの提供を始めた当初、食物アレルギーに特化したヘルスケアサービスは他にほとんど存在しなかったという。そのため、こうしたアプリを「出してくれただけで嬉しいという声を喜ばしく感じるとともに、(食物アレルギーへの対応が遅れている実態に)悲しみを感じた」と石川氏は話す。

□ アレルゲンを含まない食品を購入しやすく
 その後、自分の気になるアレルゲンの含有の有無を調べられるだけでなく、そのアレルゲンを含まない食品を見つけ、購入することにつながるサービスを求める声が増えたという。これに応えて、ウィルモアが2013年10月に提供を始めたサービスが「クミタス」である。特定のアレルゲンを含まない食品を、amazon.co.jpや楽天市場といったポピュラーなショッピングモールを横断する形で1回で検索できる
 アレルギーチェッカーとクミタスはもともと、子供の食物アレルギーに悩む親の利用を主に想定していた。ところがクミタスの利用者プロフィールからは、自身が食物アレルギーを抱える大人の利用者が想定以上に多いことが分かったという。
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シムビコート®によるSMART療法の有用性(鹿児島大学:井上博雅先生)

2014年11月03日 10時51分29秒 | 気管支喘息
 これも製薬会社からいただいた冊子(Astellas Square 2014年10-11月号)の記事です。

 現在、喘息治療の基本は吸入ステロイド薬です。
 これを十分量使用しても発作のコントロールができない例に対し、追加治療のオプションがあります。
 内服では抗ロイコトリエン薬、吸入ではβ刺激薬がその代表です。
 さて、吸入β刺激薬は即効性のある短時間作用型(SABA)と長時間作用型(LABA)に分けられます。
 さらに近年、吸入ステロイド薬とLABAの合剤が開発・発売され、吸入ステロイド薬でコントロールしきれない例の次の選択枝として導入されるようになりました。
 商品名では「アドエア®」「シムビコート®」「レルベア®」の3種類、今回の記事はこのシムビコート®を扱ったものです。
 小児喘息ではなく成人喘息に関する記述ですが、参考になりそうな箇所を抜粋しメモメモ(青字);

 成人喘息の治療指針である「喘息予防・管理ガイドライン2012」(JGL2012)には重症度に応じて4つの治療ステップが示されており、そのステップ2と3においてSMART療法が記載されている。

SMART療法(Symbicort maintenance and reliever therapy):ブデソニドとホルモテロールの配合剤であるシムビコート®を、定期吸入に加えて発作発現時に追加吸入する治療法。

 SMART療法の利点は、シムビコート®1剤で維持療法・発作治療の両方を行うことができる点である。
 これはLABA(long acting β-agonist:長時間作用性β刺激薬)でありながら即効性を有するというホルモテロールの優れた性質による。ふつう、長時間作用薬は効き始めもゆっくりで、例えばホクナリンテープは貼付後4時間しないと効いてこない。ホルモテロールの“即効性のあるLABA”は画期的である。
 また、一つのデバイスで維持療法と発作治療の両方が実施できる点もアドヒアランス(携帯性や吸入方法の煩雑性/混乱など)に関して大きなメリットである。

エビデンス
COSMOS試験(2012)
 シムビコート®COSMOS試験と他のICS/LABA配合剤+発作時SABAの群を比較し、喘息増悪(入院・救急受診、3日以上の傾向ステロイド薬使用、予定外受診)の最初の発言までの期間・発現頻度を1年間観察したところ、シムビコート®SMART療法群は、最初の増悪発現までの期間が長く、喘息増悪の累積発現頻度を有意に減少させた。
喘息増悪予防に対する15種類の長期管理治療法を比較した64のランダム化比較試験のネットワークメタアナリシス(2014)
 「重度の増悪の発現」を有効性の指標としたところ、「ICS/LABA配合剤による定期吸入に症状発現時の同剤追加吸入する治療」が最も優れており、次いで「ICS/LABA配合剤の固定用量(SABAによる頓用吸入可)」が有意に優れていた。また、「中等度と重度の増悪の発現」においても同様の結果であった。


 フムフム、究極の抗喘息薬吸入治療法と言ってもよいかもしれません。
 2つめの論文で登場する治療法を具体的な薬剤名にすると、
「ICS/LABA配合剤による定期吸入に症状発現時の同剤追加吸入する治療」→ シムビコート®SMART療法
「ICS/LABA配合剤の固定用量(SABAによる頓用吸入可)」→ アドエア®(あるいはシムビコート®)+メプチンエアー
 となります。
 で、具体的な使用法は・・・

添付文書より
【用法・用量】
1. 気管支喘息:
 通常、成人には、維持療法として1回1吸入(ブデソニドとして160μg、ホ ルモテロールフマル酸塩水和物として4.5μg)を1日2回吸入投与する。 なお、症状に応じて増減するが、維持療法としての1日の最高量は1回 4吸入1日2回(合計8吸入:ブデソニドとして1280μg、ホルモテロールフ マル酸塩水和物として36μg)までとする。
 維持療法として1回1吸入あるいは2吸入を1日2回投与している患者 は、発作発現時に本剤の頓用吸入を追加で行うことができる。本剤を維持療法に加えて頓用吸入する場合は、発作発現時に1吸入する。数分経過しても発作が持続する場合には、さらに追加で1吸入する。必要に応じてこれを繰り返すが、1回の発作発現につき、最大6吸入までとする。 維持療法と頓用吸入を合計した本剤の1日の最高量は、通常8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。


