小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

子ども医療費の助成分、減額を撤廃

2016年12月31日 06時07分21秒 | 医療問題
昔から変だ変だと思っていたルールが、ようやく撤廃されました。

■ 子ども医療費 未就学児の助成分、18年度から減額せず
毎日新聞2016年12月30日
◇ 独自助成の市区町村に「朗報」
 子どもの医療費を独自に助成する市区町村に対し、国が国民健康保険(国保)への支出を減らす制度について、就学前の子どもへの助成分は2018年度から減額しないことになった。厚生労働省は、見直しによって浮いた財源を他の少子化対策に充てるよう市区町村に求める。
 子どもの医療費は、法律では小学校入学前は2割、入学後は3割を自己負担することになっているが、実際は全市区町村が自己負担分の全額や一部を助成している。
 国は国保運営を支えるため、医療費の一部を受け持つ「負担金」を市区町村へ支出している。市区町村が独自に子どもの医療費の自己負担を軽くすると、安易な受診が増えて医療費が膨らむ恐れがあるため、国は独自助成する市区町村への負担金から医療費の増加分を減額している。これに対し、自治体側は「少子化対策に逆行する」と廃止を求めていた。
 子どもの医療費への助成は、自治体によって対象年齢が異なるため、全市区町村が助成している未就学児に限って減額を取りやめることにした。14年度の負担金減額は計113億円、未就学児分は75億円だった。
 同省は当初、一部助成にとどめていたり、所得制限を設けたりしている自治体に限定した減額廃止案も同省の社会保障審議会に示していたが、委員の間で一律見直しを支持する意見が多かった。

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ヘビースモーカーでなくても、タバコの害は無視できない

2016年12月15日 06時20分50秒 | 医療問題
 ヘビースモーカーが発がん率が高いことは周知の事実。
 では、1日10本以下のライトスモーカーはどうなんだろう?
 
 もし、少ない本数でも発がん率が高いなら、受動喫煙の問題も無視できなくなります。
 紹介する記事は、1日1本の喫煙でも初含立が9倍に跳ね上がるという、恐ろしい報告;

■ 1日1本未満の喫煙でも肺がん死亡リスクが9倍
ケアネット:2016/12/15
 米国では10本/日未満の喫煙者が増加しているが、生涯にわたる1日数本程度の喫煙による健康への影響は、ヘビースモーキングによる影響に比べてよくわかっていない。米国国立がん研究所のMaki Inoue-Choi氏らは、1本/日未満もしくは1~10本/日での長期喫煙と全死因死亡率・原因別死亡率との関連について、非喫煙と比較し評価した。その結果、1本/日未満や1~10本/日での長期喫煙者は非喫煙者より死亡リスクが高いこと、禁煙によるベネフィットがある可能性が示された。このことから、タバコの煙への曝露には安全というレベルはないことが示唆される。JAMA internal medicine誌オンライン版2016年12月5日号に掲載。
 本研究は、米国国立衛生研究所-AARP 食事・健康研究で、2004~05年(ベースライン)に59~82歳であった29万215人による前向きコホート研究である。それまでの喫煙歴を調べるアンケートとともにデータを収集し、2011年末までの全死因死亡率と原因別死亡率についてハザード比(HR)と95%CIを算出した。HRと95%CIは、ベースとなる時間として年齢を使用しCox比例ハザード回帰モデルを用いて推定し、性別・人種/民族・教育レベル・身体活動・飲酒について調整した。データ分析は2015年12月15日~2016年9月30日に行った。2004~05年のアンケートにより、9つの年齢期(15歳未満~70歳以上)での現在および過去の喫煙強度を評価した。主要アウトカムは、現喫煙者、元喫煙者、非喫煙者における全死因死亡率と原因別死亡率とした。
 主な結果は以下のとおり。

・2004~05年のアンケートを実施したコホート29万215人のうち、男性は16万8,140人(57.9%)で、平均年齢(SD)は71(5.3)歳(範囲:59~82歳)であった。
・ベースライン時に1本/日未満もしくは1~10本/日を吸っていたほとんどの人が、それ以前の本数がより多かったが、各年齢期でいつも変わらず1本/日未満もしくは1~10本/日と回答した人は、それぞれ159人(9.1%)と1,493人(22.5%)存在した。
・全死因死亡リスクは、非喫煙者に比べて、1 本/日未満(HR:1.64、95%CI:1.07~2.51)と1~10 本/日(HR:1.87、95%CI:1.64~2.13)の現喫煙者で高かった。
・全死因死亡率における関連性は男女で同様であり、また、喫煙に関連する死亡原因、とくに「肺がん」と強い関連が認められた(1本/日未満でHR:9.12、95%CI:2.92~28.47、1~10本/日でHR:11.61、95%CI:8.25~16.35)。
・1本/日未満もしくは1~10本/日を吸っていた元喫煙者のリスクは、禁煙時の年齢が若いほど低かった。たとえば、50歳以上で禁煙した1本/日未満および1~10本/日の喫煙者のHR はそれぞれ、1.44(95%CI:1.12~1.85)と1.42(95%CI:1.27~1.59)であった。


