小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

スギ花粉症の「舌下免疫療法」が効かない人/受けられない人

2014年12月31日 07時15分38秒 | 花粉症
 何かと話題のスギ花粉症舌下免疫療法(シダトレン®)。
 寄せられる期待は大きいのですが、残念ながら万能ではありません。

花粉症さん待望の「舌下免疫療法」、受けられない人って?
(2014.12.29 11:00 Excite Bit コネタ:田幸和歌子)
 大雪被害が各地で報じられるなか、早くも春の訪れを日々望む人もいるだろう。まだまだ遠い春。でも、花粉症に悩む人は、そろそろ準備に取り掛かる時期でもある。
 そんななか、花粉症患者にとって待望の「舌下免疫療法」が、今年10月8日から公的保険適応になっていることをご存じだろうか。
 花粉症治療には「薬物療法」「手術療法」「アレルゲン免疫療法」があり、アレルゲン免疫療法は、対症療法ではなく根治が期待できる方法として注目されてきた。
 なかでも、古くからあった皮下注射法と違い、舌の下に毎日少量ずつスギ花粉を原料としたエキス(シダトレン)を服用する「舌下免疫療法」は、副作用の心配がより少なく、注射の苦痛がないこと、自宅で投与できるのが大きな魅力。ただし、これまでは保険外だったことが唯一のネックでもあった。
 保険でできるならと喜び勇んで調べてみたものの、現時点では都内で受けられる病院・医院はまだわずかのよう。
 しかも、花粉が飛び始める前に治療開始しないといけないため、各クリニック等では「12月初旬までに」「12月中旬頃までに初診を受けるのが必要」とされており、今年度分の予約はすでに終了しているところも多数。そんななか、12月半ばに今年度分を受けられる医院を見つけ、受診したのだが……。
 結果から言うと、残念ながら自分は治療前の血液検査を受けるまでもなく、「治療対象外」となってしまった。「舌下免疫療法」を受けられない人はどんな人なのか。医師の説明と資料類から以下にまとめてみたい。

<舌下免疫療法を受けられない人>
〇「スギ花粉症」と明確に診断されない人
……治療開始前に採血検査を行う。その結果、スギの特異的IgEが上昇し、かつスギ花粉の時期に症状が強い人でないと、適応にならない。
〇舌下アレルゲンエキスの服用を毎日継続できない人
〇2週間に一度受診できない人(発売1年以内。その後も少なくとも1カ月に1度は受診が必要)。
〇β阻害薬(インデラル、セロケン、テノーミン、アーチストなど)を使用している人
〇気管支喘息を合併している人
〇全身ステロイド薬の連用や抗がん剤を使用している人
〇妊娠中の人
〇引越しの予定があり、継続的に通院することができない人
〇アナフィラキシーの前兆に気づけない人(視覚異常、視野狭窄、不整脈等)


 必ず知っておきたいのは、エキス剤は2~3年間シーズン外でも毎日投与する必要があること、治療を受けた患者の7~8割は症状が軽減し、1割は症状がなくなるものの、誰にでも効果があるわけではないということだ。
 また、治療不可ではないが、この治療法はあくまでスギ花粉に対するものであり、他のアレルギーを持つ人にはあまり意味がない可能性もあると言う。
 ちなみに、自分が治療NGになってしまった理由は眼科の病気を持っているから。アナフィラキシーが起こった場合、視野狭窄などになる可能性があるのだが、眼科の病気を持っていると重大な副作用が起きていることに気づかない可能性があるというのである。
 実は耳鼻科薬の多くは、眼圧が上がる可能性があるため、これまで自分はもともと強いクスリが飲めず、弱い内服薬+点鼻薬でしのいできた。
 だからこそ、待ちに待った舌下免疫療法だったのだが、現状として最良の方法を聞くと、「弱い内服薬と点鼻薬を併用して、マスクを必ずつけること」とのこと。
 スギ花粉症患者は、種々のアレルギー持ちの可能性もあり、また、喘息患者のケースもあるだけに、残念ながら万能ではないのだ。
とはいえ、受けられる人にとっては夢のような治療法であるのは事実。今年度分の治療はもう難しいかもしれないけど、興味がある人は一度検討してみては?