 ・・・まことにわかりにくい(苦笑)。表に整理したものを見つけました;



参考資料
シムビコートの吸入方法(アステラス製薬HP)
SMART療法(自治医科大学さいたま医療センター呼吸器科教授:小山 信一郎先生)
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「小児の重症喘息治療・管理のアプローチ」(群馬大学:荒川浩一先生)

2014年11月03日 10時16分17秒 | 気管支喘息
 製薬会社からいただいた冊子(infoAllergy 2014.September No.69)に、先輩の荒川先生が執筆している記事を見つけました。
 臨床現場に役立つヒントがありましたので、メモメモ:

■ 小児重症喘息と診断する前にチェックすべき事
・アドヒアランス不良
・増悪因子からの回日が不十分
・合併症の有無
・診断が正しいか

■ 小児重症喘息の標準治療
 小児気管支喘息治療・管理ガイドライン(JPGL)2012によると、
・高用量の吸入ステロイドが基本
・必要に応じてロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)を併用
・2歳以上であればテオフィリン徐放製剤や長時間作用性β-2刺激薬(LABA)の上乗せ、あるいはICS/LABA配合剤への変更
 一方、世界各国で発刊されたガイドラインに共通するメッセージを集約したICONでは、オマリズマブが推奨されている。

■ ICS+LABA vs ICS増量群
 メタ解析では、前者が有利(朝晩のピークフロー改善、β-2刺激薬頓用回数減少)と判定されたが、喘息増悪の頻度を示す全身ステロイド薬の投与回数に差は出なかった。
 治療期間中の身長の伸びは、後者が有意に低下していた。
 FDA(米国食品医薬品局)やJPGL2012ではLABAの使用はできるだけ短期間にとどめることを推奨している。

■ オマリズマブも無効なときの治療
 上記の治療が無効な礼に対しては、末梢気道をターゲットとした微粒子系のICSの使用、特殊ではあるが抗真菌薬、マクロライド系抗菌薬、免疫調整薬なども考慮されている。さらに、アレルギー炎症に関連したサイトカインをターゲットにした生物学的製剤を用いた治療法も開発されてきており、小児への臨床応用が期待される。

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「メプチンスイングへラー」に関するQ&A

2014年11月02日 06時23分58秒 | 気管支喘息
 喘息の発作止めである、気管支拡張剤(交感神経β-刺激薬)「メプチン®」は剤型が10種類くらいあるそうです。
 先日、新しい吸入剤「メプチンスイングへラー」が発売されました。
 これは気体・液体ではなく粉(ドライパウダー)を吸い込む剤型で、従来の「メプチンクリックへラー」を改良したもの。比較すると大きさが小さくなり、操作回数も減り簡便になりました。
 7歳以上で使用可能とされており、小学生から処方できます。
 また、メリットとして
・吸入方法がフルタイド/アドエア・ディスカスに近いので、混乱なく使える。
・メプチンエアーのように補助器具を使う必要がなく、持ち運ぶ際にかさばらない(携帯性がよい)。
 等が挙げられます。

 製薬会社のHPはこちら;

メプチンスイングへラー吸入方法ビデオ

 実際の使い勝手はどうなのか、確認する目的で製薬会社さんに説明会を開いていただきました。
 その質疑応答の一部を書き留めておきます;

Q1:間違えて息を吹き込んでしまった場合、どうする?
A1:もう一度やり直す。

 Q1’:吹き込まれた薬粉と唾液が故障の原因になるか?
 A1’:・・・(回答不能)

Q2:間違えて裏面を上にした状態で押しボタンを押すとどうなる?
A2:薬はセットされないので、吸い込んでも薬成分は出ない。

 Q2’:では器具内に吸入されなかった薬物粉は故障の原因にならないか?
 A2’:微量なので無視してよい。

Q3:説明書きに「多重投与防止構造を有するので、過量投与を防止できる。」とはどういうことか?
A3:押しボタンを複数回連続して押すとロックして押せなくなる。

 Q3':ロックを解除する方法は?
 A3':・・・(回答不能)

 Q3'':連続何回押すとロックされるのか?
 A3'':・・・(回答不能)

Q4:連続して使用したい場合は、どのくらい時間を空けるか?
A4:1時間以上開ける。

 Q4':連続何回まで使用可能か?
 A4’:2回まで。それでも発作がよくならないときは医療機関を受診すべし。


 子どもは何か口にくわえると、本能的にまず吹きます。
 吸い込む動作に慣れていませんので。
 「間違って息を吹き込んでしまう」失敗事例がたくさん出てくるはずなので、そこを中心に質問しましたが、説明に来たお兄さんからは「その質問、持ち帰らせていただき後日回答致します」という台詞が何度も聞かれました。
 会社が用意した解答マニュアルにはなかったようですね(苦笑)。
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