<原著論文>
Inoue-Choi M, et al. JAMA Intern Med. 2016 Dec 5.
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腸内細菌(Fusobacterium nucleatum)で大腸癌の診断率アップ。

2016年12月11日 08時28分06秒 | 医療問題
 ますます注目される腸内細菌。
 その中で歯周病の原因としても認識されてきた「フゾバクテリウム(Fusobacterium)」という菌が大腸癌の診断にも有用である、という記事を紹介します;

■ 腸内細菌を見ると大腸がんがわかる?便潜血と組み合わせて感度92% 〜309人の検査で検証
2016年12月11日:medley
 大腸がんの便潜血検査は簡単にできて信頼性が高い検査です。しかし検査は絶対ではありません。信頼性を高めるために、腸内細菌を調べる検査が試されました。

◇ 309人の患者を正しく診断できるか検証
 香港の研究班が、便潜血検査に加えて腸内細菌の量を比較したときに大腸がんを見分ける検査能力が高まるかどうかを調べ、専門誌『Gut』に報告しました。
 この研究では、次のような合計309人の対象者の中から、大腸がんがある人を検査で正しく見分けられるかが試されました。

 大腸がんがある人 104人
 進行した大腸がんがある人 103人
 大腸がんがない人 102人

研究班は、健康な人の腸内にもいる3種類の細菌の量に注目しました。

 フゾバクテリウム(Fusobacterium nucleatum)
 ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus anaerobius)
 パルビモナス(Parvimonas micra)


対象者の便を使って、便潜血検査(免疫学法)で検査するとともに、細菌のDNAを大量にコピーする方法(PCR法)を使って、これらの細菌の量を調べました。

◇ フゾバクテリウムを見ると感度92.3%に
 検査の結果、3種類の細菌はいずれも大腸がんがある人のほうが量が多くなっていました。特に、フゾバクテリウムの量で分けると、次の結果が得られました。
 フゾバクテリウムのマーカーは、免疫学的便潜血試験と組み合わせたとき、同じ患者コホートにおいて結腸直腸がんを検出する上で免疫学的便潜血検査単独に比べて勝った感度(92.3% vs 73.1%、P<0.001)およびROC曲線下面積(0.95 vs 0.86、P<0.001)を示した。
 便潜血検査とフゾバクテリウムで大腸がんを判定すると、大腸がんがある場合に正しく指摘できる割合(感度)は92.3%となり、便潜血検査だけで判定したときの73.1%を上回りました
 一般に、感度が高い検査は、実際には病気がなくても病気があるとする間違いが多くなります。そこで、大腸がんがない場合に正しく「大腸がんがない」と判定する割合(特異度)も加味した指標で比較したところ、便潜血検査だけでは0.86に対して、フゾバクテリウムの検査を加えると0.95に検査性能が向上しました(数値は0から1まで、大きいほうが性能が高い)。
 進行した大腸がんに限って比べたときも、フゾバクテリウムの検査を加えたほうが、便潜血検査だけよりも検査性能が高くなりました。

◇ 大腸がん検査の助けに?
 フゾバクテリウムの検査を加えることで、便潜血検査よりも正しく大腸がんを見分けることができるかもしれません。
 ただし、多くの人が受ける検診に使うには、診断が正しくなるだけでは十分とは言えません。検査にかかる時間や費用を考え合わせなければ、検査を受けたくない人が増えてしまうかもしれません。また、性能が上がることでより適切な治療ができ、患者の寿命や生活の質を改善することに結び付くかどうかは別に検証が必要です。
 フゾバクテリウムの検査が広く使われるためには、こうした多くの課題をクリアできるかどうかが問われるでしょう。


<参考>
■ 「歯性感染症、大腸炎から大腸癌までおこすフソバクテリウム
■ 「腸内細菌叢の一つであるフソバクテリウムが 食道がんの進展・予後に関与していた!」(熊本大学)平成28年10月24日
■ 「腸内細菌叢の消化管疾患への関与」(モダンメディア 60巻11号2014)
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「抗NMDA受容体脳炎」

