小児アレルギー科医の視線

医療・医学関連本の感想やネット情報を書き留めました(本棚2)。

適度の運動とは?

2023年01月29日 11時44分45秒 | 予防接種
健診を受けると「適度の運動をしてください」と指導されます。
何となく頷いてしまうけど、
はて、「適度の運動」ってどのくらいなんだろう?

「汗ばむくらいの運動は脂肪を燃焼させる」
と耳にしたことがあるから、それが目安かな。

WHOが推奨する「適度の運動」の記事が目に留まりましたので、
紹介します。

私は肥満児の生活指導の一環として「適度の運動」と取り入れたいのですが、
記事の内容は、

・ウォーキングなど、中程度の運動を週150分。
 できれば1回30分を5回に分けるのが理想。
・ランニングなど、激しい運動を週に75分。25分を3回が理想。 
 10分未満の運動は1回にカウントせず、
 できるだけ1週間のうちにまんべんなく分散させる
 (つまり、1回で90分やっても不十分)。

とシンプルすぎて参考になりません。
「毎日1日30分、散歩(ウォーキング)をしましょう」
と指導しても守ってくれる子どもはまずいないでしょう。
もっと、楽しみを付加した運動メニューをたくさん例示してもらわないと、
役に立ちませんよ、長友さん。


▢「適度な運動」ってどのくらい?WHOのガイドラインで運動習慣を見直そう
長友佑都:体幹×チューブトレーニング
◇「適度な運動」ってどのくらい?
 何とか運動の時間をつくって、健康的な生活を送りたいと思う人はたくさんいますが、はたして適度な運動とはどの程度なのでしょうか? ・・・

◇ 適度な運動量の基準

 適度な運動量ついては、主要な健康機関で意見が一致しています。 
 世界保健機関、米国疾病予防センター、米国心臓協会などの機関が、有酸素運動について次のようなガイドラインを出しているのです。 

・ウォーキングなど、中程度の運動を週150分。できれば1回30分を5回に分けるのが理想。 
・ランニングなど、激しい運動を週に75分。25分を3回が理想。 10分未満の運動は1回にカウントせず、できるだけ1週間のうちにまんべんなく分散させる(つまり、1回で90分やっても不十分)。

 近所を散策するのが好きなら、1つ目の方法が良さそうです。 ハードなトレーニングが好きで、スポーツウェアの洗濯が億劫なら2つ目の方法が良いでしょう。もちろん、それらを混ぜても構いません。たとえばこんな感じです。

・平日の通勤で片道15分間の道のりを行き帰り歩く(5×30分=150分の中程度の運動) 
・月水金で1回3~5キロ程度走る(3×25分=75分の激しい運動) 
・90分間のサイクリングクラスに週1で参加し、そのほかの3日に食後の散歩をする(1×90分=90分の激しい運動、プラス3×15=45分の中程度の運動) 
・月曜日は30分自転車で出かけ、水曜日には45分のウォーターエアロビクス教室、土曜日には短いハイキング、土曜日の1時間は芝刈り(30+45+30+60=165分の中程度の運動) 
「中程度」と「激しい」の判断に迷ったら、英国国民保健サービスのリストをご覧ください。


◇ モノ足りない人へ

 それではモノ足りないという活発な人に朗報です! 
 WHOは、あなたのような人向けに第2の目標を定めています。シンプルに前述の目標を2倍にしたものです。 つまり、激しい運動を1週間に150分することを目指してください。 月と木に90分間の激しいクラスを入れる 平日毎日5キロ走る 週に3回、1時間の武道クラスに通う 中程度の運動なら、毎朝の朝食前に1時間歩くという、元気なおじいちゃん、おばあちゃんが大好きな活動はいかがでしょうか(一応補足すると、ここで紹介している運動量の基準は、65歳までの人向けです)。

◇ 上限はあるのか?
 気になるのが上限。運動のやりすぎということはないのでしょうか? 
 公衆衛生の観点からは、どんなにやってもやりすぎることはないようです(同様に、どんなに少なくても、やらないよりはマシです)。 とはいえ、あなた個人で考えた時に、身体の限界を超えてやりすぎてしまうことは考えられます。 たとえば、それまで散歩程度しかしていなかったのに、急にマラソントレーニングをはじめるのは危険です。すぐに休んだほうが良さそうです。

◇ 筋力強化・神経系のトレーニングも重要
 ここまでは動き続けることで心拍数を高める有酸素運動について紹介しましたが、ほかにも重要な運動はあります。 
 前述のWHOほかの組織は、週に2回の「高強度筋力強化運動」をすすめています。 「1セット何回を数セット」という種類の運動です(最初は8~10回を3セットするのがおすすめです)。 
 筋肉に負担をかけられれば何でも構いません。負荷としては、10回目が1回目よりもかなりキツイというのが目安です。 ウェイトリフティングやトレーニングチューブを使ったエクササイズのほか、腕立て伏せのように自重を使ったエクササイズもあります。 
 週に3回ランニングをしていてまだ時間があるなら、残りの週2日をランニングにあてずに、筋トレにチャレンジしてみましょう。米国スポーツ医学会ではさらに、忘れがちな2つの運動をすすめています。 
・週に2、3回のストレッチ。各筋肉グループにつき60秒が理想。10から30秒を数回でもOK。 
・週に2、3回、視覚と手の協調などの神経筋トレーニング。バランスや協調、自分の足取りに注意を払うなどがこのカテゴリーに含まれる。 
 これらは2つとも、ほかの運動と組み合わせてできます。 たとえばストレッチは、メインの運動が終わったあとの整理運動として、あるいは逆に準備運動として行なうと良いでしょう。 ランジのようにバランスと協調を要する機能運動は、神経筋トレーニングをしていることになります。