 私自身もスギ花粉症患者ですので舌下免疫療法を受けたいと期待してきたのですが、上記の「受けられない人」の項目に当てはまってしまい、適応外となっています。
 残念。
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花粉症緩和米/治療米~ご飯を食べるだけで花粉症治療ができる時代が来る?

2014年12月30日 06時29分23秒 | 花粉症
 この秋からスギ花粉症に対する「舌下免疫療法」がはじまりましたが、今度は「米を食べて治す方法」が登場しそうです。
 近年、「口から入ると免疫寛容」「皮膚から入ると感作」という説がメジャーとなり、これを利用した治療の開発が進んでいますね。

花粉成分含んだ米、毎日食べると花粉症が緩和?
(2014年12月28日:朝日新聞)
花粉症緩和米をつかった臨床研究
 スギ花粉の成分を含ませたコメを毎日食べると、花粉症を起こす体の免疫反応が抑えられた、とする研究を東京慈恵会医科大などがまとめた。免疫細胞が少しずつ花粉に慣れ、花粉を「異物」と認識しなくなった可能性があるという。研究チームは、コメから抽出した成分を薬として実用化することを目指している。
 このコメは農業生物資源研究所や日本製紙、サタケが遺伝子組み換え技術を使って開発した「花粉症緩和米」。慈恵医大の斎藤三郎・分子免疫学研究部長らは昨年12月から今年5月まで、花粉症患者30人を対象に効果を調べた。
 この結果、緩和米80グラムを毎日食べた人は花粉の飛散が始まってもスギ花粉に反応する免疫細胞がほとんど増えなかったのに対し、普通のコメを食べた人は、研究開始時に比べ3~4倍に増えていた。副作用は特になかった。
 アレルギーの原因となる物質を少しずつとり、体を慣れさせて体質改善を目指す治療法は減感作療法と呼ばれる。スギ花粉を原料とする薬も発売されている。
 農業生物資源研究所ではさらに効果を高めた「花粉症治療米」を開発した。コメのままでは安定して保管しにくく、薬局にも置きにくいことなどから、研究チームは、この米を原料にした花粉症の薬の開発を目指している。高野誠・遺伝子組換え研究センター長は「来年度にも治験を始めたい」と話す。
 国立病院機構相模原病院の海老沢元宏アレルギー性疾患研究部長は「血液中の免疫細胞の増殖が抑えられても症状が抑えられるかどうかはわからず、この点の検証が必要だ」と話している。

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第1回総合アレルギー講習会へ参加してきました。

2014年12月22日 06時57分44秒 | 気管支喘息
 日本アレルギー学会の秋の学会が「講習会」に名前を変えてはじめての会合です。
 参加費20000円なり(高い!)。
 土日開催ですが、開業医はこのインフルエンザ流行期に休診にすることが難しいので、日曜日だけの参加となりました。半分だから参加費も半分にならないかなあ・・・(苦笑)。
 愚痴はさておき、印象深かったのが2つの「実習」です;

■ 吸入指導(小児):長尾みづほ先生(国立病院機構三重病院)
 小児喘息の吸入療法で使用されるデバイス(機械/器具)の解説です。
 日本人は漢方薬の影響か飲み薬には抵抗がないのですが、「吸入」という方法になかなか馴染めません。ましてや相手は子どもです。現場のノウハウを実物を見せながらの説明は説得力があり、聞いている方もウンウンと納得できました。
 日々の診療でも指導しているので知識の確認目的でしたが、気になった点/気づいた点をメモ;