2016年12月10日 16時53分47秒 | 医療問題
 この病気、私は知りませんでした。

■ <「悪魔取りつかれた病」>26歳女性、5年越し闘病の記録
(毎日新聞 2016/12/10)
 少女に取りついた悪魔に神父が挑む映画「エクソシスト」(1973年、米国)。少女が奇妙な形相をしたり、体をベッドから浮かせたり、ブリッジのように身体をそらせたまま階段を下りたりするシーンが話題になった。関東地方に住む綾子さん(仮名、26)は5年前、米国留学中に映画の少女のような状態に陥った。医学界で「以前なら悪魔に取りつかれたとして祈とう師が扱っていた」と指摘されるこの病は「抗NMDA(エヌ・エム・ディー・エー)受容体脳炎」。綾子さんも入院中、ベッド上を跳びはねるなど不可解な動きが続いたが、5年越しの闘病の末、今では自転車に乗れるほどに回復した。綾子さんの家族は闘病の様子を撮影した動画を提供し「映像を見てもらうことで病気への理解が深まれば」と話した。

【動画】「エクソシスト」さながら 全身硬直し不随意運動

 抗NMDA受容体脳炎は今でこそ「治る病気」だが、2007年に病名がつく以前は、ホラー映画さながらの症状の連続に医師も手をこまねいてきた。幻覚や幻聴などを伴う不安定な精神状態や不自然な体の動きが出るのが特徴で、重い場合は死に至る。
 発見当初は卵巣腫瘍に対する免疫反応の結果と考えられ、「若い女性の病気」とされていた。卵巣にできた腫瘍は、脳を構成する神経組織を含んでおり、その腫瘍をやっつけようとできた抗体が脳の神経細胞膜に分布するNMDA受容体を攻撃してしまう。研究が進むにつれ、子どもや男性にも発症することが分かった。
 しかし、この病気はいまだ医師の間でも広く知られているとはいえない。患者が受診するのは内科、精神科、脳外科、産婦人科、神経内科など多岐にわたり、各科の連携が不可欠だが、診療科によっては病名さえ知らない医師が少なくないのが現状だ。
 綾子さんは米国留学中の2011年10月に発症した。治療の第一歩は抗体を抑え込むことだ。抗体を作らないよう、卵巣に腫瘍があれば早期に摘出し、免疫反応が起きないようにする。併せて免疫反応を抑制する薬を大量投与したり、血漿(けっしょう)を入れ替えて体内から抗体そのものを取り除く。しかし、綾子さんの卵巣に腫瘍は見つからなかった。免疫抑制剤などの治療は奏功せず、当時は予防的な見地から、米国では珍しくなかった左右両方の卵巣の摘出手術を受けて、ようやく病態が回復。発症から1年後の12年10月にチャーター機で帰国した。その後も国内の病院で治療を続け、14年7月に退院。てんかん発作を抑える薬とホルモン剤を服用しながら、自宅と通院でリハビリに取り組んでいる。
 動画はもともと米国で入院中の綾子さんの状態を家族間で共有しようと米国で付き添った父や母らが撮影したものだ。そのうち提供されたのは、米国の病院で撮影された11年11月から、帰国して入院中の13年1月までの9本。口を突き出したり、すぼめたりとか、手や足が勝手に動いている様子、ベッド上で激しく跳びはねている状態などを映し出している。母親(54)は「多くの医師にこの病気を知ってもらい、患者が救われること、また病気治療の研究が進むことを期待したい」と話している。



<参考>
■ 「脳に棲む魔物」加藤忠史Web Site     
■ 「抗NMDAR抗体陽性脳炎 診断」神経疾患治療マニュアル
■ 「抗 NMDA 受容体脳炎の臨床と病態」臨床神経学 48巻11号(2008:11)
■ 「抗 NMDA 受容体抗体脳炎の臨床と病態」 臨床神経学 49巻11号(2009:11)
■ 「抗 NMDA 受容体脳炎における臨床スペクトラムと治療戦略:現状と問題点」臨床神経学 54 巻 12 号(2014:12)
■ 「抗NMDA受容体脳炎の診断には、CBAによる抗体検査を」金沢医科大学総合医学研究所田中 惠子 先生
■ 「卵巣成熟嚢胞性奇形腫に合併した抗 NMDAR 脳炎の 2 症例」静岡産科婦人科学会雑誌(ISSN 2187-1914) 2014年第3巻 第1号
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「卵アレルギーを予防するために卵を食べさせる」時代が到来。

2016年12月10日 07時30分43秒 | 食物アレルギー
 食物アレルギーの治療の進化から目が離せません。
 10年前までの治療方針は、

食べさせないで予防し、発症したら治るまで食べさせない

 でした。
 しかし2008年、イギリスの研究者から「二重抗原曝露仮説」(アレルゲンが皮膚から入ると感作されるが、口から入ると免疫寛容を誘導する)が発表され、エビデンスが集積してから方針が180度転換しました;