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アメリカ人の40%以上が肥満

2023年01月29日 11時25分41秒 | 予防接種
「アメリカ人の3人に1人が肥満」
と以前から耳にしてきました。

テレビのニュース番組で、
「貧困層は高価な野菜を買えず、栄養バランスの良い食事をとれない」
「高カロリーかつ低栄養のファストフードばかり食べるので太る」
という社会の病理が原因であることを報道していました。

肥満は生活習慣病~メタボリックシンドロームのリスク因子であり、
動脈硬化を経て、最終的には脳卒中や心筋梗塞のリスクであることは有名です。

対策はとっているのでしょうが、
増加の勢いは止まらず、最近はさらに増えて、
「40%以上」という記事が目に留まりましたので紹介します。

内容は、
・適切な食事と適度の運動
という従来通りの解説で、目新しい情報はあまりありませんでした。

▢ 成人の40%以上、米国で蔓延する肥満との戦い
2023/1/28:Yahooニュース)より抜粋;
※ 下線は私が引きました。
 米国は本当に世界で最も肥満の多い国なのだろうか? 
実際は、世界で12番目に肥満の多い国で、高所得の国の中では1位だ。
肥満とは体脂肪が過剰で…BMIが30以上の状態を指す。
 米国民健康・栄養調査のデータによると、成人の5人に2人以上、子どもの5人に1人近くが肥満であることがわかっている。さらに、米国では肥満率が35%を超える州が19州あり、昨年の16州から増加した。10年前には、肥満率が35%を超えている州はなかった。肥満は糖尿病、心臓病、脳卒中、乳がんや大腸がんなど、さまざまな健康障害と関連がある。・・・
 米国における肥満の蔓延には多数の要因があるが、大きな懸念は食べ物の量だ。・・・
 ある先行研究では、米国の食事量を世界の他の国の食事量と比較している。この研究では、パリの食事量はフィラデルフィアの食事量の4分の1であることがわかった。米国内でも、ファーストフードの量は1950年代に比べて4倍にもなっている。最近海外に行ったが、米国以外の国では、マクドナルドの特大サイズのポテトを食べることはできない。 コーネル大学の研究でも、人はより多くのものを与えられるとより多く食べることが実証されている。外食が多い米国人にとって、分量が多いほどカロリー摂取量が多くなり、体重が増えるのは当然だ。
 さらに、米国人の座りっぱなしの生活も問題だ。84%の米国人が1日2時間以上テレビを見て過ごしている。15年間にわたって米国人の行動パターンを追跡調査した研究によると、座っている時間の合計は、青年で1日7時間から8.2時間に、成人では5.5時間から6.4時間に増加した。米国人が活動的でなくなるにつれて、1日に消費されるカロリーが少なくなり、カロリーが蓄積され、最終的に体重が増加する可能性が高い。

◇ 肥満の抑制は食生活の改善や運動といった取り組みだけでは成功しない
 また、携帯電話、iPad、コンピュータなどのテクノロジーによるスクリーンタイムも、米国人のフィットネスとアクティビティを向上させるという目的のためには役に立たない。米国保健福祉省が2018年に発表した「米国人のための身体活動ガイドライン」によると、成人は週に150~300分の中程度の身体活動、または週に75~150分の活発な身体活動に従事すべきとされている。 
 米国における肥満の抑制は、食生活の改善や運動といった個人レベルでの取り組みだけでは成功しないだろう。肥満の抑制は差別、食糧不安、主要な健康資源へのアクセス不足などの構造的要因を対象とした公衆衛生的アプローチによってのみ可能となる。例えば、食料不安とは、資金や資源が不足しているために健康的な食品を摂取できないことを指す。米国の最貧困層は、スーパーマーケットで最も栄養価の高い高価な食品を買うことができないことが多く、その代わりに、カロリーは高いが栄養価の低い、安価なファストフードを購入しなければならないマイノリティや社会経済的地位の低い人々に肥満が多いのは当然のことだ。米国では非ヒスパニック系黒人の肥満率が最も高く、次いでヒスパニック系成人となっているが、これは彼らの住む場所や健康的な食品を購入するための資源がないことが原因であることが多い。 
 米国政府および州の政策立案者は、肥満との闘いを優先させなければならない。これは、栄養補助プログラムのような連邦政府のプログラムへの資金を増加させると同様に、パンデミックの間に多くの州で行われたように、すべての公立学校の子どもたちのために健康的な学校給食を提供することによって行うことができる。 高品質の食事をする余裕がある人たちにとって、肥満の解消は、特に健康的で少量の食事、そして活発な運動といったことから始まる。・・・
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小児肥満診療ガイドライン(アメリカ小児科学会編)

2023年01月22日 15時30分43秒 | 予防接種
肥満の診療ができるよう、調べて整理中です。
しかし調べれば調べるほど資料が膨大な量になり、
まとめることができないでいます。

なぜって、肥満は生活習慣病ですから、
食生活だけではなく生活全体に問題が潜んでおり、
それをあぶりだして一つ一つ改善しなければ解決しないのです。

そして肥満症は自覚症状がなく、病識がありません。

つまり、問題点を指摘しても、
「別に今、困ってないし~」
と反応が悪いので、
医療側もそれにエネルギーを費やすモチベーションが続きにくい。

今回は日本より肥満体国のアメリカにおける、
小児肥満診療ガイドライン改定のニュースを紹介します。
なお、アメリカでは肥満症の評価に成人と同じBMIを使用していますが、日本では肥満度を採用しています。