・大泣きしていたら、しっかり吸入できていると思うのは間違い。吸気速度が速すぎるので薬が咽頭部に付着してしまい、気道の奥まで到達せず効率が低下する。
・子どもは「吸う」動作に慣れていない。「ジュースをストローで飲むように」など、具体的な例を挙げてイメージさせるとよい。
・マスクつきスペーサーを使用するときは密着度がポイント。しかし、密着させていざ吸入薬をプッシュすると「プイッ」と顔を背けて失敗することが多い。頭を保持して吸入させるべし。
・練習用トレーナーで音が出ることだけを強調すると、短時間(瞬間的)に勢いよく吸うクセが付いてしまいがち。音を長く出すよう指導すべし。
・市販されているスペーサー(吸入補助器具)で代表的なのはエアロチャンバー。しかし、マスクタイプは乳児用/小児用、マウスピースタイプは男の子用/女の子用と細かく分けられ年齢が長ずると買い換えなければならない(商魂たくましい?)。一方、オプティチャンバーダイアモンドはマスクの付け替えができるので経済的/良心的である。ボアテックスは静電気対策がされている商品。
・DPI製剤(フルタイド/アドエアディスカス等)でうまく吸入できているか確認する方法:吸入後のDPIをコンコンとたたいてみて粉が落ちてくるかどうか観察(しっかり吸入できていないと薬剤がまだ吸入器内に残っている)
・重症牛乳アレルギー患者はDPIに乳糖が入っているので注意すべし。経口では無症状でも、吸入はダイレクトに血流に入るので症状が出る可能性がある(抗インフルエンザ薬のイナビルにも乳糖が入っておりアナフィラキシーの報告あり)。

■ アトピー性皮膚炎のスキンケア:加藤則人先生(京都府立医科大学皮膚科)
 アトピー性皮膚炎における保湿の位置づけと保湿剤の解説、そして洗う際の石けんの泡立て方の実技、保湿剤塗布の実技指導。
 固形石けんを泡立てる方法と、液体石けんをビニール袋で泡立てる方法を実際に行い比較してみると、固形石けんの方がクリーミィできめが細かいことに気づかされました。界面活性剤が少ない方がクリーミィになりやすく肌に刺激が少ないと説明されました。
 近年有名になったFTU(finger tip unit)の原著の記載は25gチュープでの話(日本では5gチューブが中心なので少なめになる)。
 ヒルドイドソフトとローションを実際に自分の肌に塗布しましたが、ローションは手のひらに1円玉大落としてそれを手のひら2枚分として塗るのですが、ベタベタして拭き取りたくなるくらい。塗った直後に服を着ることをためらわれる量でした。
 こちらの実習では質疑応答が盛り上がりました。

Q. 保湿剤とステロイド軟膏はどちらを先に塗るべきか?
A. 私(講師)は保湿剤→ ステロイド軟膏の順番で指導している。しかし、どちらの順番でも効果/副作用に差がないという報告がある。

Q. アトピー性皮膚炎に対してローション、クリーム、軟膏の使い分けは?
A. 乾燥しやすいのはローション>クリーム>軟膏の順なので、ステロイド軟膏は基本的に軟膏が第一選択。しかし保湿剤は内容物に乾燥対策が取られているので、好みのものを季節も考慮しながら使ってよいと思う。ただ、ワセリン(軟膏)の上にローション/クリーム・タイプのステロイドを塗っても吸収されないことに注意すべし。

Q. ステロイド軟膏と保湿剤を混ぜて使うのは良いか悪いか?
A. 「ステロイド軟膏を薄めて副作用を軽減する」イメージがあるが、逆に吸収がよくなる組み合わせもあるので「何が起こるかわからない」と認識すべき。混ぜないことが基本と考えるが、私(講師)は、患者さんの湿疹がひどいときに全身に保湿剤とステロイド軟膏を2度塗りするのは大変なので、急性期に限定して処方することはある。
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「小児気管支喘息治療の最新情報」(渡辺雅子/勝沼俊雄先生)

2014年12月05日 08時08分54秒 | 気管支喘息
 前置きとして、経験談を少々・・・

 私は小児喘息の診療に四半世紀以上関わってきました。
 その間、治療の主役となる薬物の入れ替わり~変遷を経験しました。

 小児科医になった1980年代後半は、気管支拡張薬「テオリフィン製剤」の全盛期。
 内服ではテオドールやテオロング、点滴ではネオフィリン。
 この薬は効くのですが、有効域が狭いのが難点で、多いと中毒症状が出ますし、少ないと効きません。
 そのため、採血して血液中の濃度を確認しながら“さじ加減”を調節する必要がありました。

