投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2010年 3月 9日(火)21時04分7秒
下の投稿の引用部分、「その統率者が文観房弘真であるかのように述べられている」に付された注も載せておきます。(『文観房弘真と美術』p17)
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注(17) 文観房弘真は後醍醐天皇を語る時に折に触れて言及されている。其のなかでもまとまったものとして、岡見正雄校注『太平記』(ニ)巻十二補注(角川書店、一九八二年四月)と網野善彦「異形の王権」(『異形の王権』所収、平凡社、一九八六年八月)がある。岡見氏は文観房弘真の西大寺蔵木造文殊菩薩騎獅像の納入品について言及され、さらに杉山二郎氏が論じられた「般若寺蔵文殊菩薩像」(『ミュージアム』一三三号、一九六二年四月)の中で示された八字文殊菩薩法のひとつにある調伏法を重視し、正中の変との関わりあいを示唆した。さらにそれを受けて網野氏が、建武二年に奏された高野山衆徒の文観房弘真非難の文言や『太平記』にみられる「文観上人の手の者」との表現から、文観房弘真の姿を描きあらわした。文観房弘真と荼枳尼天法との関りも網野氏の指摘にはじまるようである。立川流との関係も否定しながらも、『太平記』にみられる無礼講の姿なども強調しており、それ以降文観房弘真のイメージが固定化された感がある。
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『文観房弘真と美術』の書評がないかなと思って検索したところ、書評ではありませんが、阿部泰郎氏がかなり詳しく紹介されてますね。
http://homepage.mac.com/nobumi_iyanaga/kudenML/filestore/abe_paper/abe_paper.doc
下の投稿の引用部分、「その統率者が文観房弘真であるかのように述べられている」に付された注も載せておきます。(『文観房弘真と美術』p17)
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注(17) 文観房弘真は後醍醐天皇を語る時に折に触れて言及されている。其のなかでもまとまったものとして、岡見正雄校注『太平記』(ニ)巻十二補注(角川書店、一九八二年四月)と網野善彦「異形の王権」(『異形の王権』所収、平凡社、一九八六年八月)がある。岡見氏は文観房弘真の西大寺蔵木造文殊菩薩騎獅像の納入品について言及され、さらに杉山二郎氏が論じられた「般若寺蔵文殊菩薩像」(『ミュージアム』一三三号、一九六二年四月)の中で示された八字文殊菩薩法のひとつにある調伏法を重視し、正中の変との関わりあいを示唆した。さらにそれを受けて網野氏が、建武二年に奏された高野山衆徒の文観房弘真非難の文言や『太平記』にみられる「文観上人の手の者」との表現から、文観房弘真の姿を描きあらわした。文観房弘真と荼枳尼天法との関りも網野氏の指摘にはじまるようである。立川流との関係も否定しながらも、『太平記』にみられる無礼講の姿なども強調しており、それ以降文観房弘真のイメージが固定化された感がある。
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『文観房弘真と美術』の書評がないかなと思って検索したところ、書評ではありませんが、阿部泰郎氏がかなり詳しく紹介されてますね。
http://homepage.mac.com/nobumi_iyanaga/kudenML/filestore/abe_paper/abe_paper.doc