あらかじめ、私が感じたポイントを列挙します;
・12歳未満:肥満症の治療という目的のためだけに減量薬の使用を推奨できるほどのエビデンスは存在しない。
・12歳以上:減量薬の処方のほか、行動療法やライフスタイル療法を推奨。
・13歳以上:高度肥満の子どもに対しては、減量手術を検討することも推奨。
・米国の小児肥満患者は1440万人を超え、2型糖尿病や睡眠時無呼吸症候群、胆のうの疾患、心臓病、ぜんそく、関節や骨の障害などの発症リスクが高くなっている。

12歳以上では薬物療法も選択肢に入ってくる、13歳以上の高度肥満では手術も視野に入る点が日本と異なりますね。
日本より重症肥満が多いアメリカでは、
より積極的な治療・介入が示されています。

▢ 子どもの肥満、年齢や程度によっては減量薬や手術も推奨 米学会
2023/1/15:Forbes JAPAN)より抜粋;
※ 下線は私が引きました。

米国小児科学会は、2歳以上の子どもの肥満治療に関するガイドラインを15年ぶりに改定した。12歳以上には減量薬の処方を推奨しているほか、13歳以上の高度肥満の場合は外科手術も検討すべきだとしている。 
ガイドラインでは肥満を、栄養価の高い食品を手に入れにくい、運動の機会が少ない、医療を利用しづらいといった要因に関連した慢性疾患と認めている。 12歳以上の肥満の子どもについては、減量薬の処方のほか、行動療法やライフスタイル療法を勧めている12歳未満に対しては、肥満症の治療という目的のためだけに減量薬の使用を推奨できるほどのエビデンスがなかったという。 13歳以上の高度肥満の子どもに対しては、減量手術を検討することも推奨している。減量のために胃や腸の手術を受けた子どもは、体格指数(BMI)が29%低下したという研究結果がある。

■米国の子ども1400万人超が肥満、糖尿病や心臓病に懸念 
ガイドラインでは、6歳以上の子どもはBMI測定や動機づけ面接などを通じて、肥満の検査を毎年受けるのが望ましいとしている。 米疾病対策センター(CDC)は、子どもの場合、BMIのパーセンタイル値(計測値を小さい順に並べたときに値の順位を百分率で表したもの。50パーセンタイルが中央値)が85パーセンタイル以上95パーセンタイル未満だと「過体重」、95パーセンタイル以上だと「肥満」と判断している。たとえば10歳の少年の場合、BMIが21だと85パーセンタイルとなり過体重、BMIが23だと95パーセンタイルに上がり肥満に該当する。
CDCによると、米国の小児肥満患者は1440万人を超え、2型糖尿病や睡眠時無呼吸症候群、胆のうの疾患、心臓病、ぜんそく、関節や骨の障害などの発症リスクが高くなっている。 小児科学会によると、今回のガイドラインは肥満の予防よりも肥満の治療に焦点を当てたものになっており、前者については別個文書を用意しているという。 改定作業にかかわったサンドラ・ハシンクはプレスリリースで、子どもの肥満患者がライフスタイルや行動、環境を持続可能なやり方で変えていくのを後押しするのが新ガイドラインの目的だと説明している。 米食品医薬品局(FDA)はこれまでに、ノボノルディスクの「ウェゴビー」など、子どもも服用できる減量薬をいくつか承認している。


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小児肥満症に対する生活質問票

2023年01月22日 15時28分57秒 | 予防接種
肥満症は生活習慣病です。
その生活習慣をチェックする質問票がいくつか作成されていますが、
残念ながら小児に特化したものは存在しません。
成人用の質問票を小児に応用可能かどうか、
アレンジしてみたいと思います。

まずは「肥満症診療ガイドライン 2016 」
の「p41 表 4-3 一部改変」した質問表で、
子どもになじまない・そぐわない質問、
直しようのない性癖を抜いてみます。

1. 早食いである 
 2. 肥るのは甘いものが好きだからと思う 
 3. コンビニをよく利用する 
4. 夜食をとることが多い 
 5. 冷蔵庫に食べ物が少ないと落ち着かない 
6. 食べてすぐ横になるのが肥る原因だと思う → 食べてすぐ横になる
 7. 宴会・飲み会が多い
 8. 人から「よく食べるね」といわれる 
 9. 空腹になるとイライラする  
 10. 風邪をひいてもよく食べる 
11. スナック菓子をよく食べる 
12. 料理があまるともったいないので食べてしまう 
 13. 食後でも好きなものなら入る 
14. 濃い味好みである  → 家の味付けは濃い
 15. お腹一杯食べないと満腹感を感じない 
16. イライラしたり心配事があるとつい食べてしまう
 17. 夕食の品数が少ないと不満である 
18. 朝が弱い夜型人間である 
19. 麺類が好きである  → 麺類をよく食べる
 20. 連休や盆、正月はいつも肥ってしまう 
21. 間食が多い 
 22. 水を飲んでも肥るほうだ 
23. 身の回りにいつも食べ物を置いている 
24. 他人が食べているとつられて食べてしまう
25. よく噛まない
26. 外食や出前が多い
27. 食事の時間が不規則である
28. 外食や出前を取るときは多めに注文してしまう
29. 食事のメニューは和食よりも洋食が多い
30. ハンバーガーなどのファストフードをよく利用する
31. 何もしていないとついものを食べてしまう
32. たくさん食べてしまった後で後悔する
 33. 食料品を買うときは必要量よりも多めに買っておかないと気がすまない 
34. 果物やお菓子が目の前にあるとつい手が出てしまう
35. 1 日の食事中、夕食が豪華で最も多い
36. 肥るのは運動不足のせいだ  → 運動する機会が少ない
37. 夕食をとるのが遅い
 38. 料理を作る時には多めに作らないと気がすまない
 39. 腹を感じると眠れない  
40. 菓子パンをよく食べる  
41. 口一杯詰め込むように食べる  
 42. 他人よりも肥りやすい体質だと思う  
 43. 油っこいものが好きである  
 44. スーパーなどでおいしそうなものがあると予定外でもつい買ってしまう 
 45. 食後すぐにでも次の食事のことが気になる 
 46. ビールをよく飲む 
47. ゆっくり食事をとる暇がない 
48. 朝食をとらない 
 49. 空腹や満腹感がわからない 
 50. お付き合いで食べることが多い 
 51. それほど食べていないのに痩せない 
52. 甘いものに目がない 
 53. 食前にはお腹が空いていないことが多い 
 54. 肉食が多い 
55. 食事の時は次から次へと口に入れて食べてしまう

