1897(明治30)年 尾崎紅葉『金色夜叉』。
人焼くなこの 紅葉を。
1897年 尾崎紅葉『金色夜叉』
[point]
1.尾崎紅葉の代表作は『金色夜叉』である。
[解説]
1.尾崎紅葉(1867~1903)は、1885年に山田美妙(びみょう)らと文学結社である硯友社(けんゆうしゃ)を結成し、回覧雑誌『我楽多文庫(がらくたぶんこ)』を発刊した。二葉亭と同じく写実主義をかかげながらも文芸小説の大衆化を進めた。読売新聞に入社し、かつ硯友社の中心として多くの門下を集め、明治20年代の文壇で重きをなす。
2.紅葉は『多情多恨』『金色夜叉』などの風俗小説で多くの読者を獲得した。これらの作品では、言文一致体で写実的に人物の心理や性格を描いており、次代の自然主義文学への橋渡しとなった。
〈2016明大・経営
問4 下線部エの長岡外史は、日露戦争では大本営勤務であったが、日露戦争について、正しい記述をA~Dの中から一つ選べ。
A 開戦時の外務大臣は陸奥宗光であった。
B 開戦後に、硯友社の尾崎紅葉は対露強硬論を主張した。
C 奉天会戦が起こって、日本軍がロシア軍を撃退した。
D 講和条約によって、千島列島は日本領となった。」
(答:C〇。※A×外相は小村寿太郎。B×紅葉は開戦前の1903年没。D×樺太千島交換条約ですでに日本領)〉
〈2015明大・商
下図(略)を『蝸牛庵夜譚』のなかで「乍憚口上先以て各々様益々ご機嫌能御座被遊珍重に存じ奉り候…以下略…」と判読したのは、理想主義的作風で明皇帝の動乱の生涯を描いた『運命』などの著作があるC【①坪内逍遙 ②二葉亭四迷 ③幸田露伴 ④山田美妙 ⑤尾崎紅葉】(1867~1947)である。」
(答:③)
幸田 露伴(こうだ ろはん、1867年 - 1947年)は、日本の小説家。本名は成行(しげゆき)。別号に蝸牛庵(かぎゅうあん[1])、笹のつゆ、雷音洞主、脱天子など多数。江戸(現東京都)下谷生れ。帝国学士院会員。帝国芸術院会員。第1回文化勲章受章。娘の幸田文も随筆家・小説家。高木卓の伯父。
『風流仏』で評価され、『五重塔』『運命』などの文語体作品で文壇での地位を確立。尾崎紅葉とともに紅露時代と呼ばれる時代を築いた。
〈2012立教大・現代心理社会コミュ福
問9.小作農民を題材とした小説「土」を著した人物は誰か。次のa~dから1つ選べ。
a.尾崎紅葉 b.田山花袋
c.長塚節 d.森鴎外」
(答:c※〈塚〉と〈ツ〉)
※なお「硯友社」は正解が「××社」のダミー選択肢として頻出。