 その後、1990年代に入ると「喘息の病態は“気管支収縮”ではなく“気道炎症”である」という考え方に代わり、吸入ステロイドを中心とする抗炎症薬が使われるようになりました。
 ただ、「ステロイド」は既にアトピー性皮膚炎の副作用で社会問題になっていたこともあり、普及はなかなか進みませんでした。
 実際に使用してみると、その効果には目を見張るモノがありました。
 テオフィリン製剤を定期内服していてもなかなか発作のコントロールが難しい患者さんに吸入ステロイドを導入すると、発作入院の回数が激減したのです。
 小児喘息は、入院を睨みながら病院小児科で治療する病気から、開業小児科で管理できる病気へ変わった瞬間です。
 それとともに、長期入院療法を行っていた病院小児科は患者数激減のため閉鎖するところが増えました。
 その後、私自身も開業し、日々、吸入ステロイド薬中心の喘息診療に携わっていますが、発作がひどくて点滴したり、入院目的で病院へ紹介することは希です。


 さて、本題です。
 題名の小論文は医療雑誌「小児科」(金原出版)2014年5月号に掲載されたものです。
 最近、「喘息のフェノタイプ分類によるオーダーメイド治療」という言葉を耳にします。
 吸入ステロイド薬でもコントロール困難な難治例に対して、喘息のタイプをその病態により再分類し、最適な薬物を使用すべしという考え方。
 そういう時代が間もなく訪れるのですね。
 ただし、学会レベルではよく取りあげられているものの、なかなかまとまった文章が見当たらず、たまたま購入した雑誌の掲載に気づいたのでした。

 近年、吸入ステロイド薬の先にある喘息治療薬として、分子標的薬が注目されています。
 具体的には、オマリズマブ(抗IgE抗体)、メポリズマブ(抗IL-5抗体)、レブリキズマブ(抗IL-13抗体)、ドゥピルマブ(抗IL-4受容体・サブユニット抗体)等々。
 このうちオマリズマブは製品化され(ゾレア®)、従来の治療ではコントロールできない難治性喘息に認可されています。

【喘息のフェノタイプと特異的治療薬】
早期発症アレルギー性 Early-onset allergic(病態:IgE↑、Th2、SBM↑)→ オマリズマブ
後期発症好酸球性 Late-onset eosinophilic(病態:ステロイド不応、好酸球、IL-5、IL-13)→ レプリキズマブ、ドゥピルマブ
運動誘発性 Exercise-induced(病態:マスト細胞、Th2、Cys-LT)→ ロイコトリエン受容体拮抗薬
肥満性 Obesty-related(病態:Th2↓、酸化ストレス)→ ダイエット、抗酸化剤
好中球性 Neutrophilic(病態:好中球、Th17、IL-8)→ マクロライド


 他に注目されている治療法として、舌下免疫療法も紹介されていました。
 2014年10月にスギ花粉に対する舌下免疫療法剤「シダトレン®」が発売されたばかりですが、ダニアレルギーに対する舌下錠が発売予定とのこと(前項参照)、適応はアレルギー性鼻炎ですが、いずれダニアレルギーの喘息にも適用されることが期待されます。

 それから、吸入ステロイド療法の使い方の工夫として「間欠吸入法」にも触れています(前々項参照)。


メモ
 自分自身のための備忘録。

オマリズマブ(ゾレア®)
 95%ヒト化された抗IgEモノクローナル抗体。IgEのFcεRI結合部位を認識するので、マスト細胞表面上のIgEを刺激することはない。すでに小児に対しても保険適応が認可されており、既存治療でコントロールが得られない難治性喘息患者が適応となる。
 臨床的には、経口ステロイド減量効果、さらには重症例での医療費削減効果等が認められている。

メポリズマブ
 ヒト化抗IL-5モノクローナル抗体。成人の難治好酸球性喘息を対象としたランダム化二重盲検比較試験が行われ、喘息増悪阻止効果とQOL改善効果が報告されており、ステロイド抵抗性の好酸球性喘息患者への臨床応用が期待される。