回答は、

① そんなことはない 
② ときどきそういうことがある
③ そういう傾向がある 
④ まったくそのとおり

でつけていただくのが基本ですが、
初回の1回だけではなく、
自覚してもらったよくない生活習慣が改善できているかどうかを、
毎月自己チェックしていただきたいので、
以下のようにアレンジします。

〇   いいえ
▢  たまに(週に1回以下)
△ ときどき(週に2回以上)
×  はい(ほぼ毎日)

ではアレンジ後の質問一覧です。

1. 早食い(である)
4. 夜食をとる(ことが多い)
6. 食べてすぐ横になる
11. スナック菓子をよく食べる
12. 料理があまるともったいないので食べてしまう
14. 自宅料理の味付けは濃い
16. イライラしたり心配事があるとつい食べてしまう
18. 朝が弱い夜型人間である
19. 麺類をよく食べる
21. 間食が多い
23. 身の回りにいつも食べ物を置いている
24. 他人が食べているとつられて食べてしまう
25. よく噛まない
26. 外食や出前が多い
27. 食事の時間が不規則である
28. 外食や出前を取るときは多めに注文してしまう
29. 和食よりも洋食が多い
30. ハンバーガーなどのファストフードをよく利用する
31. 何もしていないとついものを食べてしまう
32. たくさん食べてしまった後で後悔する
34. 果物やお菓子が目の前にあるとつい手が出てしまう
35. 1 日の食事中、夕食が豪華で最も多い
36. 運動する機会が少ない
37. 夕食をとるのが遅い
40. 菓子パンをよく食べる
41. 口一杯詰め込むように食べる
47. ゆっくり食事をとる暇がない
48. 朝食をとらない
52. 甘いものに目がない
55. 食事の時は次から次へと口に入れて食べてしまう

30個の質問に減りました。
次に、生活習慣、食習慣、食事内容、食に対するし癖・クセに分けてまとめてみます。

〇   いいえ
▢  たまに(週に1回以下)
△ ときどき(週に2回以上)
×  はい(ほぼ毎日)

<生活習慣>
18. 夜型人間
36. 運動しない

<食習慣>
48. 朝食をとらない
37. 夕食をとるのが遅い
4. 夜食をとる
27. 食事の時間が不規則
21. 間食する(おやつ以外)
23. 身の回りにいつも食べ物を置いている
6. 食べたあとすぐ横になる
35. 1 日の食事中、夕食が豪華で最も多い

<食事内容>
52. 甘いもの
11. スナック菓子
19. 麺類
40. 菓子パン
30. ハンバーガーなどのファストフード
26. 外食や出前
29. 和食よりも洋食が多い
14. 自宅料理の味付けは濃い

<食に関するクセ>
1. 早食い
25. よく噛まない
41. 口一杯詰め込むように食べる
47. ゆっくり食事をとる暇がない
55. 食事の時は次から次へと口に入れて食べてしまう
12. 料理があまるともったいないので食べてしまう
16. イライラしたり心配事があるとつい食べてしまう
24. 他人が食べているとつられて食べてしまう
28. 外食や出前を取るときは多めに注文してしまう
31. 何もしていないとついものを食べてしまう
32. たくさん食べてしまった後で後悔する
34. 果物やお菓子が目の前にあるとつい手が出てしまう

さて、この中で改善できるものとできないものがあります。
努力しても改善できそうにない項目を抜いてみましょう。

〇   いいえ
▢  たまに(週に1回以下)
△ ときどき(週に2回以上)
×  はい(ほぼ毎日)

<生活習慣>
18. 夜型人間
36. 運動しない

<食習慣>
48. 朝食をとらない
37. 夕食をとるのが遅い
4. 夜食をとる
27. 食事の時間が不規則
21. 間食する(おやつ以外)
23. 身の回りにいつも食べ物を置いている
6. 食べたあとすぐ横になる
 35. 1 日の食事中、夕食が豪華で最も多い  → 一人だけさみしい食事は難しい

<食事内容>
52. 甘いもの
11. スナック菓子
19. 麺類
40. 菓子パン
30. ハンバーガーなどのファストフード
26. 外食や出前
29. 和食よりも洋食
14. 味付けが濃い

<食に関するクセ>
1. 早食い
25. よく噛まない
41. 口一杯詰め込むように食べる
47. ゆっくり食事をとる暇がない
55. 食事の時は次から次へと口に入れて食べてしまう
12. 料理があまるともったいないので食べてしまう
 16. イライラしたり心配事があるとつい食べてしまう → この性格を直すのは難しい
 24. 他人が食べているとつられて食べてしまう → この性格を直すのは難しい
28. 外食や出前を取るときは多めに注文してしまう
 31. 何もしていないとついものを食べてしまう → 周りに食べ物を置かないことで解決できそう
 32. たくさん食べてしまった後で後悔する
 34. 果物やお菓子が目の前にあるとつい手が出てしまう → 周りに食べ物を置かないことで解決できそう

以上を整理すると、以下のようになりました。

〇   いいえ
▢  たまに(週に1回以下)
△ ときどき(週に2回以上)
×  はい(ほぼ毎日)

