小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

新型コロナワクチン(ファイザー社)接種体験記

2021年04月04日 06時51分03秒 | 予防接種
何かと話題の新型コロナワクチン。
医療従事者として、人柱的に皆さんより先に接種させていただきました。
その感想を記しておきます。

1回目接種(2021年3月某日午後)
地域の基幹病院での接種。
受付であらかじめ配布され記入しておいた予診票を提出。
係の人が内容をチェックし、問題がなければ接種会場へ案内される。
過去に予防接種副反応経験者は、接種後30分待機の目印テープを肩に貼られる(それ以外の人は15分待機)。
左肩に筋肉注射、痛みはほとんど感じない。
待機会場へ案内され、所定の時間が過ぎたら接種証明書シールを書類に貼ってもらって終了。

<副反応>
接種部位とその周辺の軽度の痛みだけ。
肩を上げられないほどではない。
夜、お酒を飲んだらふだんより酔い回りが早いという違和感あり。

2回目接種(2021年4月某日午後)
予診票提出から接種、待機方法は1回目と同じ。

<副反応>
接種部位とその周辺の痛みは1回目より強いが、腕を上げられないほどではない。
翌日は朝から悪寒と全身倦怠感が強く出た。
熱はないので我慢して診療をこなす。
診療終了後は熱感が出てきて測ると36.9℃と微妙な数字。
体がつらくて夕方まで臥せっていた。
翌日フルタイムで働くのは無理かもしれないと思った。
夜になり少し体が楽になる。
1回目接種後の「アルコールに弱くなる」状態が再現できるか試してみたが、ふだんと変わらず。
翌々日はふつうの体調に戻る。

・・・こんな感じでした。

このワクチンは有効率95%という驚異的な数字をたたき出しており、「効くワクチンは副反応も強い」を身をもって体験しました。毎年接種している季節性インフルエンザと比較すると、副反応の質と量ともに明らかに強いです。

接種後一過性にアルコールに弱くなる現象は、私以外にも報告されていますが、私の場合再現性はありませんでした。
ロシアの新型コロナワクチン「スプートニクV」は接種前後2か月の禁酒が義務付けられており、その根拠となるアルコールとの関連データがあるのでしょうか。

以上、新型コロナワクチン接種体験記でした。
あくまでも私一人の経験なので、皆さんがこのような経過をたどるわけではありません。
一緒に接種したスタッフたちの中には、
・接種部位の軽度の痛みのみで終わる(2名)
・翌日熱が出てつらかった(1名)
など、さまざまです。

ちなみに、現時点での厚生労働省発表によるファイザー社の新型コロナワクチンの副反応の集計は以下の通りです。

症状:1回目%/2回目%

発熱(37.5℃以上):3.3%/35.6%
発熱(38℃以上):0.9%/19.1%
接種部位反応:92.9%/93.0%
発赤:13.9%/16.0%
疼痛:92.3%/91.9%
腫脹:12.5%/16.9%
硬結:10.6%/9.9%
熱感:12.8%/16.6%
かゆみ:7.9%/10.4%
倦怠感:23.2%/67.3%
頭痛:21.2%/49.0%

赤字部分は私が経験した症状です。
出て当たり前の症状ばかり、ということになりそう。

コメント
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