レブリキズマブ
 ヒト化抗IL-13モノクローナル抗体。吸入ステロイド抵抗性成人喘息を対象としたランダム化二重盲検比較試験が行われ、血清ペリオスチン高値の亜群において有意な呼吸機能改善が認められた。

ドゥピルマブ
 ヒト化抗IL-4受容体αサブユニットモノクローナル抗体。IL-4およびIL-13のシグナル伝達を抑制する。中等~重症の好酸球性成人喘息に投与したところ、ICS/LABA合剤を減量/中止後、プラセボとの比較において増悪が抑制された。
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「シダトレン®」の錠剤が治験中。

2014年12月03日 08時04分47秒 | 花粉症
 スギ花粉症舌下免疫療法「シダトレン®」、当院では現在2人の患者さんに使用中ですが、問題なく継続できています。
 いずれシダトレン®の錠剤が発売されるらしい、との噂を耳にしていましたが、啓蒙書の紹介文にその記載を見つけました;

 今回発売されたシダトレンは,液剤であるが,舌下錠剤も開発されている。現在,スギ花粉症に対して5歳以上を対象とした治験が始まっている。
 また,シダトレンとは別にダニ(ハウスダスト)アレルゲンに対する舌下錠剤も12歳以上のアレルギー性鼻炎を対象に2015年に発売予定となっている。そして,5歳以上を対象とした治験が2015年から予定されている。


 う~ん、治験中でまだ発売時期は未定のようですね。
 発売元の鳥居薬品のHPを見ても同じ事しか書いてありません。

 それより驚いたのは「ダニ(ハウスダスト)アレルゲンに対する舌下錠剤」が発売予定!?
 これが有効なら通年性アレルギー性鼻炎の患者さんには大きな福音になるはず。
 一年中鼻閉がつらくて薬が欠かせない患者さんにお勧めしたいですね。

 さて、2015年春の花粉症予想です;

スギ花粉飛散ピーク、西~東日本は3月上~中旬-2015年地域別スギ・ヒノキ花粉飛散傾向
(2014年12月01日:QLifePro)
◇ 飛散開始は平年並みか平年よりやや早い予想
 株式会社ウェザーニューズは11月27日、2015年春シーズンのスギ・ヒノキ花粉の飛散傾向を発表した。2015年の花粉シーズンは、九州や西日本では2014年よりも少ない飛散量となるものの、関東を中心とする東日本(太平洋側)で2014年シーズンの2~3倍になると予想されている。
 花粉の飛散開始時期は、九州と関東が最も早く1月末~2月はじめにかけて、以降、2月中旬に東海や西日本、2月下旬には北陸・東北でも飛散が始まる模様。スギ花粉の飛散がピークとなる時期は、九州では2月末~3月はじめに、西日本、関東、東海では3月上旬~中旬に、北陸では3月中旬~下旬に、東北では3月下旬~4月上旬となる見通しとしている。
◇ 関東では前年比2.5倍を超える花粉が飛散すると予想
 花粉が多く飛散した翌年は飛散量が少なくなったり、少ない年の翌年は多くなったりと、花粉の飛散量は交互に増減する傾向がある。2015年の花粉シーズンは、東北~中国、四国(瀬戸内側)では、前年よりも飛散量が多くなる傾向。また、北海道や九州、四国(太平洋側)では2015年春は前年よりも飛散量が少なくなる傾向と言えるが、近年は特に九州や北海道では飛散量の増減がやや不明瞭になる傾向があり、東日本エリアと比べると、飛散量の増減に対しては、夏の天候の影響が大きいと考えられる。

県別に見た前年比の花粉飛散量予想では、関東エリアが最も高く、東京都の295%を筆頭に、関東の1都6県すべてで前年度の2倍以上の花粉が飛散すると予測されている。一方、中国四国の一部と九州では、前年を下回っており、徳島県と高知県では前年の約半分の飛散量と予測されている。
▼外部リンク
株式会社ウェザーニューズ プレスリリース
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