<生活習慣>
18. 夜型人間
36. 運動しない

<食習慣>
48. 朝食をとらない
37. 夕食をとるのが遅い
4. 夜食をとる
27. 食事の時間が不規則
47. ゆっくり食事をとる暇がない
21. 間食する(おやつ以外)
23. 身の回りにいつも食べ物を置いている
6. 食べたあとすぐ横になる

<食事内容>
52. 甘いもの
11. スナック菓子
19. 麺類
40. 菓子パン
30. ハンバーガーなどのファストフード
26. 外食や出前
29. 和食よりも洋食
14. 味付けが濃い

<食に関するクセ>
1. 早食い
25. よく噛まない
41. 口一杯詰め込むように食べる
55. 食事の時は次から次へと口に入れて食べてしまう
12. 料理があまるともったいないので食べてしまう
28. 外食や出前を取るときは多めに注文してしまう

やっと23項目にまで減りました。
次に、これらを「小児肥満の食事指導」に記載した、
啓蒙書からの質問項目とすり合わせてみます。

<生活習慣>
18. 夜型人間
36. 運動しない

<食習慣>
48. 朝食をとらない
37. 夕食をとるのが遅い
4. 夜食をとる
27. 食事の時間が不規則
47. ゆっくり食事をとる暇がない
★ おやつのルール(時刻・量)がある
21. 間食する(おやつ以外)
★ 大皿料理
23. 身の回りにいつも食べ物を置いている
6. 食べたあとすぐ横になる

<食事内容>
52. 甘いもの
11. スナック菓子
19. 麺類
40. 菓子パン
30. ハンバーガーなどのファストフード
★ 甘いジュース
26. 外食や出前
29. 和食よりも洋食
14. 味付けが濃い
★ 野菜を食べない
★ 魚を食べない

<食に関するクセ>
1. 早食い
25. よく噛まない
41. 口一杯詰め込むように食べる
55. 食事の時は次から次へと口に入れて食べてしまう
★ ご飯はお茶碗ではなくどんぶり
★ 自宅のおかわり
★ 給食のおかわり
12. 料理があまるともったいないので食べてしまう
28. 外食や出前を取るときは多めに注文してしまう

これを一覧表にして、通院毎のチェックリストを作成し、
WEB問診に導入する予定です。

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おとなの肥満(「肥満症診療ガイドライン2022」紹介)

2023年01月09日 07時45分22秒 | 予防接種
2022年に成人の「肥満診療ガイドライン」が改定されました。
紹介記事から概要を俯瞰したいと思います。

私が感じたポイントを列挙します;

・肥満はBMIで評価し、BMI≧25を「肥満」、BMI≧35を「高度肥満」と定義。
・成人肥満治療の基本は食事・運動・行動療法の3つ。
・難治例には薬物・外科療法が検討される。
(薬物例)
 マジンドール
 リパーゼ阻害薬(セチリスタット、オルリスタット)
 GLP-1受容体作動薬(セマグルチド)
 SGLT2阻害薬
(外科手術例)
 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術

小児と比較して、
肥満をBMIで評価すること(小児は「肥満度」)、
薬物療法・外科療法が加わること、
ーが特徴ですね。

なお、小児に関しては「小児肥満症診療ガイドライン2017」の内容を盛り込む形で付記から章に格上げしているそうです。


「肥満症診療ガイドライン2022」正式発表
新規肥満症治療薬の承認と減量・代謝改善手術の普及に対応
高志 昌宏=シニアエディター
2022/12/12:日経メディカル)より一部抜粋;
 「肥満症診療ガイドライン2022」が、那覇市で開催された第43回日本肥満学会(2022年12月2~3日)で正式発表された。現行の2016年版発行後に報告された新しい知見を加えて内容の充実を図ったほか、近年社会的な関心が高まっているスティグマ(誤った理解に基づく、偏見や社会からの否定的な烙印)に言及、その解消に向けた提言を盛り込んだ。
・・・
 ガイドライン2022年版の構成は・・・2016年版の7章+付録から11章立てに改変された。新設された章は、「高度肥満症」、「小児の肥満と肥満症」、「高齢者の肥満と肥満症」、「肥満症治療薬の適応および評価基準」の4つ。
・・・小児や高齢者の肥満も増加が問題となっており、小児に関しては「小児肥満症診療ガイドライン2017」の内容を盛り込む形で付記から章に格上げし、・・・肥満症治療薬の章は、今後の新規治療薬の開発に不可欠として、コラムから章に格上げされた。
 肥満・肥満症の概念は2016年版から変更はなく、「脂肪組織に脂肪が過剰に蓄積した状態で、体格指数(BMI)≧25のもの」を「肥満」とし、その中で「肥満に起因ないし関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、医学的に減量を必要とする疾患」を「肥満症」と定義した。なお、腹部CT検査などで内臓脂肪面積≧100cm2が認められ内臓脂肪型肥満と診断された場合も、将来の健康障害リスクが高いことから、現在健康障害を伴っていなくても肥満症に含める。同様な考え方で、BMI≧35は「高度肥満」とし、肥満関連健康障害または内臓脂肪蓄積を認める場合に「高度肥満症」と定義した。
・・・
第1章に、「肥満症治療の目的と日本肥満学会が目指すもの」として新設された(図1)。

図1 肥満症治療の目的と日本肥満学会が目指すもの(出典:「肥満症診療ガイドライン2022」、p4)