発症して治らない例は、食べさせて治す

 と、まず発症例の「治療」に応用され、成果を上げつつあります。
 しかし、症状が出る例が多く重症なアナフィラキシーも想定されるので、まだ一般的な治療として認められていません。
 もちろん患者さんが自己判断で自宅で試すのはたいへん危険ですのでやめてください。

 そしてその試みは「予防」領域にも導入されつつあります。

アレルゲンを食べさせてアレルギー発症を予防する

 紹介する記事は国立成育医療センターからの報告です;

■ <卵アレルギー>逆転の発想? 乳児期に食べて発症予防
毎日新聞 2016/12/9
◇ごく少量のゆで卵継続、発症を8割減
 乳児期にごく少量のゆで卵を食べ続けることによって、1歳時点での卵アレルギーの発症を8割減らせたとの結果を、国立成育医療研究センターアレルギー科の大矢幸弘医長らのグループが9日の英医学誌ランセットに発表した。
 卵アレルギーは、子どもの食物アレルギーの中で最も多い。
 グループは、生後4カ月までにアトピー性皮膚炎を発症し、食物アレルギーになる可能性が高い乳児121人を対象に、卵を食べる影響を調べた。60人は生後6カ月から固ゆで卵の粉末50ミリグラム(ゆで卵0.2グラムに相当)を毎日食べ、9カ月からは250ミリグラムに増やして1歳まで食べた。残りの61人は、生後6カ月から卵の入っていないカボチャ粉末を食べた。
 その結果、1歳の時点で、卵の粉末を食べていない子どものうち23人(38%)が卵アレルギーを発症したが、食べた子どもで発症したのは5人(8%)にとどまり、発症率を8割減らすことができた。少量を食べ続けることで体が慣れ、多く食べられるようになったとみられる。アトピー性皮膚炎のない乳児に同様の効果があるかは分からないという。
 英国でも昨年、同様の研究結果が出ているが、開始直後からアレルギーが出て続けられない子どももいた。今回の結果で、より少量から始めることで、安全に食べ続けられることが分かったという。
 大矢医長は「すでに卵アレルギーを発症している場合はまねをしないでほしい。卵を十分加熱していない場合もアレルギーを起こしやすいため危険があり、必ず専門医に相談してほしい」と話す。


 多くの文献を集めて解析した論文も「生後4か月から6か月という早い時期から卵を食べさせることが、卵アレルギーの減少と関連する」と結論づけています;

■ 卵とピーナッツは早めに食べさせるとアレルギーになりにくい 〜文献の調査から
(2016年10月24日 JAMA)
 卵やピーナッツはアレルギーを起こしやすい食品です。赤ちゃんに食べさせるのは心配になりますが、積極的に食べさせるとむしろアレルギーを防げるのではないかという説もあります。これまでに報告されている研究結果がまとめられました。

◇ 卵とピーナッツを早くから食べさせることでアレルギーを予防する効果の研究
 ここで紹介する研究は、文献を集める方法で、乳児にアレルギーを起こしやすい食品を食べさせる時期とアレルギーの関係を調べています。
 これまでに赤ちゃんに実際に食べさせて効果を見た研究と、家庭に任せて統計的に調べた研究の報告を集めました。

◇ 卵とピーナッツは0歳児に食べさせるとアレルギーが減っていた
 見つかった研究報告を統合し、次の結果が得られました。

生後4か月から6か月という早い時期から卵を食べさせることが、卵アレルギーの減少と関連する(リスク比0.56、95%信頼区間0.36-0.87、I2=36%、P=0.009)という、中等度の確かさの証拠が5件の試験(参加者1,915人)から得られた。
・生後4か月から11か月の早い時期にピーナッツを食べさせることがピーナッツアレルギーの減少に関連する(リスク比0.29、95%信頼区間0.11-0.74、I2=66%、P=0.009)という中等度の確かさの証拠が2件の試験(1,550人の参加者)から得られた。

 卵を生後4か月から6か月の間にはじめて食べさせた子どもで、卵アレルギーが少なくなっていると見られました。
 ピーナッツを生後4か月から11か月の間にはじめて食べさせた子どもで、ピーナッツアレルギーが少なくなっていると見られました。

◇ アレルギーにどう備える?
 アレルギーをただ怖がるよりも、卵とピーナッツは早めに試してみてもいいのかもしれません。
 ただし、予防効果があるかどうかにかかわらず、卵とピーナッツはもともとアレルギーを起こしやすい食べ物です。はじめて食べさせるときは体の様子をよく観察する、もし何かあればすぐ小児科に行けるようにしておく、蕁麻疹(じんましん)などアレルギーの症状が現れたら急いで相談に行くなどの対処は必要です。特に、ピーナッツはのどに詰まりやすいので、3歳ぐらいまではナッツの形のまま与えるのはおすすめできません。
 アレルギーのリスクとうまく付き合いながら、子どもが食べるものを豊かにしてあげてください。


◆参照文献
Timing of Allergenic Food Introduction to the Infant Diet and Risk of Allergic or Autoimmune Disease: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA. 2016 Sep 20.
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帝王切開出産が人類の進化に影響?