 この図に込められたメッセージとして小川氏は、
(1)まず肥満から医学的介入が必要な「肥満症」を抽出(診断)すること、
(2)ベースとなる治療は食事療法、運動療法だけでなく、患者の気付きを促す行動療法も求められること、
(3)減量はあくまでも手段であり、目的は健康障害ないし健康障害リスクの改善にあること、
(4)薬物療法と外科療法は減量達成に対して車の両輪のように互いに補い合う治療法と位置付けられるほか、全ての治療に心理的サポートや過剰な減量への留意が必要であること、
(5)健康障害改善の先に目指すものとして、肥満・肥満症をもつ個人のQOL改善があること、
(6)QOL改善のためには、行政などによる社会的な対応の促進やスティグマ解消に向けた働きかけも求められること
──などを挙げた。
 肥満スティグマ(オベシティスティグマ)に関しては、まず「社会的スティグマ」として、肥満の発症には遺伝・体質的な要因や社会的な要因も重要であるにもかかわらず、必要以上に食習慣など個人の生活上の要因に帰せられ、肥満者が「自己管理能力が低い」といった偏見を受けやすいことを指摘。加えて「個人的スティグマ」として、肥満者が肥満を自分自身の責任と考え、医療を受ける対象ではないと考えてしまう誤った認識を持ちやすいことに言及し、正しい知識の普及や有効性の高い治療法の開発などによって、これらスティグマの解消を目指すべきと提言した。
◇ 薬物治療・外科治療の記載を充実
 ガイドライン2022年版では、薬物治療の記載が増えた。2016年版発行時、日常診療で処方できる肥満症治療薬は、高度肥満症に対する投与期間3カ月以内のマジンドールのみであり、リパーゼ阻害薬のセチリスタットは承認されたものの発売に至らなかった。2022年版では、国内外で複数の薬剤が肥満症治療薬として開発されているGLP-1受容体作動薬だけでなく、体重減少が認められるSGLT2阻害薬などについても解説を加えた。
 新設された推奨の一部を紹介すると、セマグルチドの肥満症治療薬としての承認が近いことから、いま最も注目かつ期待されているGLP-1受容体作動薬に関しては、「糖尿病の治療薬であるGLP-1受容体作動薬のなかに、体重減少作用をもつものがある」という推奨が提示された。エビデンスレベルは最も高い I だが、肥満症治療薬としてはまだ日常診療では使えないため、推奨の強さを示す推奨グレードは示されていない。
 SGLT2阻害薬も、糖尿病に対する治験では1.5~2kg程度の体重減少が認められている。だが同薬も肥満症への適応はなく、推奨は「糖尿病の治療薬であるSGLT2阻害薬には体重減少作用がある」(エビデンスレベル I、推奨グレード表記なし)という事実の記述にとどめられた。
 2022年11月に一般用医薬品としての承認が厚生労働省薬事・食品衛生審議会の部会で了承されたリパーゼ阻害薬オルリスタットについては、薬剤名は言及せず本文中に「今後OTC医薬品として販売される可能性がある」と記述された。ただし、同薬は健康障害を伴わない肥満者が対象であり、投与目的も肥満症ではなく内臓脂肪および腹囲の減少にとどまる。
 外科療法の記載も増えた。我が国では2014年に、BMI≧35で糖尿病などを合併した高度肥満症に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険収載されている。ここ数年は手術件数も年を追うごとに増加しており、2021年には全国で900件近く行われた。
 外科療法に関しては、「6カ月以上の内科的治療で体重減少や健康障害の改善が得られない高度肥満症では、減量・代謝改善手術を検討する」がエビデンスレベル I、推奨グレードA(行うよう強く勧められる)で新たに推奨された。
 また、「受診時にBMI≧32の2型糖尿病では、糖尿病専門医や肥満症専門医による治療で、6カ月以内に5%以上の体重減少が得られないか、得られても血糖コントロールが不良(HbA1c≧8.0%)な場合には、減量・代謝改善手術を治療選択肢として検討すべきである」が、エビデンスレベル II、推奨グレードB(行うよう勧められる)で推奨された。
 これ以外にも、「肥満、肥満症の疫学」の章では、肥満者を対象とした生活習慣介入研究の解説が加えられたほか、「肥満症の治療と管理」の章にある行動療法の項では、生活リズム異常を把握するための手段としてグラフ化生活日記やボウル法も紹介された。
 「肥満症診療ガイドライン2022」は書籍がライフサイエンス出版から発行されたほか、序文とキーメッセージが収められた第1章は日本肥満学会のウェブサイトで閲覧できる


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小児肥満の食生活指導

2023年01月01日 09時27分46秒 | 予防接種
子どもの肥満は、
前項目の「小児肥満の基礎知識」をもとに、
検査・診断することになります。

が、それで終わりではありません。
むしろ始まりです。

肥満診療のメインは「食生活指導」。
現在の食生活のどこがいけないのかを認識してもらい、
それを一つ一つ改善していく、エンドレスの作業です。
これが大変なのです。

病識がある患者さんは指導に反応してくれますが、
「別に困ってないけど学校健診で受診しろと言われたから来た」
という病識のないタイプは困ってしまいます。
大抵、
「食べないのに太るんです」
と家族は言うのですが、よくよく聞いてみると、
「毎日おやつにポテトチップ一袋食べている」
なんてことがよくあります。
このような例はいろいろ説明・指導しても、
無反応でドロップアウトしがちです。

なので私は従来、肥満診療に積極的ではありませんでした。
しかし学校医を担当することになった現在、
避けては通れない問題と認識し、
活路を見いだすべく下記書物を読んでみました。

<参考>
■「親子で取り組む!子供の肥満診療」(南山堂、2021年発行)

その結果、何をやるべきかが見えてきました。

まず「肥満のなれの果ては・・・心筋梗塞&脳卒中」を説明し、
病識を持ってもらいます。
この「意識の変革」なくして肥満診療は続きません。

そして食生活の問題点をあぶり出し、
本人家族に認識してもらいます。
それがクリアできて初めて、
「じゃあ、どれからはじめる?」
というスタートラインに立てるのです。

真ん中の「・・・」は以下の通り;

・肥満度20%以上を肥満という。
・成長曲線を描いて、身長と体重のアンバランスさを目で確認(見える化)。
・検査で生活習慣病(高脂血症、高血圧、糖尿病)の有無を評価。
・生活習慣病は動脈硬化のハイリスク因子。
・動脈硬化のなれの果ては心筋梗塞&脳卒中(脳出血・脳梗塞)。

上記のことを逆行して考えてみよう。

・心筋梗塞と脳卒中を避けるためには生活習慣病を遠ざける。
・そのためには肥満を解消して標準体重に近づけよう。
・肥満解消には食生活改善が欠かせない。
・自分の食生活を見つめて、問題点があればそれを解決していこう。

具体的には食生活に関する質問票(チェックリスト)を作って、
食生活の状況を把握することから始まります。
家族の主観が入りやすいので、
客観的に聞き出すことがポイントだと思います。
洗いざらい問題点を拾い上げ、
それを本人と相談しながら、
一つ一つ改善していくことになります。

いきなり全部を改善するのは無理で、
それを期待するとドロップアウトしてしまいます。
本人が、
「これとこれはできるかもしれない」
「これは今無理!」
と自分で納得しながら選択して進めるのが良いと思います。

紹介した書籍の105-107ページに、
「小児期肥満にかかわる10の食事要因とその対策」
という表があります。
それを参考にチェックリスト作成にトライしてみます。

まず、概要を。

1.食事内容の問題
① 高脂肪・高糖質の食品の多食
(食品例)ポテトチップス、フライドポテト、揚げせんべい、クッキー、
 スナック菓子、アイスクリーム
(習慣例)
・帰宅してからお菓子を一袋、平らげる
・帰宅後ペットボトルの炭酸飲料を1リットル飲み干す
・夕食後、勉強してからカップラーメン
(問題点)
・高エネルギーのため継続的に多食するとエネルギー過多になる。
・いったん食べ始めると止まらなくなることが多い。
(対策)だらだら食べを避ける、小皿によそって1回量を決めて食べる。
② 脂肪が多くなる調理方法
(食品例)から揚げ、コロッケ、フライ、天ぷら、チャーハン、焼き餃子、春巻き
(問題点)
・揚げ物ではサクサクした食感や高温調理による香ばしさで食欲増進しエネルギー過多になりやすい。
・単位当たりのエネルギーが高いため少量でも高エネルギーになりやすい。
(対策)食べる回数を減らす(肥満度が高い場合は週1回程度)
③ 糖質摂取が多くなりやすい料理(塩分が多い食品)
(食品例)麺類、どんぶり料理、ラーメン、パスタ、牛丼、チャーハン、カレーライスなど
(問題点)
・具の塩分でご飯や麺類の摂取量が多くなりがち→ 糖質の過剰摂取に繋がる。
・塩分の多いおかずはご飯が進みやすい。
・麺類や米飯は噛む回数が少なくても飲み込みやすく、満腹感の遅延から食べ過ぎ傾向になりやすい。
(対策)野菜をたくさん入れ、味付けを薄くする。もしくはサラダなど野菜料理を1品加え、野菜を食べてから食べる。
④ 脂肪が多く含まれる食品の利用
(食品例)ひき肉、バラ肉、霜降り肉、ハンバーグ、焼き肉(カルビ)、しゃぶしゃぶ、すき焼き
(問題点)
・一般的なひき肉は脂肪の割合が多く、高エネルギー食品である。
・脂肪の多い肉類は柔らかいため「噛む」ことが少なく満腹感を感じる前に多食してしまう。
(対策)赤身の部位のひき肉、脂肪の少ない部位の肉を使う。ただし魚の脂は健康によい。
2.生活習慣の問題
⑤ 野菜料理の不足
(問題点)
・野菜は低エネルギー食品であり、野菜料理が入るとボリュームが増加するため食事全体のエネルギー量が減少するメリットがある。逆に野菜摂取量が少ないと高脂肪・高糖質食に繋がりやすい。
・食物線維の摂取不足は、太りやすい腸内環境に繋がりやすい。
(対策)
・ランチトレーなどを利用して、食事を構成する主食、主菜、副菜を意識できるような環境調整からはじめる。
・はじめから「量」を求めず、一口食べることからはじめる。「量」や「内容」は月単位・年単位で調整する必要がある。
・簡単な野菜料理のレパートリーを増やすようなサポートを行う。
⑥ 牛乳の多飲
(問題点)
・牛乳はカルシウムの大切な供給源であるが、かといって水代わりに1日1リットル飲むとエネルギー過剰になる。
(対策)
・1日300-400mlを目安とする。
・食事の時の水分は水や麦茶とする。
⑦ ジュースや果物の多食(省略)
⑧-1 おやつのだらだら食べ
(問題点)
・おやつは小児期のに必要な「第4の食事」であるが、高脂肪・高糖質のおやつを食事に影響が出るほどだらだら食べてはいけない。
(対策)
・おやつは時間を決めて食事に影響しない量を心がける。
・子どもが自分でおやつを勝手に食べるような管理をしない。
⑧-2 早食い
(問題点)
・早食いの影響として、食事の摂取で血糖値が上昇する前に、胃内に一気に食物が送り込まれてしまう結果として、エネルギーの過剰摂取につながりやすい。
・早食いが習慣化すると、胃の容量が増加して、一度に送り込むことのできる食事量がさらに増加してしまう。
・よく噛まない、咀嚼が不十分な食事では、視床下部にある満腹中枢活性が妨げられることにより、過食につながる。
・肥満児では学校給食で“おかわり”することが習慣化していることが多い。
(対策)
・自分の食事がどれくらいで終わっているか、時間を計ってみる。
・よく噛んでゆっくり30分くらい食事時間にかけたい。
⑨ 欠食・不規則な食事時間・孤食
(問題点)
・朝食の欠食や不規則な食事時間は生活時間の不規則につながる。
・欠食はその次の食事の過食や間食の増加につながる。
・遅い夕食時間は肥満のリスクとなる。
・肥満児は夜に食事を大量摂取することが多く、その結果として夜間就寝中も食物の消化が継続されてしまい、朝の空腹感低下や食欲が湧かない傾向がある。
・孤食では、嫌いなものは避け、好きなものだけ食べる食生活になりがち。
(対策)
・就寝2-3時間前には夕食を済ませる習慣をつける。
・簡単に用意できる食事のレパートリーを増やすようなサポートをする。
⑩ 活動量の低下(省略)