2016年12月09日 06時56分26秒 | 医療問題
 「帝王切開」とは、諸般の事情で経腟分娩がハイリスクなので、お腹を切って手術して赤ちゃんを取り出す方法。
 確か昔々、ジュリアス・シーザーがこの方法で生まれたので“帝王”切開と呼ばれるようになったらしい。

 この帝王切開率は年々増えており、日本の帝王切開率は数割、お隣の韓国では8割と聞いたことがあります。
 韓国の数字はにわかには信じがたいですね。

 さて、紹介する記事は「帝王切開は産道の狭い女性の遺伝子を残すことになるので進化に影響する」という内容。 
 えっと驚くか、なるほどと頷くか、あなたはどっち?

■ 帝王切開出産が人類の進化に影響=オーストリア研究者ら
2016年12月7日:BBC News
 帝王切開の普及が人類の進化に影響を及ぼしていると、科学者らが指摘している。
 オーストリアの研究者らはこのほど、骨盤の幅が十分でないために帝王切開が必要になる母親が増加しているとの調査結果をまとめた。論文は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。
 研究者らの推計によると、生まれてくる赤ちゃんに対して産道が狭すぎる例が、1960年代には1000件のうち30件だったのが、現在は36件に増えた。
 従来であれば、これではお産が成功しない。そのため、こうした身体的特徴の遺伝は阻害されていた。
 研究者らは、現在のような傾向は今後も続く可能性が高いとみているが、自然分娩がなくなるとは考えていない。
 ウィーン大学の理論生物学部のフィリップ・ミッテレッカー博士は、「お産に問題が生じる率、特に胎児が産道のサイズに合わないという胎児骨盤不均衡の率が、これほどまでに高いのはなぜか」と述べ、人間の進化には長年の疑問が残っていると指摘した。
 「現代医療の介入がなければ、このような問題は致命的になることが多く、進化論的に言えば選択が起きる。骨盤が非常に狭い女性は100年前であれば、無事に出産できなかっただろう。現在はそれが可能となり、狭い骨盤という遺伝子情報を娘たちに伝えている」

◇ 相反する傾向
 なぜ人間の骨盤は広くならなかったのか。これは、長年にわたる進化の疑問だとされてきた。ほかの霊長類と比べて人間の赤ちゃんの頭は大きく、例えばチンパンジーなどの動物は人間よりも比較的楽に出産できる。
 研究者らは、世界保健機関(WHO)などによるお産に関する大規模な調査データをもとに数理モデルを作成し、相反する進化の傾向を発見した。
 たとえば、新生児は以前より大きく生まれる傾向がある。これによって、より健康な赤ちゃんが生まれている。
 しかし、もし大きくなり過ぎれば、分娩時に産道を通過できない。歴史上、これは母体と胎児の両方に破滅的な結果をもたらし、遺伝子の伝達はそこで止まってしまっていた。
 ミッテレッカー博士は、「より小さな赤ちゃんが生まれやすいという進化の選択を促す力は、帝王切開で消え去った」と指摘する。「医療の介入を批判するわけではない。しかし、進化への影響はあった」。

◇ 将来の傾向
 赤ちゃんが産道を通れない割合は、かつて世界で1000件あたり30件、率にして3%だったが、過去50~60年の間にこの割合は36件、3.3~3.6%まで上昇したと推計している。進化による上昇率は10~20%だ。
 ミッテレッカー博士は、「将来はどうなるのか。これは差し迫った疑問だ」と話す。「この進化の傾向は続くが、小さくゆっくりした変化かもしれない」。
 「変化の限界はある。なので、いつか帝王切開で生まれる赤ちゃんが多数派になるとは考えていない」

(英語記事 Caesarean births 'affecting human evolution'
提供元:http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-38218512
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洋式便器は便秘を助長しているらしい。

2016年12月08日 12時35分36秒 | 小児医療
 和式便器のよいところは、下半身を踏ん張ってしゃがむので足腰を使うため、昔の日本の老人は足腰が丈夫だった・・・と耳にしたことがあります。
 先日見かけた記事では、和式便器にしゃがむ方が排便しやすく、洋式便器が普及したことが便秘増加に荷担しているのではないか? とのこと。

■ 便秘解消に効くのは洋式より和式トイレだった! 便秘で悩む日本人は1000万人以上?どうすれば快便できるのか
2016.12.8:JBpress
 昔から健康のためには「快食・快眠・快便」が重要であると言われていますが、最近は便秘のため「快便」でないことに悩んでいる方が増えています。
 慢性的な便秘は一般に女性に多く、高齢になるに従い患者数が増えていきます。厚生労働省が2010年に行った国民生活基礎調査によると、便秘で悩んでいる人は全国で男女合わせて約479万人いると考えられています。しかし、自覚症状はないけれども実は便秘の人(隠れ便秘)や、アンケートに答えなかった人もいるため、実際には便秘の人は1000万人はいるのではないかとも考えられています。
 便秘があると、腹痛やお腹の張りなどの自覚症状がある場合はもちろん、自覚症状が少なくても活動の低下が起こると言われています。便秘により仕事の効率が落ち、さらに悪化すると欠勤や仕事への意欲が低下するため、アメリカの試算では、女性の慢性便秘の平均的年間損失額が7000ドルに及ぶという報告があります(あくまで国としての損失です)。
 それだけではなく、便秘によって様々な病気につながることが分かってきました。現在、世界的にも増加しており日本でも2015年に男女合わせた罹患率が1位となった大腸がんもその1つであると考えられています。

◇ 野菜や果物は不足していないか?
 慢性的な便秘の原因には様々なものが挙げられます。
 まずは食生活です。排便をスムーズにするためには腸内環境を良くする、つまり腸内の善玉菌を活躍させることが重要です。
 善玉菌を活躍させるために重要な栄養素は食物繊維です。しかし、日本人は食物繊維の摂取に欠かせない野菜や果物の摂取量が減っているのです。
 厚生労働省と農林水産省が出している「食事バランスガイド」によると、1日に野菜は350グラム、果物は200グラムを目標に摂取することが勧められています。しかし実際の摂取量は、平成27年「国民健康・栄養調査」によると野菜の1日の摂取量は男性で288グラム、女性で276グラム、また果物の場合は男性が99グラム、女性が116グラムと明らかに不足しています。
 それに対し、悪玉菌を増やすと言われている肉類の摂取は増えています。同調査によると男性が1日に106グラム、女性が77グラム摂取していると報告されています。
 腸内環境の悪化は大腸がんにつながります。2007年の世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による報告書「食物・栄養・身体活動とがん予防」では、肉(牛、豚、羊)の摂取は大腸がんにつながる「確実なリスク」と評価しています。日本の国立がん研究センターの調査でも、肉類の摂取が多いグループ(1日100グラム以上)で大腸がんのリスクが高くなることが分かりました。
 ですから、野菜や果物をしっかり食べて肉類(牛、豚、羊)を控えることが便秘や大腸がんの改善につながるのです。
 続いての原因は、腸の動きが悪いことです。腸がスムーズに元気に動くことによって排便もスムーズになります。ですから腸の動きが弱い、つまり腸を動かす筋力の弱い女性や高齢者が便秘になりやすいのです。
 また、運動不足になると腸の動きが悪くなりますので、よく運動すること(特に歩くこと)が便秘の解消につながります。運動をよくしている人は大腸がんだけでなく全般的にがんにかかりにくいという結果もあります。

◇ 排便時間が最短だった排便スタイルは?
 また、排便のスタイルが便秘に関係することも分かっています。
 下の図は、私が開発のお手伝いをした直腸性便秘解消ステップ「SULUTTO(スルット)」(発売元はアサヒ衛陶)という製品です。洋式便器に装着することにより、脚や膝や腰の負担を減らしながら和式便器の姿勢を取って排便できるというものです。


「SULUTTO(スルット)」(上)を洋式便器に装着した様子(下)

(*配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで図をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/48564)

 なぜ、和式便器の姿勢を取ったほうがいいのでしょうか。
 イスラエルの医師であるシキロフが3つの方法で排便をさせるという実験を行いました。1つ目は通常の洋式便器(便座までの高さが41~42センチ)、2つ目は便座の高さを低くした小型の洋式便器(便座までの高さが31~32センチ)、3つ目は完全に腰を落としてしゃがむ和式スタイルです。
 すると、和式スタイルの排便時間が平均51秒で最短だったという結果が出ました。快便度も残り2つの方法に比べて高かったようです。
 洋式スタイルの場合は、低い便器で平均114秒、普通の高さの便器では平均130秒と最も時間がかかり、さらに残便感もいちばん悪いという結果になりました。
 その理由としては、座っているときや立っているときには腸は折り曲がっていて、便の出口は完全には開かない仕組みになっているからです。一方、しゃがむと腸の曲がりがまっすぐに近づき、排便がスムーズになります。つまり、しゃがむ和式スタイルが一番自然な排便方式と言えるのです。