以上を参考に、他の資料の加えてチェックリストを作ってみました。

① 次の中で好きなおやつはありますか?(複数回答可)
 ▢ ポテトチップス
 ▢ フライドポテト
 ▢ 揚げせんべい
 ▢ クッキー
 ▢ スナック菓子
 ▢ アイスクリーム
→ チェックした好きな食べ物を1週間のうち何回、どのくらいの量を食べるか教えてください。
(例)週3回、一袋全部。

② 次の中で好きな料理はありますか?
 ▢ から揚げ
 ▢ コロッケ
 ▢ フライ
 ▢ 天ぷら
 ▢ チャーハン
 ▢ 焼き餃子
 ▢ 春巻き
→ チェックした好きな料理を1週間のうち何回、どのくらいの量を食べるか教えてください。

③ 次の中で好きな料理はありますか?
 ▢ 麺類(うどん、そば)
 ▢ どんぶり料理
 ▢ ラーメン
 ▢ パスタ
 ▢ 牛丼
 ▢ チャーハン
 ▢ カレーライス
→ チェックした好きな料理を1週間のうち何回、どのくらいの量を食べるか教えてください。

④ 次の中で料理によく使う食材はありますか?
 ▢ ひき肉
 ▢ バラ肉
 ▢ 霜降り肉
 ▢ ハンバーグ 
 ▢ 焼き肉(カルビ)
 ▢ しゃぶしゃぶ
 ▢ すき焼き
→ チェックした食材を使った料理を1週間のうち何回、どのくらいの量を食べるか教えてください。

⑤ 好き嫌いはありますか。野菜・魚は食べますか。
▢ 好き嫌いがある
→ ▢ 野菜は全体的に嫌い
  ▢ 一部の野菜は嫌いで食べない(具体的に:              )
→ ▢ 魚は全体的に嫌い
  ▢ 嫌いな魚がある(具体的に:           )
▢ 好き嫌いはない

⑥ 牛乳は1日にどれくらい飲みますか?
 ▢ 飲まない
 ▢ 飲めない(アレルギーなどの理由で)
 ▢ 200ml以下
 ▢ 200-400ml
 ▢ 400ml以上

⑦ 甘いジュース(※)をどのくらいの頻度でどのくらい飲みますか?
※ 例)炭酸飲料、缶ジュース、野菜ジュース、果物飲料、乳酸菌飲料など
 ▢ 毎日
 ▢ 2日1回
 ▢ 週2回
 ▢ 週1回
 ▢ ほとんど飲まない
→ 何mlくらい?(      )

⑦’ 果物はどれくらいの頻度で、どれくらい食べますか?
 ▢ 毎食
 ▢ 毎日2回
 ▢ 毎日1回
 ▢ 2日1回
 ▢ 週2回
 ▢ 週1回
→ どれくらい?(      )

⑧-1 おやつはどのように与え、食べていますか?
 ▢ 時刻を決めている(何時頃?     )
 ▢ 量を決めている
 ▢ 子どもが勝手に食べている
 ▢ 知らない間に祖父母が与えている

⑧-1’ おやつにはどのような食べ物を用意しますか?
→ (       )

⑧-2 早食い傾向がありますか?
 ▢ とても早い
 ▢ 少し早い
 ▢ ふつう
 ▢ 遅い

⑨ 朝昼晩の大まかな食事時間を教えてください(起床・就寝時間も教えてください)。
(朝起きる時間)
 ▢ (   )時頃
(朝食)
 ▢ (   )時頃
 ▢ 食べない
 ▢ 毎日は食べない(週  回食べる)
(昼食)≒給食
 ▢ 残すことがある
 ▢ 全部食べる
 ▢ おかわりする(何回?   )
(夕食)
 ▢ (   )時頃
(夜食)
 ▢ 食べない
 ▢ (   )時頃
(寝る時間)
 ▢ (   )時頃

⑨’ 朝食と夕食の量の比率(朝食:夕食=○:○)はどうでしょうか?
 ▢ 朝食>夕食
 ▢ 朝食≒夕食
 ▢ 朝食<夕食
 ▢ 朝食<<夕食

⑨” 夕食は大皿をみんなでつつきますか、それとも個別に小皿で出しますか?
 ▢ 大皿のみ
 ▢ 大皿>小皿
 ▢ 大皿≒小皿
 ▢ 大皿<小皿
 ▢ 小皿のみ

⑨”’ ご飯はお茶碗で食べますか、どんぶりですか?何杯食べますか?
 ▢ お茶碗(   杯)
 ▢ どんぶり(   杯)

ムムッ、検索してみたらこれらを考慮した「質問表」がすでにできている様子。55項目版と18項目版を例示します;

■ 肥満症診療ガイドライン 2016 年 p41 表 4-3より(同友会メディカルニュース 2020 年 12 月号


一口量に注目した食行動評価: YN 食行動質問票の有効性
中道 敦子,後藤 崇晴 ,市川 哲雄
(Journal of Oral Health and Biosciences 27(2):71 ~ 80,2015)



運動指導はまた別項目で扱う予定です。

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