◇ 洋式便器使用時と和式便器(SULUTTO装着便器)使用時の腸と肛門の違い
 しかし最近は日本でもほとんどの便器が洋式になってしまい、排便をしにくい状態にしてしまっています。生まれてから洋式でしか排便をしたことがない子供は、今後どんどん増えてくると思われます。実際に子供の便秘は非常に増えています。
 排便がスムーズでないと、強くいきまなければならなくなり、便秘だけでなく痔や憩室炎という病気を引き起こしてしまうことがあります。こういった病気は、便座に座って排便することを習慣にしている国で多く見られると言われています。
 慢性的な便秘は、医師の間でも“治すべき病気”という認識が低いことが多く、医療機関を受診してもきちんとした診断がなされなかったり、飲み続けると腸の動きが悪くなってしまう刺激性の下剤を処方するだけで、適切なアドバイスをしてくれない医師も少なくないようです。
 便秘は様々な病気につながるだけでなく、社会的な損失にもつながります。ぜひ正しい知識をもって便秘を改善するようにしてください。


 確かに子どもの便秘が多いことは日々実感しています。
 当院では便秘の治療をしている子どもが毎日何人も受診されます。
 でも、オムツが外れる前の乳幼児でも多いので、便器だけが原因ではなく、やはり食生活・運動量が関係しているのだと思います。

 患者説明用のプリントを作りがてら、HPにアップ(「子どもの便秘」)したら、そのアクセスの多さに驚いています。
 「こども」「便秘」でググッてみると、515000件中のトップヒット!
 それに目を付けたTV番組から取材の申し込みもありました(丁重にお断りしましたm(_ _)m)。
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アメリカの乳児突然死関連ガイドライン(2016改訂版)

2016年12月07日 07時34分35秒 | アレルギー性鼻炎
 元気な赤ちゃんが何の前触れもなく突然亡くなってしまい、原因が特定できない時に使う病名が乳児突然死症候群(SIDS)。
 2015年には日本で96人(3.8日に一人)、アメリカでは3500人(毎日9.6人)という頻度です。
 それがたまたま予防接種後に起こると・・・ワクチンの副反応との判別がたいへん困難になります。
 
 日本では乳児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(2012年第2版)が作成され、厚生労働省から以下のような啓蒙がされています。

■ 乳幼児突然死症候群(SIDS)について〜睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう
 睡眠中に赤ちゃんが死亡する原因には、乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)という病気のほか、窒息などによる事故があります。
○ SIDSは、何の予兆や既往歴もないまま乳幼児が死に至る原因のわからない病気で、窒息などの事故とは異なります。
○ 平成27年度には96名の赤ちゃんがSIDSで亡くなっており、乳児期の死亡原因としては第3位となっています。
○ SIDSの予防方法は確立していませんが、以下の3つのポイントを守ることにより、SIDSの発症率が低くなるというデータがあります。

(1) 1歳になるまでは、寝かせる時はあおむけに寝かせましょう
 SIDSは、うつぶせ、あおむけのどちらでも発症しますが、寝かせる時にうつぶせに寝かせたときの方がSIDSの発生率が高いということが研究者の調査からわかっています。医学上の理由でうつぶせ寝を勧められている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせましょう。この取組は、睡眠中の窒息事故を防ぐ上でも有効です。

(2) できるだけ母乳で育てましょう
 母乳育児が赤ちゃんにとっていろいろな点で良いことはよく知られています。母乳で育てられている赤ちゃんの方がSIDSの発生率が低いということが研究者の調査からわかっています。できるだけ母乳育児にトライしましょう。

(3) たばこをやめましょう
 たばこはSIDS発生の大きな危険因子です。妊娠中の喫煙はおなかの赤ちゃんの体重が増えにくくなりますし、呼吸中枢にも明らかによくない影響を及ぼします。妊婦自身の喫煙はもちろんのこと、妊婦や赤ちゃんのそばでの喫煙はやめましょう。これは、身近な人の理解も大切ですので、日頃から喫煙者に協力を求めましょう。


 アメリカのガイドラインが2016年に改訂されましたので、その記事を紹介します。
 欧米では従来、乳児早期から親とは別室で寝かせることが習慣と認識していましたが、このガイドラインでは「生後6ヶ月(できれば1年)までは同室で、しかし同じベッドではなくベビーベッドで寝かせましょう」と方針転換していることに気づきました。

■ 乳幼児の突然死予防ための14のこと〜米学会が安全な睡眠環境ガイドラインを5年ぶりに改訂
2016年11月27日:メディカルトリビューン
 乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)は、これまでに目立った病気もなく、健康に過ごしていたにも関わらず、眠っている間に突然死してしまう病気。米国小児科学会(AAP)は、2011年以来、5年ぶりに乳幼児突然死症候群(SIDS)などによる睡眠中の乳児死亡を予防するための安全な睡眠環境に関するガイドライン(GL)を改訂し、 Pediatrics に掲載、自宅などでも実践できる項目を示した。

◇ 1歳まで親と同じ寝室で寝かせることを推奨
 生後2~6カ月に多く見られ、日本では2015年にSIDSで亡くなった乳児は96人で、乳児期の死亡原因として第3位を占めている。予防法は確立しておらず、厚生労働省では「1歳になるまではあお向けに寝かせる」「できるだけ母乳で育てる」「タバコをやめる」ことを発生率を下げるために出来ることとして推奨している。
 一方、AAPは、4カ月未満の乳児だけでなく4カ月以上の乳児でもベッドに毛布や枕などの柔らかい物があるとSIDSリスクが高まるとの新たなエビデンスに基づき、改訂を行った。
 米国では1990年代に展開された乳児の安全な重要性に関する啓発キャンペーンにより、SIDSや窒息事故などによって睡眠中に死亡する乳児は減少傾向にあったが、近年は年間約3,500人前後という。
 今回のGLでは、SIDSや寝具などによる窒息事故などによる1歳未満の乳児の死亡を予防するためにできる19の項目が示された。自宅などで実践できる主なものは次の14の項目。

1.必ず仰向けで寝かせる
2.固いマットレスなどの上に寝かせる
3.母乳育児が推奨される
4.少なくとも生後6カ月まで、できれば1歳を迎えるまでは親と同じ寝室に寝かせる。ただし、親と同じベッドを共有せず、ベビーベッドやバシネット(ゆりかご)などに寝かせる
5.乳児が眠る場所に柔らかい物や寝具は置かない
6.昼寝や夜の寝かしつけのときにはおしゃぶりを与える
7.ソファや椅子には決して寝かせてはならない
8.妊娠中、出産後は禁煙、乳児が受動喫煙になるような環境を避ける
9.乳児がアルコール、違法薬物にさらされないようにする
10.乳児を必要以上に暖かくしない(大人より一枚少ないのがちょうど良いとされる)、頭を覆わない
11.妊婦は出生前の定期健診をきちんと受診する
12.推奨されている全てのワクチンを接種する
13.エビデンスが不十分なため、乳児突然死の発生を避けると宣伝している市販品などを使用しない
14.乳児を毛布などで包み込むことは、推奨されない


 このうち乳児を寝かせる場所に関しては、ぬいぐるみなどの柔らかいおもちゃを置いたままにすることやベビーガード(乳児がベッドの柵にぶつかったり手足を挟んだりしないようにするために柵の内側に取り付けるパッド)、毛布、枕を使用することも否定ベビーベッドを使用する場合には、固いマットレスにぴったりとシーツを敷いた上で乳児を寝かせ、それ以外には何も使用すべきではないとしている。
 また、AAPは「親と同じ寝室にベビーベッドなどを設置して乳児を寝かせることで、SIDSリスクを最大で50%低減させられるとのエビデンスがある」と説明。さらに、親と同じ寝室に寝かせることで万が一乳児が窒息したり、どこかに挟まって動けなくなったりした場合にもすぐに救助できるとしている。
 一方、「ソファや椅子などに寝かせることは極めて危険」と強調。クッションの間に挟まって動けなくなり、窒息する危険性もあるとしている。

◇ 添い寝するならベッド上のすべての寝具を取り除いて
 ただ、昼夜を問わず授乳しなければならない母親にとっては、ソファで授乳しているうちに自身も眠気に襲われ、毎回乳児をベビーベッドなどに運ぶことが難しい場合もある。そのような時は「乳児にとって最も安全な場所は親のベッドの近くに設置された乳児のための寝具だが、授乳中に自分が眠りに落ちそうだと感じたら短時間であれば親のベッドに移動して授乳しても良い。ただし、目覚めたらすぐに乳児をベビーベッドに移すべき」と記載。その理由としてソファや椅子に乳児を寝かせるよりも親のベッドで一緒に寝る方がリスクは低いことを挙げている。
 その一方で、SIDSによる死亡例の多くは親のベッドで寝具を頭までかけた状態で発見されていることに言及し、「親のベッドで一緒に寝る場合は枕やシーツ、毛布など乳児の窒息の原因となる可能性のある全ての物を取り除く」「4カ月未満の乳児や早産児は、どんな状況でもSIDSリスクが高まることが示されているため、同じベッドで寝てはならない」ことなどが注意事項として示されている。
 その他、寝かしつけの際のおしゃぶり使用に関しては、「メカニズムは不明だが、おしゃぶりはSIDSの抑制に有効であることを示唆する2件の報告がある」と説明。ただし、「乳児がおしゃぶりに抵抗を示す場合には、無理に使用する必要はない」としている。


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